自宅の改造工事の方法!増築と増設の違いをご紹介!

長く住んだ自宅において、築年数が経ったり、建築時と状況が変わってしまったときに考える改造工事。

建て替えはコストがかかりますし、かといってそのまま放置しておくわけにもいかないですよね。

そんな時に選択肢として検討される増築と増設というものがあります。

似た言葉ではあるのですが、実は大きな違いがあります。

今回は正しい工事の方法を選べるように、増築と増設の違いをご紹介いたします。

増築とはどんな工事?改築と増設との違いは?

今では住宅を改造することをリフォームと呼んでいますが、この言葉が浸透する前には「増改築」とも呼ばれていました。

「増改築」とは増築と改築を合わせた言葉です。

増築、改築、増設など似た言葉があると、どれがどんな工事か分からなくなりますよね。

ここでは、これらの言葉を簡単にご紹介いたします。

まず、増築とは同じ敷地内で建物の床面積を大きくする工事のことを指します。

一方で、改築とは、床面積を変えずに間取りの変更を行うことです。

さらに似た言葉である増設とは今の住宅に設備を追加する工事のことです。

増築と改築の違いとしては、今の自宅の床面積を大きくするかどうかです。

さらにこの2つの言葉と増設の違いとしては、部屋や間取りではなく設備を追加するかの違いであり、工事の規模もかなり違います。

増築工事の例としては、平屋を2階建てにしたり、サンルーフを設置する、庭に和室を増やしたりすることなどのものがあります。

つまり、現在の建物をそのままに新しく居住スペースを付け加えていく工事になります。

そのため、場合によっては現在の建物の補強工事を伴うことはありますが原則としてはそんなに大がかりなものではありません。

一時的に仮住まいを用意して自宅を空ける必要もないのです。

改築工事は仮住まいを用意する必要がある工事、増築・増設工事は自宅にいながら工事を進められる工事という違いもあります。

増築はどんな時に行うもの?増築の種類のご紹介

先ほど、増築と改築、増設の違いを記載しました。

また、増築は現在の建物をそのままに新しく居住スペースを付け加えていく工事になることに関してもご紹介しました。

ここでは、増築工事はどんな時に行う工事なのかをご紹介します。

まず増築工事には差し掛け増築、おかぐら増築、取り壊し増築の3種類の工事があります。

指し掛け増築は、1階に部屋などの空間を新しく継ぎ足すための工事です。

おかぐら増築は、平屋の家に2階部分を増築するときに行われる工事です。

既存の住宅の屋根を撤去してから、2階部分を継ぎ足すため、場合によっては柱などの補強を行うこともあります。

取り壊し増築は、建物の一部を取り壊して増築するものです。

1階も2階も増築したい場合に行われるもので、建物の壁と屋根を部分的に壊してから増築を行います。

このように、一口に増築といっても、種類が分かれており、コストもそれぞれ異なります。

ただし、共通していることは今現在の住宅を全部壊さずに住居スペースを増やすということです。

また、増築工事は住宅の建築時よりも、結婚や出産で家族が増えた場合に行われることが多いです。

建て替えよりもコストを抑えられるメリットがあり、工事費用を抑えたい方が選ばれることが多いのです。

増築のデメリット

先ほどは建て替えよりもコストが抑えられることや、住宅に住みながら工事ができるなどのメリットをご紹介しました。

ここでは増築のデメリットについて2点ご紹介します。

まず1点目としては、固定資産税が増えるということです。

住宅を増築した場合は、その規模や床面積に関わらず、新たに不動産を取得したとみなされます。

そのため、今までの住居よりもさらに固定資産税が増額してしまうのです。

金額については、市役所に家屋調査を受けてから算出されます。

2点目としては、耐久性に差が出てしまうということです。

元々あった住居は築年数が経ち、新しく追加した箇所は新しいため、ここで耐久性の差が発生してしまいます。

また、耐震の基準が異なってしまった場合では、大きな地震が発生した場合に接合部から破損してしまう可能性もあるのです。

つまり、固定資産税の増加や、工事におけるデメリットが存在するのです。

ただし、2点目のデメリットに関しては、信頼できる施工業者に依頼し、対策をしてもらえれば防げるものではあります。

そのため、増築はコストを抑えられるなどのメリットだけでなく、リスクもあることが知り、備えていく必要があります。

また、冒頭でご紹介した、増築・改築・増設の3つの工事でのコストを比較すると、増築は改築よりも安いのですが、増設よりも高い金額帯という違いがあります。

