布団に掃除機をかけると出る白い粉の正体は?掃除機のかけ方

賃貸物件で生活している人は原状回復義務があるため、なるべく部屋を綺麗に保つ心がけが必要です。

部屋だけでなく、布団などの寝具も清潔に保ちたいものですね。

現在は布団専用の掃除機も市販されており、気軽に活用することができます。

布団に掃除機をかけ、ゴミを廃棄する際の「白い粉」が気になりませんか。

この正体はいったい何なのでしょうか。

そこで今回は、掃除機から出る白い粉にスポットを当ててお話ししていきます。

賃貸物件では掃除機をこまめにかけて清潔に保とう

みなさんが住んでいる賃貸物件には、原状回復義務があります。

原状回復に対する貸主と借主の負担は、

・経年変化や通常の使用による損耗、自然災害などの復旧は貸主の負担

・借主の故意・過失や通常の使用方法に反するなど、借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズなどの修復は借主の負担

となります。

貸主負担、借主負担の一般的な例を挙げてみましょう。

●貸主負担となる場合

<部屋全体>

借主が通常の清掃を行っていた場合のハウスクリーニング

<クロス>

・電気焼け

・自然現象が原因でおこる変色

・下地ボードの張り替えが必要ないくらいの画鋲やピン穴

<床>

・日照などが関係した変色

・家具家電の設置跡

・床のワックスがけ

●借主負担となる場合

これは借主が部屋を通常の使い方をせずに、故意や過失を行なった場合です。

<クロス>

・酷いカビやシミ

・下地ボードを張り替えなければいけない程の、大きなネジ穴や釘穴

<床>

・借主の過失による色落ち

・深く引っかいた傷跡

・冷蔵庫下のサビ跡

<水回り>

・清掃や手入れを怠ったことによって、風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビなどが発生したりして汚れが酷い

・ガスコンロ周りや換気扇の油汚れが酷い

退去時に敷金から原状回復費用金を精算されないように、普段から部屋や布団に掃除機をかけて、清潔に保つようにしましょう。

次項からは、布団に掃除機をかけると出てくる白い粉について、お話しをしていきます。

布団は想像以上に汚れている

私達人間は、毎日就寝時に汗をかいています。

それは暑い夏場だけでなく、寒い冬場であってもです。

寝ながら汗をかいている、という自覚がない人も多いのかもしれませんね。

就寝中にかいた汗は、布団に毎晩染み込んでいきます。

さらに汗のみではなく、皮脂や剝落した皮膚なども、布団にくっついているのです。

それらはとても小さく、すぐに目で確認しにくいので、汚れていないと勘違いしやすいでしょう。

しかしそのまま数日間経過すると、枕やシーツに、これらの汚れが黒く目立ってきます。

この状態では清潔とは程遠いですよね。

私達の寝具は想像以上に汚れていると分かりましたが、実際には、毎日布団やシーツを交換している人はあまりいないでしょう。

そこで、手軽にできる布団の掃除方法をお伝えします。

布団と一言に言っても、寝具にはシーツ、掛け布団、枕、毛布、タオルケットなどがあります。

最初に、目で簡単に確認できる髪の毛や埃は、ガムテープや粘着テープクリーナーなどを使ってとりましょう。

枕カバー、掛け布団カバー、シーツ、タオルケットなどは洗濯をしましょう。

最近の家庭用洗濯機は容量の大きいものが増え、毛布も洗えますが、やはり厚手のものはコインランドリーの活用がおすすめです。

敷布団や掛け布団は、晴天の日に天日干しをしましょう。

この時、ダニ対策のためにも片面だけでなく、しっかりと両面を干しましょう。

悪天候で外に干せない時は、掃除機を布団にかけて、埃や白い粉を吸い取りましょう。

掃除機が布団などから吸い取った白い粉の正体

掃除機をかけた後には、吸い取ったゴミを捨てますよね。

その中に白い粉が混じっている時があると思います。

「床や布団には白い粉なんてなかったはずなのに…」と不思議に思いませんか。

掃除機が吸い取った白い粉の正体とは、一体なんなのでしょうか。

●ダニ

ダニを肉眼で見ることはできませんが、布団やベッドなどに沢山存在しています。

そこには、まだ元気に生きているダニや死骸、ダニのフンがあるのです。

考えただけで気持ち悪いですよね。

肉眼で見えなくて良かったなと、つくづく思います。

ダニは、湿気が多く暖かい場所が大好きです。

そしてダニの餌は、人間の剝落した皮膚です。

驚くことに人間の皮膚は、数週間でおよそ28gも剥落するらしいのです。

ですから、餌も豊富で生活環境も申し分ない布団は、ダニの繁殖場所にもってこいなのです。

掃除機で吸い取られた白い粉の正体は、ダニやダニの死骸、ダニのフンなどです。

●花粉

1年中花粉に悩まされる人が多くなりました。

花粉は主に玄関や窓から侵入してきて、そのまま留まります。

床に落ちている花粉を掃除機で吸い込むことで、白い粉になったと考えられます。

●カビ

カビ菌の種類はとても多く、およそ3万種とも言われています。

カビは埃や汚れ、湿度が80%以上、約20~30℃の温度を好みます。

賃貸物件に住んでいる人は特に、発生すると簡単には落としづらいカビ対策を、しっかりと行なう必要があります。

厄介者のカビも、掃除機でとれる白い粉の中の一つとなります。

掃除機で吸い取れる白い粉はどこから出てくるの?

