住宅でよく見かける引き違いの窓には、必ず鍵が付いていますよね。
その鍵の見た目は半月型をしていますが、名前を「クレセント錠」と言います。
クレセント錠は長年使用していると経年劣化していきます。
今回はクレセント錠についてくわしく知るとともに、交換方法も学んでいきましょう。
窓のクレセント錠はなぜ交換が必要なの?
窓は通風などの目的でよく開けることが多いですよね。
窓の開閉を行うと、もちろんクレセント錠も開け閉めすることになります。
窓の開閉は、玄関ドアや勝手口と違って頻繁に行うこととなりますので、その分クレセント錠は酷使されていると言えます。
利用頻度が高いとより劣化が進むため、時間とともに金具が緩んできたり、レバーを回す際にスムーズにいかなくなってしまうでしょう。
実際に劣化したクレセント錠をしめると、しまりづらく感じるため、すぐに異変に気付くはずです。
では、窓のクレセント錠が劣化するとどのようなデメリットが考えられるのでしょうか。
1番のデメリットは「防犯」に関してです。
空き巣や泥棒が家に侵入する経路は、窓からが1番多いのです。
鍵をしめていても、クレセント錠が緩んでいるときちんと施錠できていないことと同じです。
その結果、簡単に窓を突破されてしまうことになります。
そのため、クレセント錠の不調が見られたら、早急に交換することが望ましいのです。
窓を防犯する重要性とは
先ほど、空き巣などの侵入経路は窓からが1番多いとお話ししました。
ここでは窓の防犯対策について、掘り下げてお話ししていきましょう。
●空き巣の侵入経路は窓が1番多い
これに関しては戸建て住宅、マンションなどの集合住宅は関係なく、窓から侵入されることが1番多いのです。
とはいっても、4階以上のマンションになると、さすがに窓でなくドアからの侵入が多くなります。
一般的に窓からの侵入が多い原因は、クレセント錠が付いている住宅が多いためだと言われています。
クレセント錠は不調になれば勝手に鍵が開いたり、しめてもぐらぐらとして鍵の役目を果たせないことがあります。
また、空き巣の侵入の手口ですが、まずクレセント錠の近くのガラスに穴をあけます。
外からくるっと鍵をまわし、窓を開けて簡単に室内に侵入するのです。
●時間をかけることで侵入率を下げる
空き巣は侵入に要する時間を5分以内に抑えようとする傾向があります。
これ以上の時間がかかると諦める場合が多いのです。
そのため、クレセント錠を交換する、補助錠を付ける、ガラスフィルムを貼るなどして、侵入までを時間稼ぎしましょう。
防犯ガラスへ交換するのも効果的ですが、費用の面で理想的とは言えません。
すぐにできることから実行に移しましょう。
クレセント錠の交換のタイミング
窓の開閉を長年行うと、クレセント錠は少しずつ劣化していきます。
防犯対策のために早めの交換をおすすめしますが、交換するタイミングをつかむのはなかなか難しいでしょう。
つい、「後でやろう」とそのまま放置してしまいがちです。
そこで、ここではクレセント錠を交換するタイミングをご紹介しましょう。
・クレセント錠をしめる際しまりづらく感じる
・クレセント錠をしめた後ぐらぐらしている
・扉とクレセント錠がうまくかみ合わない
・鍵を閉めても勝手に開いてしまう
以上の中で、1つでも当てはまったらクレセント錠を交換するタイミングだと言えます。
特に鍵が勝手に空いてしまうというのは、防犯対策においてありえないことです。
交換するタイミングを見極めて、早めに対応しましょう。
窓のクレセント錠を交換!業者に依頼した場合
クレセント錠を交換する際、1番安心で確実なのは専門業者に依頼することです。
自分で交換することもできますが、細かい部品が多いため、面倒に感じてしまうこともあるでしょう。
また、女性は部品交換などに苦手意識を持っている方も多いですよね。
では。業者にクレセント錠の交換を依頼すると、費用はどのくらいかかるのでしょうか。
以下で目安をご紹介しましょう。
・鍵の交換…21,000円~31,500円(部品代別)
・鍵の不調・修理…8,400円~
・鍵の破損…8,400円
上記の金額は、実際の鍵の状態により変動するでしょう。
あくまで目安として参考にしてください。
また、業者に依頼するメリットとして、現在のクレセント錠と同じタイプのものが付けられるということが挙げられます。
クレセント錠が劣化するということは、それだけ昔から使用している鍵だと言えますよね。
それらの鍵はホームセンターなどでは販売してないことが多いのです。
同じタイプの鍵がなければ、自分で交換することは不可能ですよね。
専門業者は窓の鍵以外にも、あらゆる鍵のトラブルに対応できます。
困った時は頼ってみるのも良いでしょう。
クレセント錠を自分で交換してみよう
現在のクレセント錠と同じタイプの交換用の鍵が用意できれば、クレセント錠は自分でも交換可能です。
全く同じ鍵でなくとも、形が似た近い製品であれば、取り付けは可能となります。
ここではクレセント錠の交換方法をご紹介していきましょう。
【引き違い窓のクレセント錠の交換方法】
①現在のクレセント錠を取り外す
ドライバーを使い、現在のクレセント錠を取り外していきます。
上のネジを先に外してから、下のネジを緩めて、鍵本体をずらしておきます。
この時、下のネジは完全に取り外さず、緩めるだけにしてください。
裏板を落下させないために、上のネジを再び取り付けます。
その後、下のネジを取り外して古い本体を取り外しましょう。
②新しいクレセント錠の取り付け
新しいクレセント錠を取り付けていきます。
鍵本体を先ほど外した下のネジ部分に当てて、ドライバーでしめていきます。
ここでは完全にしめてしまわないように注意しましょう。
裏板を仮どめしていた上のネジを1度取り外し、鍵本体を上まで持ってきてネジで取り付けます。
上下のネジをしっかりしめたら、クレセント錠がきちんと機能するか確かめましょう。
鍵の開閉に問題がなければ、クレセント錠の交換は完了となります。
賃貸でクレセント錠を交換したい!費用はだれが負担するの?
賃貸にお住まいの方で、部屋の窓に付いているクレセント錠の調子が悪い方もいらっしゃるでしょう。
特にぐらぐらした状態ですと、防犯面で心配ですよね。
賃貸でクレセント錠を交換した場合、その交換費用は誰が負担するのでしょうか。
実は、専門業者に依頼した場合も、自分で交換する際の部品代も、「入居者の負担」となります。
これはどのくらいの修繕であるかによって、内容は変わってくるのです。
本来、大家が費用負担するのは「大規模な修繕」になります。
一方、室内の「小修理」に関しては、入居者の負担となるのです。
今回のクレセント錠の不調はこの「小修理」に当たるのです。
ただ、退去の際に、明らかな経年劣化で壊れたものであれば、修理費用を請求されることはないので安心してください。
自分で修理すると費用がかかると考え、クレセント錠の交換を放置する方もいらっしゃるでしょう。
しかし大家によっては、それを必要な修繕と考える人もいるため、まずは相談してみることをおすすめします。
場合によっては、大家負担でクレセント錠を新しいものに交換してくれるでしょう。
劣化したクレセント錠は早急に交換しよう
クレセント錠は長年使いつづけると、だんだんと劣化していきます。
鍵をかけづらく感じたらクレセント錠が劣化していると考えられるため、早めに交換を行いましょう。
交換は同じタイプのクレセント錠が用意できれば、自分でも行うことができます。
難しい場合は業者も頼って、防犯のためにも早急に新しいものに交換しましょう。