アパートを借りる時に大切な「賃貸契約書」ですが、入居時に契約を交わしてからは、よほどのことがない限り見直さないのではないでしょうか。
また、大切なものなので、きちんと管理されていることでしょう。
しかし、大切なものだからこそ厳重に、いつも必要とするわけではないので奥へ、としまい込んでしまうことも多いのではないでしょうか。
その結果、「見つからない」「なくした」ということになることもあるでしょう。
では、アパートの賃貸契約書をなくした場合、どうしたら良いのか、その対処法をご紹介しましょう。
アパートの賃貸契約書をなくしたら、どんなことが起こるのか?
「確かあそこにしまっておいたはず」と思っていたアパートの賃貸契約書が、そこになかったらどうしますか?
誰であっても、とても慌ててしまうでしょう。
でも、大丈夫です、安心してください。
賃貸契約書をなくしたからと言って、それがすぐ自分にとって不利になることはありません。
毎月きちんと家賃を払って、大家さんが家賃を受け取っていれば、それだけで賃貸契約は成り立っています。
賃貸契約書をなくしたからと言って、契約を解除されることもありません。
それは、契約書に判を押した時点で契約は成立しているからです。
賃貸契約書の基本的な内容を把握していれば、当面、困ることもないでしょう。
また、引っ越しなどの際にも返却や提示する必要もありません。
したがって、大切な賃貸契約書をなくしたとしても心配する必要はないのです。
しかし、そうは言っても、なくさないことが大切ですね。
「アパートの賃貸契約書をなくした!」再発行はできるのか?
さきほどご紹介したように、アパートの賃貸契約書をなくしても、すぐに自分にとって不利なことが起こるわけではありません。
しかし、手元に賃貸契約書がないと不安な方もいるでしょう。
また、引っ越しなどを考えている場合だと、細かい契約を再チェックしておきたいですよね。
そんな時は、大家さんか仲介してくれた不動産会社に頼んでコピーしてもらいましょう。
仲介してくれた不動産会社には、契約書類を管理する義務があるのでコピーに応じてくれるはずです。
ただし、手数料が発生する場合もあるので注意してください。
また、原本そのものを作り直す「再発行」ですが、保証人や印鑑証明など、契約時に必要な書類を新たに用意しなければなりません。
また、大家さんにもう一度、判を押してもらわなければならないので、大変手間が掛かります。
なかには、手数料を要求したり、快く応じてくれない大家さんもいるでしょう。
したがって、アパートの賃貸契約書をなくしたら、コピー対応がおすすめです。
「アパートの契約書をなくした!」実は渡されていなかった!?
これまで、「賃貸契約書をなくした」場合についてお話してきました。
しかし、賃貸契約書自体を渡されていないケースもあるので注意が必要です。
特に、はじめてアパートを借りて賃貸契約を結ぶ方は、通常の契約がどんなものかわからないので、より注意しましょう。
このように、賃貸契約書が渡されない原因の多くは、仲介した不動産会社や大家さんの都合で郵送になる場合です。
通常は、賃貸契約書に署名捺印をして、すぐにその場で渡されます。
しかし、大家さんの都合や不動産会社のやり方の違いで、郵送になる場合もあります。
1週間ほど待っても郵送されない時は、催促しましょう。
さきほどからお話しているように、賃貸契約書がなくてもすぐに自分に不利にはなりませんが、賃貸契約書が手元にないのは不安ですよね。
「そのうち送られてくるだろう」とのんびり構えていると、渡されたかどうかも曖昧になってしまうかもしれません。
トラブルが起こる前に確認しましょう。
「アパートの賃貸契約書」どんな時に必要?
