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ローコストアパートを建てる。低い金額には理由があった

2018.7.30

アパートを経営するにあたって、出来るだけ低い金額でアパートを建てたいと考えるオーナーもいます。

ローコストを掲げる建築業者はたくさんいますが、なぜローコストでアパートを建てることができるのでしょうか。

ローコストの理由や利点、欠点などを調査しました。

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低い金額でアパートを建てる建築業者がいる

アパートの建築業者の中には、ローコストを謳う業者もたくさんいます。

アパート1部屋を300万円~400万円ほどの金額で建てることができる、という広告も目にします。

一般的に、木造2階建てのアパートを建てると1棟につき4,000万円程度かかるといわれています。

もし1部屋300万円だとしたら、10部屋のアパートでも3,000万円で建てらることになります。

1,000万円の差は大きいですよね。

本当に、このようなローコストでアパートを建てることができるのでしょうか。

もちろん、広告に金額を明示しているのですから、この金額は嘘というわけではありません。

しかし、何も調べずに本当にこの金額でアパートが建てられると思ってしまうと、のちのち思ってもいない費用がかかったり、損をしたりすることもあるので注意が必要です。

ローコストアパートの金額があらわしているもの

ローコストのアパート建築業者が示す金額が、何をあらわしているのかを知る必要があります。

アパートを建てるといっても、そこにはさまざまなコストがかかります。

ローコストアパートの表示金額は、基本的に本体のみの建築費を指します。

つまり、本体以外にかかる金額が別途発生するのです。

例えば、地盤改良工事や外構工事、上下水道工事、電気・ガス工事などです。

これらはインフラに関わる工事ですので、省略するわけにはいきません。

建物の建築費は全体の費用の70%程度になるといわれていますので、それ以外の部分の工事費用が30%~40%程度必要になることを考慮しておきましょう。

そして、広告に表示されている金額が「本当に最低限の金額」であることも頭に入れておきましょう。

「アパート1棟2000万円」と書いてあっても、それは最低坪数の土地に建てる場合の建築費であることがあるのです。

例えば、「20坪の土地に1Kで最低限の設備のアパート」の金額かもしれないのです。

建築費は基本的に「坪単価×延床面積」で計算されます。

延床面積が広くなれば、建築費も高くなるのは当然です。

60坪の土地に建てたいとなれば、単純計算で20坪の3倍です。

つまり、3倍の金額になることも考えられるのです。

それであれば、「1部屋300万円」という広告はどうでしょう。

1部屋の金額なのですから、部屋数で金額を考えれば良いですよね。

しかし、この300万円という金額も、先ほどと同様に「本当に最低限の金額」です。

間取りやユニットバスなどが最低限の設備となっていますので、間取りを変更したい、壁の厚さを変えたい、ユニットバスをセパレートにしたい、となると別料金になる可能性があるのです。

広告の金額をよく見てみると、「1棟2,000万円~」「1部屋300万円~」となっていることがほとんどです。

この「~」がクセモノです。

表示金額は「本当に最低限の金額」で、追加の金額がかかると思っておいた方が間違いありません。

金額が低いということは利回りが高い

しかし、ローコストのアパートを建てること自体が間違いというわけではありません。

アパート本体をローコストにし、初期費用を安くすることができれば、利回りが高くなるので収益性も良くなるでしょう。

金額をかけすぎないということは、自己資金も大きくならずに済みますので、リスクも小さくなります。

利回りを重視して、ローコストアパートだけを建てるオーナーもいるくらいです。

先ほどは、「ローコストアパートの金額はクセモノ」というお話をしましたが、ローコストアパートを否定しているわけではありません。

もちろん、ローコストアパートの建築業者もです。

このような金額でアパートを建てることができるのは、企業努力があってこそです。

なぜ低い金額でアパートを建てることができる?

