新築であれば、害虫は発生しないと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、必ずしもそうではありません。
ここでは、新築時の害虫対策や、害虫が発生した際の撃退法について解説していきます。
それとあわせて、新築なのになぜ害虫が発生するのかについてもお話しします。
新築なのに害虫が発生する理由
もともと誰かが住んでいたわけでもなく、建てられたばかりの新築の家に、なぜ害虫が発生するのでしょうか。
それは、新築か否か関係なく、玄関や勝手口から害虫が侵入してくるためです。
玄関から家の中に入るとき、パッと見てわかるような大きさの虫が一緒に入ろうとしているれば、簡単に見つけられますよね。
しかし、虫がまだ成長しきっていない小さなうちだと、見逃してしまうことが多々あるのです。
そうすると、家の中に侵入した小さな虫は「どこからこんな大きな虫が入ったの!?」というくらいの大きさに成長し、突然私たちの前に現れるのです。
もちろん、玄関や勝手口のみならず、窓のちょっとした隙間や換気扇からも小さな虫は侵入してきます。
それだけではありません。
家を新築するとなると、引っ越しの際は段ボールをたくさん使いますよね。
また、ネットショッピングなどで、新しく購入したものが段ボールで届くことも多いでしょう。
なんと、害虫はその段ボールに隠れている場合があるのです。
このように、新築だからと言って害虫が発生しないという理由にならないということがお分かりいただけたことと思います。
次項では、害虫対策のお話をする前に、家の中に発生する害虫の種類についてお話ししましょう。
家の中で発生する害虫の種類
新築か否かにかかわらず、家の中でよく発生する害虫の種類は以下のとおりとなります。
・ゴキブリ
・ムカデ
・ハエ
・蚊
・蛾
・クモ
これらの害虫はある程度の大きさがあるので、比較的目につきやすいですよね。
この他にも、
・チャタテムシ
などのようなあまり聞きなれない虫も家の中で発生します。
チャタテムシはダニと間違えられることの多い虫ですが、ダニは目で確認することができないのと反対で、チャタテムシは肉眼で見ることができます。
畳や古めの本などに、1mmくらいの小さな虫を見つけたことはないでしょうか。
それがまさに「チャタテムシ」なのです。
チャタテムシは、その死骸がバラバラになって空気中に散らばることがあります。
そうすると、その死骸を吸い込むことでアレルギーの原因にもなると言われているのです。
お子さんがいらっしゃるご家庭であれば、どうにかチャタテムシについても対策を練りたいものですよね。
チャタテムシは湿気が多く、薄暗くて温かい場所を好みます。
そのような場所はゴキブリやダニも好みますから、部屋の中の風通しをよくして、チャタテムシやゴキブリなどが住み着きやすい環境を作らないようにすることが大切です。
それでは、次項より害虫の対策方法について家の場所ごとで解説していきます。
新築時の害虫対策方法:玄関・勝手口
「どうやっても害虫は外から入ってくる!」と諦めずに、新築時にできる害虫対策を行いましょう。
まず、害虫は玄関や勝手口から侵入してくることが多いです。
ですから、玄関や勝手口の対策を強化しましょう。
できることなら、新築の設計時から害虫対策を取りたいものです。
まだ設計段階で可能であれば、玄関ドアは気密性が高い開き戸にしましょう。
引き戸は比較的虫が侵入しやすいので、できれば避けておきたい戸です。
勝手口は網戸付きのものにして、出口はコンクリートで固めて害虫が寄ってこないような構造にしておきましょう。
そして、どちらも近くには植物などを置くことは避けてください。
植物は、虫の絶好の隠れ場所です。
虫はそこで巣を作ったり、産卵してしまうのです。
そうすると、害虫が大量に発生する原因ともなりますので、注意するようにしましょう。
新築時の害虫対策方法:窓・換気口
害虫は、玄関や勝手口からだけではなく窓や換気口からも侵入してきます。
そのため、新築時には窓や換気口にも害虫対策を施しましょう。
まず、よく見かけるタイプの引き違い窓は、隙間から虫が侵入してきやすい構造になっています。
そのため、できるだけ害虫の侵入を防ぎたい方は、家の中の窓は密閉性のあるレールのない窓を採用するようにしてください。
網戸にしていても、小さな虫はやすやすと侵入します。
どうしても虫の侵入が許せない方は全館空調などの設備を整え、極力窓は開けないようにするという方法を取るといいかもしれません。
換気口も同様のことが言えます。
外へ通じる隙間がある限り、虫はどこからでも侵入してきます。
ですから、「換気口はフィルターがついているから」と安心はできません。
このことから考えても、やはり全館空調がおすすめかもしれませんね。
新築時の害虫対策方法:排水管・エアコン
害虫は、隙間があればどんなところからでも侵入してきます。
そのため、排水管から侵入することもあるのです。
新築であれば、排水管には隙間はほとんどと言っていいくらいなく、そこから虫が侵入してくることは多くはないでしょう。
しかし、害虫は暗く汚れたところに住み着きやすいですから、常に清潔にしていないといつの間にか大量に発生してしまう原因となるかもしれません。
ですから、排水口などの汚れが溜まりやすい部分は、できるだけ清潔を保つように心がけましょう。
また、エアコンは壁に穴を開けて管を通します。
そのため、その穴から虫が侵入してくることが多くあるのです。
虫の侵入を防ぐには、エアコンを設置する際に開けた穴を丁寧に施工することです。
自分でエアコンの設置を行うことは難しいですから、信頼のおける電気会社やハウスメーカーに依頼するようにしましょう。
新築時にできる害虫対策は、このようにいくつかあります。
虫が本当に苦手だというような方は、住んでみてから失敗だったというようなことがないように、新築時にできる対策はしっかりと行っておきましょう。
害虫が発生した場合の撃退方法
ここまで新築時の害虫対策についてお話ししてきましたが、ここでは害虫が発生した場合の撃退法についてお話ししていきます。
いくら害虫対策を行っていたとしても、家への害虫の侵入は完全には防ぎきれません。
もしも家の中で害虫を発見したら、「殺虫剤」で撃退しましょう。
あまりにも基本的なことですが、これが一番効果てきめんです。
しかし、殺虫剤は大きい虫にも小さい虫にも効果が期待できますが、卵には効果が期待できないケースが多いので注意が必要です。
あとは、害虫の種類によっても撃退方法は異なります。
例えば、ゴキブリであれば、ゴキブリがいそうな場所にあらかじめゴキブリ駆除スプレーをしておくという方法があります。
そうすることで、ゴキブリの姿を確認する前に撃退することが可能となるので、できるだけゴキブリ自体を見たくない方はこの方法がおすすめです。
また、部屋の中全体に害虫駆除剤が行きわたるような、燻煙剤を使用した方法もおすすめですよ。
「バルサン プロEX」という燻煙殺虫剤は、ゴキブリだけではなくダニやノミなどにも効き目があるとされています。
特にゴキブリは繁殖期前の4月~5月くらいに燻煙剤で駆除をし、その後の活動期の7月~8月、9月~10月にも燻煙剤をしておくとより安心です。
新築か否かに関係なく害虫は侵入する
害虫は、ほんの少しの隙間からでも侵入してきます。
新築時には、玄関を開き戸にしたり窓を密閉性のあるレールのない窓にするなどの対策を事前に取ることができます。
新築時にそのような対策を取ることができなかったとしても、「家の出入り口付近に植物を置かない」「燻煙剤であらかじめ害虫対策をしておく」などのことができます。
害虫を完全にシャットアウトすることは難しいですが、減らすことはできます。
この記事を参考に、諦めず害虫対策をしてくださいね。