納戸の棚やデッドスペースを余さず有効に活用する収納術

家の間取りを考える上で、意外と重要なのが収納スペースではないでしょうか。

マンションなどでは、和室には押し入れ、洋室にはクロゼットは必須ですね。

そして、もう1つ忘れてはいけないのが納戸です。

納戸には特に決まった使い方はありませんが、可動棚などが付いていて、フレキシブルに使用できます。

そこで今回は、工夫次第でかなり有効な収納スペースになる納戸の収納術について勉強していきましょう。

納戸とは扉付きの多目的の収納部屋やスペースのこと

納戸とは、不動産用語で言うと、本来は人が中に入って歩き回ることができる程度の大きさを持つ収納用の部屋のことを言います。

そして居室との違いは、窓が取れないなど建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないという点です。

つまり、押し入れやクロゼットよりは広いけれど、窓がとれないので居室にできず、収納のためのスペースとしている部屋と言えるでしょう。

よく、家の間取り図などで、フリールームやDEN、頭文字をとってNなどと表示されているのが、いわゆる納戸のことです。

また、マンションなどでは押し入れやクロゼットとは違う収納スペースを指して納戸という場合もあります。

よく、玄関からリビングに通じる廊下の片側などに造り付けの収納を設けて、それを納戸付き3LDKなどと称して売り出していますよね。

要するに、一般的には広さではなく、扉付きの多目的の収納を指して納戸と言うようです。

皆さんのお宅にも、そのような収納スペースがいくつかあるのではないでしょうか。

私はマンション暮らしですが、リビングの入り口にやはりこのような納戸があります。

中はいくつかの稼働棚で仕切られており、いろいろなものを収納しています。

納戸の棚別に収納方法を工夫しスペースを有効活用しよう!