では、普段あまり見直すことのない「アパートの賃貸契約書」ですが、どんな時に必要になるのでしょうか。
それは、契約時に説明された、更新や退去の時のルールや禁止事項などの確認をする時です。
例えば、更新をする場合は、何日前に大家さんに言えばいいのか、更新料はいくらか、更新時に再度契約書を作成するのか、など細かい取り決めを確認する必要があります。
引っ越しの際にも同じように、賃貸契約を解除する時期、家賃の計算、敷金の清算、部屋の原状回復など、確認する事項が出てくるでしょう。
特に金銭に関するトラブルは起こりやすいので、事前に契約内容を確認しておくことが大切です。
また、台所やトイレ、浴室などの水回りや、雨漏りなどがあれば、設備の状況の修繕についても、誰がどのように負担するかなどを知っておくと良いでしょう。
こういったことは、アパートを借りる時に説明は受けていたはずですが、細かい数字までは覚えていないと思います。
このように、アパートの賃貸契約書をなくしたとしても、すぐに自分にとって不利にはなりませんが、もしもの時に確認できないと不利になります。
それでは、次に、賃貸契約を交わす前に確認すべき項目を見ていきましょう。
アパートの賃貸契約を交わす前にチェックすべき項目は?
それでは、早速、アパートの賃貸契約を交わす前にチェックすべき項目をご紹介しましょう。
一番重要なのは「金銭に関すること」です。
・更新料
・更新手数料
・解約の際の家賃処理
・敷金の返還
・設備や備品の修繕費
・契約違反時の損害賠償
などが挙げられます。
次に「原状回復」です。
退去する時にどのくらい「原状回復」させればいいのかは、解釈によって異なり、トラブルの原因になりやすいので注意が必要です。
また、修繕費や敷金の返還などのように、金銭も絡んでくるので、より複雑です。
特に通常の生活の中での「経年劣化」なのか、不注意で傷つけた「破損・汚れ」なのか、誰が修繕するのかなど、問題は多くあります。
さらに、「利用制限」もきちんとチェックしておきましょう。
たとえば、アパートでは居住以外の使用は認められていない場合がほとんどですし、不特定多数の人が出入りしたり、申請していない同居人のなどはトラブルの原因になります。
ペットの飼育についてはもちろんのこと、ベランダでの園芸、布団や洗濯物を干すことを禁止している場合があります。
「前のアパートは大丈夫だったから」では、通りません。
また、階段やエントランスなど共有スペースの使い方も確認しておく必要があります。
契約書をなくした場合は、このような項目の確認が難しくなるので、やはり、なくさないことが大切ですね。
アパートの契約書よりも大事!?「重要事項説明書」って何?
さきほど、アパートの賃貸契約前にチェックすべき項目をご紹介しました。
これを「重要事項説明」と言い、賃貸契約書の中の特に重要な部分をピックアップして、賃貸契約書を交わす前に説明されます。
トラブルを避けるために、法律で定められており、資格を持った「宅地建設取引士」が、必ず説明することになっています。
その説明を聞き、納得してはじめて賃貸契約をすることになります。
ですから、納得がいかない場合は、契約してはいけません。
その際、「説明を聞き、重要事項説明書を受け取りました」と、署名捺印を求められます。
ここが【重要なポイント】です。
「重要事項説明書」に署名捺印をするという事は、説明を受け、その内容に納得したという事ですから、あとで「聞いてない」「知らなかった」では済まされなくなります。
たくさんの書類の中のひとつとして、言われるままに、署名捺印しないよう注意してください。
「重要事項説明」は、法律に基づいたものなので、専門用語が多く、難しい言い回しもあって、分かりづらいものですが、ご自分が納得するまで説明を求めましょう。
このように「重要事項説明書」は、契約内容を把握する大事な書類です。
こちらも「なくした!」などということにならないように、大切に保管してください。
「賃貸契約書」も「重要事項説明書」もなくさないのが基本
このように、大切なのは「賃貸契約書」そのものよりも、契約前の内容の確認です。
「重要事項説明」をしっかり聞いて、契約内容をきちんと確認してから契約しましょう。
書類をなくしてもコピーなどで対処することができますが、署名捺印してからの契約は覆りません。
とは言え、なくさないことが何よりです。
契約の際は、くれぐれもご注意を。