コストカットの工夫として、完全な規格化があります。

ローコストアパートは、外観や間取りがほぼ同じであることがほとんどです。

これらを規格化することによって、デザイン費や建築コストを抑えているのです。

そして、規格化することによって、建材や設備機器なども共通化することができます。

一括大量仕入れが可能になり、大幅なコストカットにつながります。

大量に仕入れができるということは、それは着工件数の多さのあらわれです。

件数を手掛けている実績があるということは、信用にもつながります。

さらにコストカットの仕組みとして、中間マージンを省いていることが挙げられます。

一般的なハウスメーカーでは、解体や設計、施工、管理などを関連会社に委託しています。

そのため、中間マージンが発生して金額がかかってしまっているのです。

プロによる専門化といえるかもしれませんが、コストの面で考えるとデメリットです。

ローコストアパートの建築業者は、すべての業務を自社で行うことで中間マージンがかからないようにしています。

そのため、低い金額でアパートを建てることができるのです。

ローコストアパートの欠点

ローコストアパートにはメリットもあり、企業努力によって低い金額が実現していることをご説明してきました。

ここでローコストアパートを建てる際に気を付けてほしいポイントもご紹介します。

一つめは、アパートが規格化されていることによって個性的なカスタマイズが難しいという点です。

ローコストは規格化によって叶えられています。

間取りを変えたい、デザインを変えたい、と思ってもそれを実現するのは難しいです。

もし、どうしても要望を通すのであればアパートを建てる金額が膨らんでしまうことになります。

アパートにこだわりがなく、利回り重視のオーナーにしかローコストアパートはおすすめできないのです。

二つめは、先ほどもご説明しましたが、提示された金額よりも高くなる可能性があることです。

建築条件などによって金額が膨らみ、結局通常の業者と同程度の金額になってしまうことも考えられます。

ローコストアパートの建築業者だけでなく、複数の業者から見積もりを取って比較するようにしましょう。

そして三つめは、修繕費用がかかる可能性があることです。

ローコストアパートは、坪単価の高いアパートと比べて修繕費用がかかるといわれています。

長期的な利回りを考えたときに、修繕費用が安く済む方が利回りが良くなる場合もあります。

また、設備の不足や壁の薄さなどが原因で空室率が高くなってしまうこともあります。

ローコストで建てることだけにこだわらず、その先のことも考えて建てることが大切になります。

アパートを建てるのがゴールではない

アパートを建てる際、建てる金額だけに目が行きがちです。

しかし、アパートにかかるコストはそれだけではありません。

アパートの家賃は、新築時が最も高く設定されます。

そこからは、下がっていく一方です。

家賃が下がる原因は、老朽化と周りの状況の変化です。

アパートが老朽化するにつれて、家賃は下がっていきます。

しかし反対に、修繕にかかる金額は上がっていきます。

収入が減り、支出が増えるわけです。

経年とともに利益が少なくなっていくのは仕方がないことです。

大切なのは、そのことを建てる前から計算に入れておくことです。

アパートの計画時に、利益計算からこのことが漏れてしまうことがあります。

古くなるにしたがって、利益が減ることもしっかりと計算に入れておきましょう。

そしてもうひとつ、周りの状況の変化があります。

例えば、あなたのアパートの近くに新しいアパートが建てられたとします。

そのアパートがあなたのアパートより安い家賃設定にしたとすると、集客力で勝つのは難しいでしょう。

そうなると、家賃を下げざるを得ません。

このように、周りの環境によっては家賃を下げたくなくても下げざるを得ない状況になることがあります。

このように、新築時の家賃を基準にしてアパート経営の計画を立てると、大きな誤算が生じる可能性があります。

ローンの支払いや利益計画も狂ってしまうので、このような事態にも備えて計画しておくことをおすすめします。

アパートで利益を出すのが最終目標

アパートを建てる目的は、建設費を低く抑えることではありません。

最終的に、アパートで利益を得ることです。

ローコストアパートには良い面もありますが、欠点もあります。

長期的な視点で、どのようなアパートが自分の経営理念に適っているのかを考えて、建築計画を立てると良いでしょう。

 - アパート, 住宅, 経営