アパートの住所は、同じアパートであれば番地まではみんな同じですね。
1階の部屋と2階の部屋の違いといえば、○○号室という部屋番号だけです。
そして、お隣りさんはだいたい自分の部屋と連番の部屋番号になっていますが、この部屋番号のつけ方には、なにかルールがあるのでしょうか。
なんとなくは知っている?アパートの部屋番号のつけ方のルール
アパートのお隣りさんや、上の階の人の郵便物が、間違って自分のポストに入っていたという経験はないでしょうか。
心当たりのない郵便だと思っていたら、宛先の最後が隣りの部屋番号だったりします。
「うちは206号室なのに、205号室の水道の使用量のお知らせが入っていた」などということもあります。
これは、住所の最後の部屋番号が1番違いであるから起こる単純ミスの配り間違いですが、この部屋番号はどんな基準のつけ方がされているのでしょう。
なんとなくわかることは、1階は101~110号室、2階は201~210号室などのように、階によって部屋番号の頭の数字が変わるということです。
また、おそらくは101号室の上の部屋が201号室、201号室の上の部屋は301号室というように、部屋番号の下2桁が同じ部屋が縦に並んでいるように思います。
部屋番号は、ただの1号室、2号室や101号室、102号室、また1001号室、1002号室やA-1号室、A-2号室などさまざまです。
しかし、一番スタンダードなのは3桁表記ではないかと思います。
そして、ホテルの部屋のように、4や9のつく部屋番号をとばしているアパートもあります。
このあたりまでは、アパートに住んだことのある人ならなんとなく知っていますね。
では、その並びかたはどうでしょうか。
アパートの部屋番号のつけ方の実例
実は私の家はマンションですので、うちの場合の部屋番号のつけ方をご紹介したいと思います。
1階あたり15件程度のお宅が入居しているL字型のマンションで、Lの角のところにエレベーターが設置されています。
L字型の一辺はベランダ南向き、もう一辺はベランダ西向きで、正面エントランスは南向きで道路に面しているつくりになっています。
部屋番号の並びは単純で、ベランダ西向き棟の北の端から1号室、2号室となり、エレベーターのところが南の端で7号室です。
次がベランダ南向き棟の西の端が8号室で、東に向かって9号室、10号室となります。
2階は頭に階の番号がつくので201号室から215号室、3階は301号室から315号室という具合です。
部屋番号の起点は、エントランスやエレベーターの位置に関係なく、北の端ということになります。
では、アパートやマンションなどでは、北側の部屋から若い部屋番号を割り当てるようになっているのかというと、そうでもありません。
それ以前に住んでいたマンションでは、エントランスは南向きでしたが、一番手前、つまり南端の部屋を起点に101号室から106号室が奥に並んでいました。
101号室から106号室はエントランスの東側で、廊下を挟んで西側の部屋は、南端から107号室から112号室という具合でした。
つまり前述の例となんら関係性は見当たらないのです。
アパートの部屋番号のつけ方にルールはない!