納戸のスペースの広さにかかわらず、雑多に物を詰め込んでしまうと、せっかくのスペースを無駄にしてしまいます。

私の家の納戸は、半間の押し入れより少し大きいくらいのサイズですが、スペースを有効活用できるよう工夫をしています。

納戸に収納しているのは、掃除機やアイロン台、工具ボックス、クーラーボックス、買い置きのボックスティッシュやトイレットペーパーなどです。

掃除機やアイロン台などは背が高いので、もともと4枚あった棚板の一番下を取り外して、2段分のスペースに立てて収納しています。

その横には、重い工具ボックスを置き、上の空いたスペースに買い置きのボックスティッシュやトイレットペーパーを置いています。

上3段の棚は、最上段にめったに使わないクーラーボックスを置き、その下の段には冬しか使わないホットカーペットやラグマットをしまっています。

その下の棚には、100円ショップで買った不織布の取っ手付きボックスを入るだけ置いています。

ボックスごとに予備の電球やコンセント類、ガムテープや荷造り用の紐、住宅用洗剤やガラス用洗剤、雑巾や軍手などを仕分けしています。

工夫しているのは、この取っ手付きボックスぐらいですが、使う時に小物が仕分けられていると、すぐに見つけやすいメリットがあります。

棚を外してできたデッドスペースを有効活用するには

デッドスペースを有効活用することで、納戸の使い勝手がさらによくなります。

私の家の納戸は、最下段の棚の買い置きのティッシュやトイレットペーパーの上部、奥行が、まだいくらか空いている状態でした。

できればもう少し整理して、扇風機2台を片づけるスペースを作りたいと考え、キャスター付きラックを購入しました。

掃除機とアイロン台の位置は、背が高いため変えようがありません。

そこで、残りのスペースを奥と手前に分けることにしたのです。

まず奥のスペースに扇風機2台を置きます。

そして、手前のスペースに最下段の高さいっぱいのキャスター付きラックを置くことにしました。

そして、ラックの最下段に工具ボックスを置き、上段に買い置きのティッシュやトイレットペーパーを置くのです。

これによって、最下段の奥行が有効に使え、上部のデッドスペースにもティッシュやトイレットぺーパーがうまく収まりました。

年に1~2回扇風機を出し入れするときは、ラックを引き出さなければなりませんが、キャスターが付いているので苦になりません。

このように、納戸に置きたいものに合わせてちょっと工夫するだけで、収納力がアップすることがあるのです。

キャスター付きラックと棚用ボックスやバスケットでおしゃれに収納

納戸の収納には、キャスター付きラックがあると便利です。

おすすめは、アイリスオーヤマの「メタルミニ」で、工具不要で組み立てられてる優れものです。

このメタルラックシリーズはサイズも豊富で、高さは83センチ、126センチ、149センチ、174.5センチから選べます。

また、奥行は35センチで、幅は55センチ、80センチ、110センチから選べます。

さらにキャスターや追加のポール、棚板なども別売りで購入することができ、納戸に合わせてアレンジすることも可能です。

そして、棚に並べて使う「コットンボックス」や「カラーバスケット」も豊富に揃っています。

ちなみに価格は、メタルラックが3000円~7000円前後、コットンボックスとカラーバスケットは数百円~2000円程度で購入できます。

このメタルのラックは見た目もおしゃれで、納戸の中だけではなく普通にインテリアとしても使えるものです。

それに加えて耐荷重も十分あり、ミニでも15キロ、大きなメタルラックは150キロまで耐えられます。

皆さんのお宅でも、納戸収納の収まりが悪い場合など、棚を取り払ってラックを組み合わせ、納戸の収納パターンをアレンジされてはいかがでしょうか。

そして、カラーバスケットなどを並べておけば、納戸の中までおしゃれに大変身します。

棚板の替わりに仕切りの役目を果たす引き出しやワゴンを活用しよう

前項ではキャスター付きラックをご紹介しましたが、ホームセンターなどで売っている小型のポリプロピレンの引き出しなども、棚の少ない納戸収納に向いています。

押し入れ収納ケースよりも奥行がないため、小型の納戸にも納めることができ、いくつか揃えて積み重ねるとかなりの収納力が確保できるでしょう。

背の高いものを収納するために棚板を外したような場合は、その横にどうしてもデッドスペースができてしまいがちです。

しかし、このように積み重ねられるケースがあれば、デッドスペースも有効に活用できますね。

それから、収納ケースの他にも、小型のワゴンなども有効です。

置くだけで、その部分だけ棚板の替わりに下段と上段に仕切ることができ、また荷物を載せても軽い力で動かせることもワゴンの魅力です。

そして、小物の収納用には、前述のコットンボックスやカラーバスケット以外にもいろいろと使えるものがあります。

例えばIKEAのSKABBは白で統一されており、大小形の違うものでも、いくつか棚に並べるとおしゃれになります。

大容量のボックスから薄型のものまでいろいろ揃っているので、入れるものに合わせて選びましょう。

また、予算を押さえたい場合は、ダイソーやセリアなどの100円ショップのふた付き収納ボックスがお勧めです。

小さいものなら100円、大きなものでも200円で購入できるため、少ない予算で数を揃えることができますね。

どんなサイズの納戸でもうまく使いこなす方法

前述のとおり、納戸の収納を助けてくれるグッズはたくさんあります。

しかし、問題はそれをどう使いこなすかということです。

そこで、どのようなサイズの納戸であれ、また棚のありなしに関わらず、物をうまく収納する方法をご紹介しましょう。

それは、最初に納戸に収納したいものリストを作り、収納したいものの外寸と納戸の内寸を細かく計測するという方法です。

その上で、収納プランを簡単に図に書いてみるとよいでしょう。

面倒だと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが肝心です。

図は正面から見たものと、横から見た奥行の使い方がわかる図の2つが必要です。

そして、その図の中の納戸に、実際に収納したいものを大きいものから順に書きこんでいって下さい。

そうすることで、おのずと空きスペースが浮かび上がってくるのです。

後はその空きスペースにぴったりのラックや引き出し、ワゴンなどを探せば、デッドスペースもなく納戸をフル活用できますね。

そして最後に、棚やラックのサイズに合う好みのボックスやバスケットなどを選んで、小物を仕分ければ完成です。

最初の計測のひと手間が、きっと満足いく収納を実現してくれるはずです。

納戸の有効活用で居室の寛ぎスペースを確保しよう

今回は、どこの家にもある納戸の収納術についてご紹介してきました。

サイズを測って図に書く方法は、納戸のデッドスペースをなくして収納するものの定位置を決めるための作業と言ってもよいでしょう。

そして、このように納戸を有効に活用することで、居室にすっきりとした寛ぎのスペースを確保することができるのです。

皆さんも一度納戸を開いて、収納を見直してみてはいかがでしょうか。