前項で、掃除機で吸い取れる白い粉の正体についてお伝えしました。

それでは、掃除機で吸い取れる白い粉はどこから出てくるのか、詳しくみていきましょう。

●布団

前項でも触れましたが、やはり布団が大きな割合を占めています。

1日の生活の3分の1を布団で寝ているとなると、それだけ枕や布団を長い時間使用していることになりますね。

使用頻度の高い布団が不衛生になってしまうと、白い粉の主な原因のダニの温床にもなってしまいます。

やはり寝具を清潔にすることと、掃除機での掃除は必要不可欠ですね。

●繊維

当たり前の話ですが、洋服を着ていない人はいませんね。

特に洋服は肌に密着するものなので、白い粉の原因となる皮膚の垢などが付きやすいです。

また、洋服だけでなく、賃貸物件で使っているカーテンやカーペットなどの繊維も摩擦によって床に落ちます。

それらが白い粉となり、掃除機によって吸い込まれるのです。

●ペットの毛

ペット可の賃貸物件もありますね。

ですから、犬や猫などの毛の抜けるペットを飼っている人も多いと思います。

そういった場合は、ペットの抜け毛やフケが白い粉となることもあります。

布団などに存在する白い粉を放置すると

白い粉があるという事は、そこにはもれなくダニも存在しているという事です。

ダニの餌は私達の皮膚なので、人間がいるだけでダニは食料確保ができるのです。

布団などに存在するダニがいっぱいの白い粉をしばらく放置すると、人体にはどんな影響があるのでしょうか。

代表的なのが「ダニアレルギー」です。

そもそもアレルギーとは、ある物質が体内に入った際に、体の防御機能が過敏に反応してしまうことです。

ダニアレルゲン(ダニの死骸やフン)が原因と考えられている症状に、小児喘息やアトピー性皮膚炎があります。
アレルゲンとなるのは「コナヒョウヒダニ」と「ヤケヒョウヒダニ」です。

これらは、家全体のダニの8割以上を占めているそうです。

部屋の中で最もダニが発生する場所は、毎日使用する布団です。

死んで増えるというライフサイクルを、ものすごいスピードで繰り返し、布団のダニはどんどん蓄積していきます。

餌となる布団の汚れを除去しない限り、ダニの増殖を止めることはできないのです。

ですから、常に清潔にしておくことが重要なのです。

布団に掃除機をかける際には、マスクの着用をおすすめします。

特にダニアレルギーを持っている人は、湿らせたガーゼをマスクの中に入れるなどして、少しでも吸い込まないように対策をしましょう。

ガーゼを濡らし過ぎて、呼吸ができなくならないように、充分に気をつけてくださいね。

掃除機の賢いかけ方

ここまで、布団に掃除機をかけると出てくる白い粉について、色々とお伝えしてきました。

白い粉の正体から考えると、部屋の中全てに存在している可能性が高いのです。

ダニアレルギーにならないためにも、掃除機を活用して部屋を清潔に保ちましょう。

使い慣れている掃除機ですが、間違ったかけ方をしていると効率よく掃除を行えません。

最後に、掃除機の賢いかけ方をお伝えします。

●掃除機は朝一番にかける

掃除機をかける時間帯はあまり気にしていなかったと思いますが、実は重要なポイントなのです。

埃は人が活動している日中は空中を浮遊し、活動しなくなる夜中に床に降り積もります。

ですから、人が活動を開始する前の朝一番が、最も埃をとらえやすいのです。

掃除機をかける前に拭き掃除をしておくことで、埃を床に押さえつける効果がありますよ。

ひと手間を惜しまずにやってみましょう。

しかし和室だけは例外で、夜に掃除機をかけてください。

畳にはダニが多く潜んでいます。

ダニは夜行性です。

畳の表面に這い出てきたダニを、掃除機で吸い取りましょう。

マンションやアパートなどの集合住宅で夜間に掃除機をかけにくい場合は、カーテンを閉めて部屋を暗くし、夜のような状態にします。

そうするとダニが勘違いして動き出します。

そのタイミングを狙って掃除機をかけましょう。

●畳やフローリングは目に沿い、カーペットは目に逆らう

賃貸物件の床材に合わせて、掃除機のかけ方も変えましょう。

畳やフローリングは、目に逆らってしまうとゴミを吸引しづらくなるうえに、床材を傷めてしまうことにもなりかねません。

フローリングに掃除機をかける場合は、ヘッドを壁にぶつけないように気をつけつつ、最初に目に沿って、それから幅木に沿ってゴミを吸い取りましょう。

反対にカーペットは、目に逆らって掃除機をかけましょう。

カーペットの毛を逆立てるようなイメージで行ないます。

そうすれば、毛と毛の間に隠れているダニや埃をより吸い込みやすくなりますよ。

部屋に優しく賢い掃除機がけをしよう

白い粉の正体を知っていかがでしたか。

ダニが満載の布団で寝るのは気持ち悪いですし、ダニアレルギーになってからでは遅いです。

布団専用の掃除機も色々と販売されているので、洗濯と併用して清潔に保てるようにしましょう。

また掃除機を部屋全体にこまめにかけ清潔に保つことで、賃貸物件を退去する際に、敷金がより多く返還されるかもしれませんよ。