そのため、今の自宅にはどんな改造が必要かを見極め、それに沿ったプランを描いていかなければ、無駄にコストがかかってしまう場合があるのです。

増設とはどんな工事?増築との違いとその特徴

先ほどは増築工事の特徴とその短所や長所をご紹介しましたが、ここでは増設工事についてと、増築工事との違いについてご紹介していきます。

まず、増設工事は建物そのものを壊したりせずに、新しい設備などを追加で設置していく工事になります。

例えば、コンセントやエアコン、手すりなどの設置などがあります。

そのため、工事自体が大がかりなものではないものの、生活を豊かにするための工事になります。

また、何を設置するかによって金額は違いますが、どれも比較的安いコストでできるものが多いです。

増設工事の大きなメリットとしては、建築時に予算が足りずに諦めた階段やスロープなどの設備を、建築終了してから数年後に簡単に増設できるという点にあります。

増築工事は家を広くするために行う工事であるのに対して、増設工事は自宅の設備を増やしてより便利にするという違いがあります。

さらに、増築工事との違いとしては、増設工事は工事をしても固定資産税が増えることがないことです。

増設はどんな時に行うもの?増築との用途の違い

増築工事では、結婚や出産で家族が増えた場合に住居スペースを増やすための工事であると先ほどご紹介しました。

一方で増設工事とは違い、増設工事は、生活を送っていく中で不便を感じている方や、家族の高齢化などで段差を減らしたい方が選ばれることが多いです。

特に家族の高齢化で増設工事を行う方が最近増えています。

自宅を建築してから20年、30年経過すると、家族内で足腰を悪くされたり、中には車いすや杖を必要とする方も出てきます。

そのため、階段に手すりを設置したり、自宅玄関前の階段をスロープにしたりします。

また、自宅建築時には予算などの関係から、スロープ分のスペースを確保しつつも設置せず、数年たってから増設工事を行う方もいます。

金額の例としては、手すりを含めたスロープの設置での金額は約40~50万円になります。

高齢化が進む日本社会において、このような後付けのスロープの設置の需要は今後増してくるかもしれません。

そのため、家族の体調や状況が変化した場合に行われる工事が増設工事なのです。

コンセントを増やす増設工事

ここ20年、30年で家電の種類が増え、携帯電話もかなり普及してきました。

そのため、コンセントを増設する方も実は増えているのです。

コンセントが不足していると感じる方の中には延長コードなどでコンセントの数を増やし、タコ足にして凌いでいる方も多くいます。

しかし、タコ足を行うとブレーカーが落ちる原因にもなりますし、自宅のなかにコンセントを這わせると転倒の原因にもなるのです。

そこで、ここではコンセントの増設工事についてご紹介します。

コンセントの増設工事には大きく分けて、2種類に分けることができます。

まず、エアコンやIHクッキングヒーターなどの1,000ワット以上の高容量の電力を必要とする専用回路を設置する場合です。

この場合は分電盤から専用のコードを引いてからコンセントを設置することになります。

工事時間は約1時間から2時間程かかり、費用は1.5万円から3万円かかります。

ただし分電盤に空きがない場合はさらに工事が必要になり、コストもかかるため、事前に専門業者に相談したほうがいいでしょう。

次に、既存のコンセントを分岐させる場合の工事です。

こちらは大容量の家電は使えませんが、簡単にコンセントを増やすことができます。

また、工事費用も1万円前後のため、比較的安価で工事を行えます。

このように少しの金額によって自宅をより便利にしたり、社会の流れに合わせて改造できる増設工事には大きなメリットがあります。

また、増築工事とは違い、大規模な工事を行わず、工事費用も安価となります。

自宅が住みにくいと感じる方こそ、増築と増設の検討を!

今回、増築と増設の違いをご紹介させていただきました。

自宅を建築されてから環境や状況が変わった方は自宅が住みにくいと感じている方がいらっしゃるかもしれません。

社会の高齢化が進み、多くの家電が登場し、オール電化などで環境が物凄いスピードで変化している中で、同じ環境の家に住み続けていくことはなかなか難しい時代になってしまいました。

家族の体調や状況、家電の登場による環境の変化が起こった段階で、自宅を改造することを検討される方も多くいらっしゃいます。

しかし、その改造にもいくつもの種類、そしてそのメリットやデメリットがあることを多くの方に知って頂きたいです。

そしてその中でより良い答えが見つけるために、今回ご紹介した増築と増設の内容とその違いを参考にしていただければと思います。