アパートの更新を済ませた直後に転勤が決まる、なんともタイミングが悪いですね。
しかし、転勤でなくても急に事情が変わり、退去しなきゃいけないことはあるでしょう。
更新には、一般に家賃の1か月分の「更新料」が掛かります。
また、「更新料」のほかに「更新手数料」や「保険料」もあるので家賃以上の出費になります。
ですから、今後住むはずだった期間を月割り計算して、「なんとか少しでも返金してもらえないか」と考えてしまいますよね。
こんな場合、「更新料は返金されるのか?」詳しくご紹介していきましょう。
アパートを更新直後に退去「更新料は返金される?」
さまざまな事情で、アパートの契約更新直後に退去しなければならなくなったら、どうしますか?
あと2年住むつもりで更新しているので、予想もしないことが起こって事情が変わることは大変なことです。
しかし、それよりも、多額の更新料を払ったばかりなので、更新料を返金してもらえるのかどうか気になるところではないでしょうか。
さきほどもお話したように、月割り計算で返金してもらえたらうれしいですよね。
しかしながら、一般にアパートの更新料が返金されることは、まずありません。
それは、契約が成立した後ということと、借りている方の一方的な事情で退去するからです。
アパートの更新料については、入居時に説明を受け「更新時に契約通り支払います」と署名捺印しているはずです。
それと同時に、「これからも引き続き、よろしくお願いします」という、大家さんに対するお礼の意味が含まれています。
それを「事情が変わったので返して欲しい」というのは、こちら側の都合なので返金は難しいとされています。
アパート退去「更新料返金」どころか家賃が余計にかかる?!
さきほどのように、急に事情が変わってしまった場合は仕方ありませんが、通常アパートを退去する時は、「最低でも1か月前」には連絡をしましょう。
この「最低でも1か月前」に連絡するのには、次の家賃が発生するかしないかに大きくかかわってきます。
うっかりしていて、退去の連絡が1か月を切ってしまったら、更新料の返金どころか、1か月分の家賃を余計に支払うことにもなりかねません。
このことは、賃貸契約を結ぶ際に確認事項として説明されているはずですから、「知らなかった」「聞いてない」では済まされません。
ですから、退去の連絡は、なるべく早くすることをおすすめします。
アパートの退去は、大家さんにとっても大変なことなのです。
見込んでいた家賃収入がなくなるだけではなく、次の入居者を探さなくてはなりませんし、部屋のメンテナンスもしなくてはなりません。
退去の際には、大家さん立ち合いのもと、部屋の状態をチェックする場合もあるので、良好な関係を保つためにも早めの連絡を心がけましょう。
「アパートの更新料」1日でも過ぎれば発生する?!
次に、こんな場合についてご紹介しましょう。
急ではないのですが、退去することが決まっていて、退去予定日がアパートの更新後、すぐの場合です。
このようなとき、アパートの賃貸契約が満了してから、ほんの数週間しか住まないのに、更新料を満額支払わなければならないのでしょうか。
この場合、1日でも住むのであれば、基本的には満額支払わなければなりません。
しかし、事前に退去日が分かっているのであれば、交渉の余地はあります。
さきほどお話したように、早めに退去することが分かっていれば、事前に入居者を募集することが出来るので、大家さんの負担は少なくなります。
このように、大家さんの事情を察することで、交渉に応じてくれるかもしれません。
賃貸契約満了後、どれくらい住むのかにもよりますが、大家さんや仲介業者さんと良好な関係が築けていれば、サービスしてもらうことも可能でしょう。
しかし、更新料を支払ったあとの返金はなかなか難しいので、退去の可能性がある時は、事前に相談することをおすすめします。
アパートの更新料「月割りで返金」してもらえるのか?
次にアパート更新後、数か月住む場合はどうでしょう。
これも早めにわかっていれば、大家さんや仲介業者さんとの交渉次第で更新料を月割りにしてもらうことも可能です。
実際に交渉して、月割りにしてもらった人もいます。
しかし、更新料を支払ったあとの返金は、交渉が大変難しくなります。
アパートの賃貸契約を更新した後では、仲介業者さんの書類上の処理もありますし、大家さんや仲介業者さんが心理的にも面倒だと感じてしまうからです。
「ダメでもともと、上手くいったらラッキー」というくらいの気持ちで、大家さんに相談しましょう。
いずれにしても、日ごろから大家さんや仲介業者さんと良好な関係があってこその相談です。
家賃を滞納していたり、近隣に迷惑をかけるなど、居住ルールを守っていない方は、話を聞くことすらしてもらえないかもしれません。
大家さんや仲介業者さんも人間ですから、日ごろから迷惑をかけられている相手には寛大になれないと思います。
問題が起きてから慌てるのではなく、常にお互いの立場を理解し、気持ちよく過ごすことを心がけましょう。
大家さん都合の場合「更新料の返金」は交渉すべき?
これまで、アパートの更新料返金は難しいとお話ししてきました。
しかし、大家さんの都合で退去せざるを得ない場合は、話は違ってきます。
こんな例があります。
「更新後、数か月で取り壊しが決まり、退去するよう言われた」とのこと。
通常であれば、取り壊しなどの場合は余裕をもって通知すべきです。
でも、そうではなかった場合は、更新料を返金して欲しいですよね。
しかし、このような場合でも、一般的に更新料は返金されません。
そこで、その方は大家さんと直接話して、更新料を月割り計算して更新料を返金してもらったそうです。
ここでも、大家さんとの関係や相談、交渉が大切になります。
そこまでは出来ないという方は、退去の条件のひとつとして、更新料の返金を挙げる方法もあります。
自己都合ではなく、退去しなくてはならないのであれば、交渉する余地は大いにあります。
言われるままに退去するのではなく、大家さんや仲介業者さんに交渉してみましょう。
大家さんや仲介業者さんとのコミュニケーションが大切
このように、一般的には2年に1度、アパートの賃貸契約は更新され、更新料が発生します。
更新料の平均は、関東圏では家賃の1か月分です。
地域によって差はありますが、アパートの更新料は大きな負担になります。
急な事情で、更新料を支払ったばかりで退去しなくてはならなくなると、「少しでもいいから返金して欲しい」と思う方は多いでしょう。
これまで、さまざまなケースをご紹介してきましたが、結局は人の繋がりが大切になってきます。
日ごろから、大家さんや仲介業者さんとコミュニケーションを取っていれば、こちらの事情も汲んでくれるでしょう。
それには、家賃を毎月滞りなく支払い、居住のルールを守る、善良な借主でいることが大切です。
事情が変わったり、困ったことが起きたら、すぐに大家さんや仲介業者さんに相談する習慣があれば、お互いを理解しあい、良好な関係が保てます。
そうすることで、突発的なことが起きた時にトラブルなく解決することが出来るのです。
人と人との繋がりがお金の話もスムーズにしてくれる
アパートの更新には、さまざまな事情でスムーズにいかないこともあるでしょう。
また、更新料など、お金が絡むとより複雑になります。
しかし、大家さんや仲介業者さんとコミュニケーションが取れていれば、相談しやすくなりますし、こちらの事情も分かってもらえます。
このように、大家さんや仲介業者さんとの日ごろの付き合い方を大切にしていると、お金の話をスムーズにすることが出来るようになります。
難しいと言われている「更新料の返金」も、コミュニケーションをはかることで戻るかもしれませんね。