増築する際は確認申請が必要!流れは?費用はどのくらい?

子供の成長に合わせて個室を設けるため、また二世帯住宅にするためなどで、増築を検討していらっしゃる方は多いでしょう。

増築する場合、「確認申請」を行い、行政の許可が下りないと増築することはできません。

確認申請とは具体的にどのようなもので、費用はどのくらいかかるのでしょうか。

当記事では、増築の際に必要な確認申請について、くわしくお話ししていきましょう。

増築のさまざまな方法

まず、増築にはどのような方法があるのかを見ていきましょう。

既存の住宅に1部屋増やす場合で考えた時、1階に増築するのか、2階に増築するのかで、その工事方法や費用はかなり変わってくるものです。

以下で、それぞれのパターンを見ていきましょう。

●1階に増築する場合

1階に増築する場合、現在の住宅のすぐ隣に、新築するような形で基礎から作っていきます。

部屋を作り上げたら、外壁を壊して、部屋と住宅が一体化するように仕上げていきます。

直接つなぐことを避けたい場合、廊下を作って接続することも可能です。

8畳で木造の部屋であれば、概算で280万円ほどの費用がかかるようです。

●2階に増築する場合

2階に増築する場合は、屋根の上に新しい部屋を作るため、1階に補強工事をする必要があります。

十分な重さを支える柱などがいくつも必要となりますので、その分費用は上がるでしょう。

8畳で木造の部屋であれば、概算で480万円ほどの費用がかかるため、1階に増築するよりも割高となります。

土地にこれ以上部屋を作るスペースがない場合、2階を有効活用すると良いでしょう。

続いて、増築するために必要な確認申請について見ていきましょう。

増築の確認申請とはどんなもの?費用はかかる?

確認申請は、増築を行う上で必要な手続きです。

目的としては、増築を予定している建物が法律上何か問題がないかを審査するものです。

審査に通れば、「行政が増築を許可」したと認められるため、リフォーム工事に取り掛かることができるようになります。

確認申請を行うタイミングは、リフォーム会社などで増築のプランをある程度決めた後、工事に取り掛かる前に行うことが一般的です。

この時、確認申請はリフォーム会社を通して、土地家屋調査士や建築士によって行われることが多いです。

専門家に依頼すると費用がかさむため、確認申請を自分で行いたいと思う方もいるでしょう。

しかし、自分で確認申請を行うには、以下の条件があります。

・住宅の検査済証がある
・住宅が100m²以下の木造である
・構造計算が自分でできる

専門的な知識が必要になるので、自分で確認申請を行うことは難しいでしょう。

また、時間もそれなりにかかってしまうため、本人申請はおすすめできません。

次に、確認申請で発生する費用について見ていきましょう。

確認申請の費用はどのくらい?

増築の際に必要な確認申請ですが、行うには費用がかかります。

ここでは確認申請の費用についてくわしく見ていきましょう。

まず、住んでいる地域や住宅の大きさで申請費用は異なりますが、一般的に、10,000~19,000円くらいかかることが多いようです。

また、確認申請には「中間検査」、「完了検査」があり、それぞれに費用が発生します。

以下で、東京都の都市整備局が出している手数料をご紹介します。

【確認申請費用】

・30m²以内……5,600円
・30m²~100m²以内……9,900円
・100m²~200m²以内……9,900円

【中間検査申請費用】

・30m²以内……9,400円
・30m²~100m²以内……11,000円
・100m²~200m²以内……11,000円

【完了検査申請費用】

・30m²以内……14,000円
・30m²~100m²以内……15,000円
・100m²~200m²以内……15,000円

上記はあくまで手数料のみとなりますので、リフォーム会社で土地家屋調査士や建築士に代理申請してもらった場合は、15万円~25万円くらいの費用が発生します。

リフォームの費用として見積に組み込まれていることもありますので、不安な方は前もって質問しておきましょう。

増築できない建物はどんなものがある?

前項では確認申請の費用についてくわしくご紹介しました。

実は、確認申請を行って、増築が認められない住宅もあるのです。

建築基準法に満たない住宅は増築することができませんが、どのような住宅がそこに当てはまるのか、以下でくわしくご紹介しましょう。

●建ぺい率いっぱいの住宅

土地に対して、建物が建てられる面積は決まっています。

新築した時、建ぺい率いっぱいに建ててしまった場合、それ以上に増築を行うことは認められません。

●異なる工法

現存する住宅と増築する部分の工法が異なると、耐震性の問題などから増築許可が下りません。

これは地震の揺れなどで、接続部分への負担が大きくなってしまうためです。

●3階建てへ増築

現在2階建ての住宅を3階建てに増築する場合も、許可が下りないことがほとんどです。

3階建ては基礎のつくりが2階建てとは異なるため、重さに耐えられない可能性があるのです。

この場合は、1階部分に増築した方が無難でしょう。

増築のための確認申請の手順

ここでは、増築と確認申請の手順をくわしく見ていきましょう。

【増築と確認申請の手順】

①リフォーム会社を決める

まずは、増築を依頼するリフォーム会社を決めていきます。

ポイントとしては、リフォーム実績が豊富である、社内に建築士がいるなどを決め手にしましょう。

2、3社で見積もりを取って比較し、費用やプランをよく検討してから決定することをおすすめします。

②増築プランを決める

リフォーム会社を決めたら、1~2か月かけて細かく増築プランを決めていきます。

最初は予算のことは考えず、要望を一通り伝えてから、不必要なものを削っていくのが良いでしょう。

③確認申請の手続き

次に、確認申請書類を作成します。

代理申請の場合、リフォーム会社を通して役所に申請することになります。

特に問題がなければ、1~2週間ほどで審査の結果が出るでしょう。

④増築工事

確認申請が無事に通ったら、増築工事が始まります。

場合によっては、役所の方がリフォーム最中に審査に訪れることもあるようです。

⑤完成

増築リフォームが完成したら完了検査を行い、住宅に法的な問題がないかを証明します。

確認審査書類に沿った工事であったかも重要な点となりますので、頭に入れておきましょう。

費用がかからない?確認申請が必要ない増築がある

増築する場合、確認申請を行い、それに伴い費用の負担があることが一般的です。

しかし、中には確認申請なしで増築することができる住宅もあります。

それには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。

・10m²以下の増築である
・無指定地域である

まず、10m²以下の増築であることが条件です。

10m²は大きさにして6畳くらいになりますので、1部屋増やす程度の増築の場合、これに当てはまるでしょう。

さらに、防火地域や準防火地域に指定されていない、無指定地域であることが条件になります。

防火指定地域は火災に強い地域を目的としているため、外壁や窓に防火の基準が設けられています。

無指定地域であれば、防火審査がないため、確認申請を行わなくでも大丈夫なのです。

確認申請が不要であれば、その分の費用もかからないため、お得に増築することができるでしょう。

増築には基本的に確認申請が必要

子供が成長したり、家族が増えたりと、増築を必要とする理由はさまざまです。

将来増築を検討している方も、増築の際はほとんどの場合、確認申請が必要だということを覚えておきましょう。

確認申請は代理で申請する場合、15万円~25万円くらいの費用が発生しますので、事前によく頭に入れておきましょう。

そしてリフォーム会社を探す際は、リフォーム実績が多く、社内に建築士がいることをポイントとして決め手にすると良いでしょう。