家の中には、「ほとんど開けない窓」や「日差しがきつい窓」、「人目が気になる窓」など、ふさいでしまいたい窓もあります。
しかし、「ふさぎつつも美観は損ないたくない」、そんな願いを同時に満たすDIY方法が「窓の壁化」です。
いろいろな方法がありますし、「壁化」に合わせてできる小技もありますので、この記事でご紹介していきます。
窓をDIY!窓の壁化とは?
「窓の壁化」とはその名の通り、窓があった場所をDIYで壁に見せてしまう方法です。
小さな窓であれば、窓全てを埋めてしまうこともできますし、例えばベランダから出入りする窓のように大きな窓であれば、半分だけや、1/4だけ壁化してしまうといったアレンジも可能です。
方法としては、石膏ボードやコンパネといった一枚物の板を貼り付けて壁に見せる方法がありますが、材料が大きくなってしまい、持ち運びやカットも大変です。
そのため一般的には、木枠を使い、そこに平板を細切れにはめて壁に見せる方法が選ばれています。
DIYの良いところは、施工者の好みと施工箇所の状況に合わせて、自由に方法を変えられるところです。
今は、道具も材料も充実しており、さらにはDIY人口の増加に伴いアイディアも豊富になっています。
窓を壁化するメリット
窓の壁化は、住まいに関わるDIYの中でも、少しレベルアップした方向けのDIYです。
施工したい窓が大きければ、使う材料も大きくなりますし、細かい採寸や材料の固定が必要になるため、ある程度の知識や経験が必要になります。
それでも、このDIYに挑戦するメリットがたくさんあります。
もちろん、悩みだった窓に関わる問題が解消されます。
それに加えて、壁化する壁には、様々な材料が選べますので、既存の建材とコーディネートしてインテリアとしてのアクセントにもなります。
同じことですが、DIYした壁には壁紙を貼ることもできますし、塗装も可能です。
それで自作した壁で、内装としてはなかなか選びにくい壁紙を選んだりカラーコーディネートの「冒険」もできます。
もし気に入らなければ、何度でも変更可能です。
家そのものへの損傷を気にせずに釘打ちも、棚つけも、自由に行うことができます。
つまり「壁化」の大きなメリットは、壁という、通常、家の中でも特に補修や交換が難しい部分で、失敗を恐れる心配もなく思いっきり自分好みにアレンジができるということです。
これこそがDIYの醍醐味です。
窓を壁化するDIYの方法とは?
すでに少し述べましたが、窓をふさぐDIYを後押ししてくれる道具や材料が各社から豊富にリリースされています。
例えば、窓をふさぐ壁を作るにはまず、壁を貼るための柱が必要になりますが、この柱を簡単に立てるための道具が用意されています。
いろいろなブランドがありますが、基本的には、柱になる材料の両端にアジャスター(車に使うジャッキのようなもの)を取り付け、つっぱらせるものです。
天井と床を突っ張る、巨大な突っ張り棒のようなものですが、いずれも住宅建材メーカーが売り出しているものですので、強度や安定性に関しても信頼できます。
あとは、そこにお好みの板を張るか打ち込むだけです。
大きな窓であれば、このような市販の巨大突っ張り棒が使えますし、小さな窓であれば、この柱もDIY可能です。
窓枠に合わせた大きさの材料を用意し、両端に厚めの両面テープを貼り付けて窓枠にはめ込むだけです。
両面テープは、半分のみ剥がしてはめ込み、その後残りを引き抜いて完全に密着させるのがコツです。
予算にゆとりがあり、小さな窓でもさらなる強度を求めたいようであれば、小さな窓用の突っ張りアイテムも用意されています。
のちにこの柱に壁板を打ち付けることを考えると、あまり細い柱ですと釘の打ち込み場所が分かりづらくなるかもしれません。
しかし、ある程度の面積のある柱にしておけば、壁の貼り付けも容易になります。
お店によっては便利なアイテムが豊富に用意されているため、そのアイテムの説明通りに取り組めば「壁化」はあっという間にできてしまいます。
どのアイテムも良い品物ですが、市販品の使用には微調整が必要になることもあります。
窓の壁化をする上での注意点!
