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売上は営業利益、では営業外収益と特別利益の違いは何?

2018.5.10

企業における収益には、大きく分けて3つの種類があります。

それは営業利益、営業外収益、特別利益の3つです。

営業利益はその企業の本業による利益のことを言います。

例えばスーパーなどでは、店頭商品の売上高が営業利益ということになります。

では、営業外収益とは、そして特別利益とはどのようなものを言うのでしょう。

そして、この2つの違いはどこにあるのでしょうか。

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企業の収益は営業利益、営業外収益、特別利益に大別される

企業の決算書を見たことのある方ならよくご存知だと思いますが、企業の収益は大きく3つに分けられます。

冒頭でも述べたとおり、本業で得た収入は営業利益です。

そして、本業以外の部分で定期的に得る収益を営業外収益と言います。

そしてもう1つ、本来の企業活動とは別の、臨時的な要因による利益を特別利益と言うのです。

企業の決算では、経営成績を表す損益計算書に段階的にこれらの利益を計上し、相対する費用や損失も計上して、初めて純利益を算出することができます。

そして企業の経理は、このような1年間の企業活動による利益や損失、また年度末時点の資産状況を明らかにするため、日々数字を集計しています。

ところで、名前の違いこそあれ、企業にお金が入ればみな同じ収益ではないかと思いがちですが、企業を大きくするのは本来の営業活動です。

この営業活動における利益を伸ばしていかなければ、企業の本当の成長は見込めません。

例えば、ある年度に大きな特別利益があったため、大幅な黒字決算になったとしても、それは一時的なものに過ぎません。

なぜなら、来年も同じ特別利益があるかといえば、そうではないからです。

毎年、決算書をつくることで、このような企業の経営成績や財務状況がつまびらかになるわけです。

それを株主や取引先、借り入れしている銀行など利害関係のある人々に開示することで、企業の正しい評価がなされると言えるでしょう。

営業外収益と特別利益の違いとその実例

さて、営業利益や営業外収益、特別利益の大まかな違いがわかったところで、これらを実例を挙げて説明しましょう。

分かりやすくスーパーの例で説明すると、店頭に並べた商品をお客さんに売って得た売上高が、営業利益ということになります。

他にも、店内の一部のスペースを、テナントとして業者に貸し出した際のテナント料などもこれに含まれます。

一方、営業外利益にはどんなものがあるかというと、売り上げなどの現金を銀行に預金した場合の利息がそれにあたります。

また、剰余利益を株式などの投資で運用している場合、その配当なども営業外収益です。

では、特別利益には何があるのでしょうか。

長期にわたって保有している株式などを売却して出た利益などは、金額も大きく一時的なものなので、特別利益に計上します。

また、駐車場として使用していた用地を、経営悪化のため一部売却したような場合もこれにあたります。

不動産の売却も大きな金額になるため、特別利益になります。

このような場合が、まさに営業不振の赤字を、駐車場の売却という営業内容とはまるで関係のない利益で穴埋めして黒字にするよい例でしょう。

不動産業における営業利益と特別利益の考え方

では、このような不動産の売却を不動産業者が行った場合はどうでしょう。

スーパーの場合は、スーパーの商品ではない駐車場という資産を売却し、しかも一時的な売却益であることから、特別利益と言い切れますね。

一方、不動産売買を行う業者の取扱商品は不動産で、売却する駐車場も土地という不動産です。

営業利益、営業外収益、特別利益のどれにあたるかといえば、営業利益ではと考えてしまいがちです。

しかし、実は単純にそうとも言えないのです。

不動産業では、売買目的で土地や建物を購入し、それを売却することで差益を得ています。

しかし、ここで売却しようとするのは、保有していた自社利用目的の駐車場ということになります。

ややこしいのはどちらも不動産でありながら、そもそもの保有目的に違いがある点なのです。

例えば、販売用不動産の売却益だけでは営業利益目標に届かないため、儲けの出そうな自社所有不動産を、期末近くに販売用に振り替えたとします。

それを当期中に売却すると、固定資産として売却していれば特別利益として計上すべき金額が、営業利益として計上されてしまいます。

つまり恣意的に営業利益を操作することができると言えるでしょう。