つまるところ、アパートの部屋番号のつけ方になにかルールがあるのかというと、実際にはなにもないというのが正解です。
法令や規定があるわけでもありません。
ではどうやって決めているかというと、大家さんが自由に決めているとしかいえません。
基準はおそらく、誰にでもわかりやすいようにという程度だと思います。
1階は頭に1をつける、2階は2をつける、入り口から順に若い番号をふっていく、建物の端から連番をふっていくなど、アパートによってさまざまです。
ある不動産会社の営業マンの見解では、建物のエントランスに近い方から1、2、3と部屋番号をふっていくパターンが一番一般的だそうです。
まれに死を連想する4号室は使わず、3号室の次が5号室となっているといいます。
これも大家さんの裁量によるということですね。
また、設計士が仮に設定した部屋番号をそのまま用いるような場合もあるようです。
この場合は、基本的に北を上にした平面図の、左から若い番号をふっていくそうです。
私の家の場合をみると、北を上にした平面図では、1号室は北の左端で、南の左端にむけて連番がふってあり、南向きの棟では確かに左から若い番号になっています。
おそらく設計士さんのつけた部屋番号をそのまま採用した結果ではないでしょうか。
アパートの部屋番号にルールが存在しない理由
余談ですが、何丁目何番地という住所の地名表示を決める場合、1丁目1番地はその土地の役所に近い方にするそうです。
住所表示も、昔から変わらない土地ではそうなっていることが多いですが、役所も移転などで他所に移る場合もあります。
そうなると、基準から外れてしまい、年数を経ると基準もわからなくなってしまいますね。
それと同じで、古い公団などでは道路に面した方から部屋番号をふっていましたが、高層住宅などが建てられるようになると、エレベーターの場所を起点とする場合が増えました。
このように、時代とともに変化する事情もあり、新旧混在で基準がわからなくなっていくのかもしれません。
もともと法的な基準がないのですから、かわるのも仕方のないことなのでしょう。
古い公団の抽選で210号室が当選したので、2階だと思って喜んでいたら、見に行ったら5階だったという奇怪なこともあったそうです。
4階なのに、部屋番号は501と不吉な4を避けるつけ方をしているややこしいアパートもありますし、1階なのに5011号室という部屋番号も実在します。
103Aや115Cなど、アルファベットを混ぜた部屋番号もあります。
建物の形状と大家さんやデベロッパーのセンスによる独特のつけ方でしょう。
アパートの部屋番号から何階かを知る方法
部屋番号のつけ方にルールがないとしたら、アパートの部屋番号から何階の部屋かを知るにはどうしたらよいのでしょう。
なにか方法はあるのでしょうか。
アパートや土地、建物の不動産登記を行う場合、法務局に手続きをしにいきます。
個人の場合は、司法書士さんなどにお願いするため、あまりかかわりがないのではないでしょうか。
法務局では、登記された不動産の所在、面積、所有者の住所氏名、権利関係を登記簿に記録します。
そして、これを公開することで誰にでも権利関係がわかるようにして、取引を安全、円滑に行えるよう図っています。
アパートなどの集合住宅ももちろん登記されていて、アパートやマンションごとに台帳が作られています。
台帳には、部屋番号ごとの所有者情報などが書かれているので、閲覧すれば何階の何平米の部屋かということがわかるのです。
閲覧の際には、その所在地を管轄する法務局に出向いて、アパートの住所や部屋番号などを記載して、窓口に申請します。
アパートやマンションの台帳は登記簿本体と違い、電子閲覧ができないため、実際に法務局に行って閲覧するしか方法がありません。
アパートを見学するのが一番確実な方法
他に、ゼンリンの住宅地図も部屋番号を知るためのひとつの方法です。
調査関係やデリバリー、セールス関係の仕事をしている方はよくご存じだと思いますが、住宅地図には地図上に個人宅の名前まで記載されています。
アパートは、地図上には部屋番号まで載ってはいませんが、別記というものがあって、別記を調べれば部屋番号とわかる範囲の居住者名まで載っています。
ただ、公的なものではないため、引っ越しても更新されていない場合や、古いデータの場合もあります。
また、部屋番号はのっていても、表札などが出ていない場合は、居住者の欄が空欄になっていることもあります。
このように、正確さには欠けますが、部屋番号を確認するためのひとつの方法といえます。
ところで、アパートの部屋番号になにか統一基準があれば、このような調べ方は必要ないのですが、日本全国にこのような集合住宅は数えきれない数あります。
しかも、すべてが登記されているのですから、それを変更するのは容易なことではありません。
きっと今後も、現状のまま、いろいろな部屋番号のつけ方が混在したままでしょう。
アパートを契約する際などは、部屋番号を不動産屋さんに確認し、必ず現地見学に行くことが一番確実ですね。
部屋番号のつけ方にルールはないが、一応の参考に
アパートの部屋番号のつけ方についてみてきましたが、結局ルールはなにもありませんでした。
大家さん次第というのが結論ですが、新築の物件などでは、設計士さんの「北に向かって左から」というのが一応の基準になるかと思います。
参考として覚えておいてもらえれば、役に立つかもしれません。