木造住宅の新築やリフォームの際、電気工事を必要とすることがあります。
住宅メーカーで新築した場合は、メーカーと繋がりのある業者に依頼することが一般的なため、自分で手続きする必要は特にありません。
しかし、それ以外で建築した場合は、自分で業者に電気工事を依頼しなければなりません。
業者により工事単価が異なるため、見積もりを取りよく検討する必要があります。
そこで今回は、木造住宅の新築やリフォームの際の、電気工事についてくわしくお話ししていきましょう。
木造新築の電気工事はどんなものがある?
木造住宅を新築した際、電気工事は必ず行うものです。
避けられない出費となるため、きちんと工事単価を知り、なるべく安い費用で工事を済ませたいものです。
そんな電気工事ですが、主に4つの種類に分類することができます。
以下でまとめてご紹介しましょう。
●配線工事
配線工事は、電気を部屋の中に引きこむ工事のことを言います。
なるべく最短距離で引きこみ、くぎや金網で配線を傷つけないように配慮しながら作業します。
湿度の高い場所では絶縁テープなどを使って、配線の接続部分を守ります。
●照明器具工事
部屋の照明器具を取り付ける工事のことを言います。
照明が埋め込み式の場合は断熱材に注意して作業します。
また取り付け部分の強度を十分に確認してから、作業に取り掛かります。
●空調工事
主にエアコンなどの設置を行う工事のことを言います。
取り付ける場所の強度を確認してから、作業を開始します。
●通信関係工事
インターネットやテレビの配線、光ケーブルなどの取り込み工事のことを言います。
通信関係の工事はここ数年で種類が増えたため、その依頼件数も増えているようです。
木造新築!電気工事の単価を調べる前に覚えておくこと
木造新築で電気工事を検討している方は、電気工事の費用がどのくらいなのか気にかかるでしょう。
工事単価や相場を調べる前に、覚えておくと良い点をまとめました。
以下で2点ご紹介しましょう。
●見積もりは複数社から取る
1つの業者を見ただけでは、電気工事の相場は分かりません。
そのため、複数社から見積もりを取るようにしましょう。
この時、同じ条件で見積もりを取ることと、最低でも3社から見積もりを取ることをおすすめします。
こうすることで、予定している電気工事の適正価格を知ることができるでしょう。
●住宅の大きさで費用はかわる
当然ですが、工事の規模が大きければ、その分費用は上がります。
住宅が大きい、配線の距離が長くなるなどで、工事単価が安かったとしても、結果として費用は上がってしまうでしょう。
また、リフォームと新築の電気工事では、「増設」と「新設」で違いがあるため、同じような工事内容でも価格は異なります。
単価はどのくらい?見積もりのチェックポイント
木造新築の電気工事において、先ほど複数社から見積もりを取ることをおすすめしました。
実際に見積もりを取ったら、どのような点をチェックすれば良いのでしょうか。
以下で見積もりのチェックポイントをご紹介します。
●単価
まず注目するのが工事単価です。
単価とは「数量」「料金」「範囲」「時間」などの項目のことを指し、何にいくらかかっているのかが明確になっている部分のことを言います。
この単価は、見積もりで比較する重要な部分です。
●有効期限
見積もりに有効期限があるのかもチェックポイントとなります。
期間限定で料金を値引きしている業者もありますが、あえて有効期限を短く設定し、契約を促す業者も存在します。
よく検討して自分に合った業者を見極めましょう。
●諸経費
諸経費とは総工事費の中の不透明な部分で、ここに業者の利益を含んでいることが多いです。
諸経費が総工事費の「10~15%」であれば、平均値なので妥当な金額と考えられます。
しかし、20%以上の諸経費が見積もりにのっていた場合、注意が必要です。
電気工事には「部材単価」と「施工単価」がある
木造住宅に限らず、新築では電気工事を必ず必要としますので、なるべく費用を抑えたいと考えるものです。
前項では見積もりのチェックポイントをご紹介しましたが、中でも注目すべき工事単価について、もう少し詳しくお話ししていきましょう。
電気工事の単価には、2つの種類があります。
それは、部材費にかかる「部材単価」、作業員にかかる「施工単価」です。
部材費は必ず必要なものですが、施工単価に関しては業者によってかなり開きがあります。
多くの場合、作業員の作業時間を基準に考えられていますので、大掛かりな工事になれば、その分施工単価は上がるでしょう。
また、施工単価の特徴として、業者ごとに自由に設定することができるという点があげられます。
あきらかに施工単価が高い業者があれば、時間に関係なく一律の単価で行う業者も存在します。
素人には判断が難しいですが、見積もりを複数社から取ることで、業者ごとの施工単価が確認できます。
ここを業者選びのポイントと考えても良いでしょう。
木造住宅の新築!電気工事で気をつけること
ここでは、木造新築で電気工事の際に気をつけることをご説明していきます。
とはいえ、実際に電気工事を行うのは依頼した業者になりますので、どのような手順で行うのかだけでも頭に入れておきましょう。
まず、電気工事は新築と同時に行われます。
それは、電気の配線を隠蔽配線する必要があるためです。
くわしくご説明すると、新築の電気工事は電気を建物内へと引き込みますが、各部屋へ配線を分配しなければならず、その際、分電気を設置し、電圧調整を調整します。
その後、照明やエアコンへと配線されますが、表へ出さないように壁の中で隠蔽配線されるのです。
新築完成後では露出配線となってしまうため、新築工事と同時に行う必要があるのです。
また、木造の場合ですが、配線作業においてのちのちミスが見つかった場合、新築後でも手直ししやすいといった特長があります。
これがコンクリート造などの建物の場合、1度崩して再び作り直すことになるため、手直しは非常に難しくなります。
工事単価も上がってしまうことでしょう。
起こっては困る配線ミスですが、木造の場合は工期が大きくのびることなく修正できるのです。
木造住宅のリフォーム!電気工事は安くなる?
木造住宅に住んでいて、部屋の中にコンセントを増やしたいと考えることがあるかもしれません。
また、照明を増やしたいと考えることもあるでしょう。
その場合、リフォームという形で電気工事を行うことが可能です。
この時「増設」に分類されますので、冒頭でお話しした通り、新設するよりも工事単価は安くなるでしょう。
これは新しく配線を引きこむ手間がないため、現在壁の中にある配線から、回路を増やす工事を行うだけで済むためです。
ただ、気を付けていただきたいのが、単純にコンセントや照明の数だけが増えるわけではなく、ブレーカーの交換や、照明スイッチの増設が行われることも忘れてはいけません。
これらをすべて行うと10万円以上の費用がかかることもあります。
増設だからといって費用がすべて安くなるわけではありませんので、よく検討することが大事です。
新築の電気工事は単価を知ることから始めよう
木造新築の電気工事の費用を安く済ませたいのであれば、複数社から同じ内容で見積もりを取ることが重要です。
その際、「単価」「有効期限」「諸経費」に注目して業者を比較しましょう。
特に単価は、総工事費を左右する大事な部分のため、よく比較し、十分に検討しましょう。
また、施工単価の高すぎる業者を選ばないように注意し、後悔のないように業者を選ぶことが大事です。