これでは、決算書から企業の成績を適正に見極めることが難しくなってしまいます。

銀行などは、資金の貸し付けの際に決算書から経営の健全性を判断しますが、操作された決算書では、適正な評価ができないと言えます。

会計監査上の営業利益計上の条件と特別利益計上との違い

では、会計上、この違いをどのように処理すべきでしょうか。

現在は販売用不動産については「棚卸資産の評価に関する会計基準」、固定資産は「固定資産の減損に係る会計基準」がそれぞれ導入されています。

自社使用目的の固定資産を、販売するために販売用不動産に振り替える際には、この会計基準適用後の帳簿価額で振り替えることになります。

ただし、含み益のある固定資産を棚卸資産に振り替えたあとに売却すると、営業利益が増加する結果になってしまいます。

このような場合の保有目的の変更は、合理的な理由に基づき行わなければなりません。

それには、変更時点において取締役会等によって承認された、具体的かつ確実な事業計画が存在していることが前提となります。

また、保有目的の変更が、会社の財務諸表(損益計算書、貸借対照表など)に重要な影響を与える場合には、追加情報を決算書に記載する必要があります。

貸借対照表に、資産を振り替えた旨と、その金額を注記としてあらわしておくのです。

そうすることで、恣意的な利益操作ではなく、合理的な理由に基づいての保有目的変更であるとみなされ、営業利益に計上が認められます。

この条件を満たさない場合は、当期中に売却しても営業利益にはならず、性質上営業外収益でもないため、特別利益として計上することになります。

ちなみに、これらは会計監査上の会計基準にのっとった処理方法と言えます。

法人税上の保有目的による資産の取り扱いの違い

一方、法人税上の資産の取り扱いの違いについても注意が必要です。

法人税法では、販売用の棚卸資産には「低価法評価減の損金算入」が認められています。

また、固定資産には、「減価償却費の損金算入」が認められています。

少々複雑ですが、利用目的によって損金(経費)とできる金額が変わってくるということです。

つまり、資産の振り替えによって、税負担を軽減することも可能であると言えます。

そのため、その実態に即していない資産の振り替えは、租税回避と認定される可能性があります。

平たく言えば「脱税」ですね。

実際、税務上は振り替えに関する制限等はありませんが、振り替えにあたっては、会計上の振り替えと同様に合理的理由が必要です。

そして、「その理由に基づき振り替えを決議した」という稟議書などの書類を、証拠として残しておくことが必要です。

このように、企業にとっての収益には種類があって、営業利益、営業外収益、特別利益それぞれに意味合いが違います。

中でも不動産業は、上記のような会計基準、税法上の基準にのっとった特殊な会計が求められるため、適切な処理方法を知っておかねばならないでしょう。

営業外収益か特別利益か、計上方法の違いは企業による

不動産業以外の一般的な企業では、営業利益か特別利益かではなく、営業外収益か特別利益かで判断に迷うことがあります。

なぜなら、2つの区別に関しては一応の基準はあるものの明確とは言えず、企業によって違いがあるからです。

一般的には、臨時的で金額が大きい収益は特別利益に計上しますが、企業規模によって「大きい」とする金額が違います。

また、数年にわたって手持ちの不動産を切り売りして、経営を成り立たせている自転車操業の企業もあるでしょう。

他にも、同じ解体業のスクラップ収入などでも、売上として営業利益に計上する場合もあれば、毎月業者に売って営業外収益に計上することもあります。

さらに、それを数年間貯めておいて、大量に業者に売ることで巨額の収益を得た場合は、特別利益とする場合もあります。

このように企業側に統一性がない場合、外部の人間が決算書から企業の経営の健全性を読み取ることが困難になります。

決算書を見る上で大切なのは、このような業種ごとの特色と各収益の発生原因や内容をよく見極めることです。

そのためにも、損益計算書だけでなく貸借対照表とのつながりも意識して、企業の経営の実情を見抜くことが必要と言えるでしょう。

収益の特徴と違いを知ることで決算書がおもしろくなる

このように、傍目からみると同じ取引であっても、企業や業種によって会計処理がまったく違うことがあります。

営業利益はもちろん、営業外収益、特別利益の特徴を知って企業の決算書をみると、今までと違う目線で発見ができるかもしれませんね。

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