窓の壁化をDIYで行うにあたり、注意すべきなのは、何と言っても「窓がふさがれてしまう」ということです。
完全に不要な窓はふさいでしまっても良いでしょうが、もしも部分的に窓を残したい、光や風を入れたいというのであれば、壁化する部分の面積をよく考えましょう。
例えば、大きな窓の下半分は壁にしても、上半分は必要な時に開け閉めできるようにしておきたいという場合、ロック部分が必ず壁の上にくるようにしましょう。
壁と窓の狭い隙間でロックを開け閉めするのは意外に煩わしいものです。
また、全面ふさぐか部分的にふさぐかに関わらず、ふさぐ前には、ふさがる窓部分に防滴加工や保温加工をしておきましょう。
窓は温度や湿度で変化しやすい場所です。
壁化の際に木材を使う、壁紙を貼る、金属を使うということを考えると、そのどれもが熱や湿気の影響を受けやすいので、ふさぐ窓にまずは対策を講じましょう。
窓そのものへのDIY対策方法に関しても後ほどご紹介します。
窓をDIYで壁化!その時に合わせてしたいこと
ここまでご紹介した通り、窓の壁化には大きなメリットがあります。
作った壁にはペンキを塗ることも、釘を打つことも、穴をあけることも何でもできるということです。
建て付けの壁では躊躇してしまうかもしれませんが、窓の壁化でできた壁にはできてしまうので、ならば思いっきり活用してしまいましょう。
例えば、フックをたくさん打ち込めるので、「掛ける収納」として使うのも一つの方法です。
また、アングル(L字型の金具)を使って「棚収納」を作ってしまうこともできます。
さらには、横木を渡して本棚にしたり、靴棚にすることも可能です。
既存の棚ではしっくりこない質感や色、一段一段の幅の加減も、DIYだからこそ解消できます。
そしてもう一点ですが、窓をふさぐ場合、窓がオフセットしている(壁より凹んでいる)ことを活かすアイディアがあります。
壁ではなく扉にして、窓だったスペースを戸棚にするというアイディアです。
扉らしくすることも、あえて壁のようにして隠し扉のようにすることも可能です。
窓からの日差しや人目を消しつつも、そのスペースはしっかり活かすDIYアイディアです。
方法は、上記でご説明した方法で柱を作ったのち、そこに蝶番(ちょうつがい)でドアをつけるだけです。
窓の悩みを解消!壁化以外のDIY方法
以上のように、何か悩みがある窓は窓自体を壁化してしまうことができますし、壁化することで得られるメリットもたくさんあります。
とはいえ、窓の悩みの多くは壁化をしなくても解消できますので、そんなDIYアイディアのいくつかをご紹介します。
例えば、「窓にフィルムを貼る」方法なら、人目も気にならなくなりますし、日差し軽減や遮熱効果も期待できます。
近年のフィルムは様々な種類がありますので、周りとコーディネートしながらも、美観を損なうことなく窓の悩みの解消もできることでしょう。
フィルム以外にも、PPボードや荷物の梱包に使う緩衝材などを応用した、熱や日差し、人目対策方法もあります。
これらの材料は100均ショップなどでも手に入るので、できるだけコストを抑えたい方にオススメのDIY方法になります。
何にしてもぜひ気をつけていただきたいのは、壁化をするとしても中に窓は残っているという点です。
ここで紹介した方法なども含めて、まず窓に何らかの対策を講じた上で、窓の壁化をはじめましょう。
窓の壁化はメリットいっぱい
窓の壁化は、道具や技術が必要になるため、DIYで取り組むには少しハードルが高いかもしれません。
しかし近年は、DIYのためのアイテムもとても充実していますし、アイテムによってはあっという間に壁化ができてしまうものもあります。
窓の壁化には得られるメリットがたくさんあるので、思い切って挑戦する価値があります。
今の窓に悩める箇所があれば、ぜひ窓を壁化することもご検討してみてはいかがでしょうか。