近年、注目されつつある「モルタル」はご存知でしょうか。
モルタルはコンクリートにそっくりなもので、最近ではDIYの材料として使われることも多いです。
しかし、そんなモルタルを床に塗ろうとすると、扱いに慣れていないため上手くいかないこともあるでしょう。
今回は上手にできるモルタルの塗り方などを、順を追ってご紹介していきます。
モルタルとは?
DIYの材料として注目を浴びているモルタルですが、コンクリートやセメントとはいったい何が違うのでしょうか。
まずはここから順番にご説明していきます。
【セメント】
セメントは、ポルトランドセメントともいいます。
これは、石灰石や粘土を一度焼いてから粉にしたもののことです。
セメントの特徴は「水を混ぜると固まる」ということです。
また、これだけを使うということはまずありません。
【コンクリート】
コンクリートは、セメントの中に水・砂・砂利を加えたものになります。
主な使用用途は、建物などの頑丈なものを作るときに使われます。
また、押される力にはとても強いのですが、引っ張る力には弱いという特徴があります。
【モルタル】
モルタルは、セメントの中に水と砂と混ぜたものになります。
とても柔らかく、レンガやブロックを積むときに接着剤として使われることが多いです。
また、水はけも良いので、駐車場を作るときにコンクリートと一緒に使われることがあります。
タイルの下地などにも使われるので、上手な塗り方を覚えて、床に塗ってタイルを貼ってみてもおしゃれです。
塗り方を覚えたい!モルタル床のメリット
コンクリートと間違えられることもあるモルタルですが、コンクリートのように砂利が入っていない分だけ床に塗った時に洗練された印象を与えてくれます。
また、先程も触れましたが、タイルを貼るときにも使われます。
そんなモルタルを床に使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここからモルタル床のメリットをご紹介していきます。
【カフェやスタジオのような印象になる】
モルタルを使うと、部屋の印象がガラリと変わります。
フローリングには木目があるため、温かみが感じられますが、モルタルの床は無機質な印象を与えるでしょう。
しかし、モルタル独特の滑らかな見た目からは、ぬくもりも感じ取れます。
そのため、カフェやスタジオのような独特の雰囲気を醸し出してくれるのです。
また、モルタルの床というと、つなぎ目の無い滑らかなものを連想するかと思います。
しかしそれだけでなく、「モルタル造形」と呼ばれる塗り方を行うと、アンティーク調やタイルを使っているような床を作りだすことができます。
【玄関に使うとおしゃれ】
コンクリート程強度はないとはいえ、床の材料としてはとても硬い素材のため玄関に使うことに向いています。
生活感の出やすい玄関にモルタルを使うとおしゃれな印象になります。
【インテリアに馴染む】
近年では、たくさんのテイストのインテリアがありますよね。
モルタルはどんなインテリアにも馴染みやすいので使いやすいでしょう。
塗り方を覚えたい!モルタル床のデメリット
メリットがたくさんあるモルタル床ですが、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではモルタル床のデメリットをご紹介していきましょう。
【割れやすい】
モルタルは収縮する性質があるため、乾くと縮んでしまい、割れやすくなります。
このため、ひび割れを起こしやすいのです。
これでは、床がひび割れだらけになってしまいますよね。
しかし、従来のモルタルよりも割れにくい床用のモルタル薄塗り材というものがあります。
これを使うと、ひび割れにくくなります。
【モルタルに向かない住宅がある】
これに関しては、いまいちピンときにくいのではないでしょうか。
実は、モルタルは木造の住宅には向かないのです。
木造の住宅は木を使って作られているため、家全体が湿度の変化によって収縮します。
それにより、モルタルがひび割れてしまうので、木造には向いていません。
【断熱性が低い】
モルタルは断熱性がとても低いです。
そのため、寒くなる時期には大変冷たくなってしまいます。
玄関の床として使うのであれば問題ありませんが、リビングに使うときには断熱対策を行うことをおすすめします。
【とても硬い】
メリットをご紹介したときにもご説明しましたが、モルタルは硬いです。
転倒の危険がある人、たとえば小さな子供やお年寄りのいるお宅ではあまりおすすめできません。
では、これらのことを踏まえて、事項から床への塗り方についてのお話をしていきます。
モルタルを床に塗る塗り方
ここからは、モルタルを床に塗るときの塗り方についてご紹介していきます。
モルタル床にする部屋の家具は、作業が行いやすいようにすべて出しておくとスムーズに作業を行うことができます
まずは、モルタルを必要な分だけ作りましょう。
ドライモルタルというものが販売されており、この中に水を入れるだけで簡単に作ることができるものもあります。
このようなものを使ってみるのも良いでしょう。
ちなみに、約4kgのモルタルを用意したとすると厚さ1cmで約45㎠塗ることができます。
モルタルの用意ができたら、コテを使って均等な厚さで平らになるように塗っていきます。
その際の上手な塗り方のコツは以下のようになります。
①塗り始めは、右手で塗るときには向かって左上から、左手で塗るときは右上から塗り始めましょう。
②コテ運びをスムーズにするために、コテは動かしたい方を浮かせるようにして傾けながら塗っていきます。
③全体が塗り終わったら、コテを水平にしてモルタルにしっかりとつけ、表面を平らにしていきます。
④塗った後が残らないように、大きくコテを動かし、コテの跡が残らないようにしましょう。
なお、モルタルの乾燥時間は約24時間です。
作業には十分な時間をとって行いましょう。
モルタル風のクッションフロアがある!
モルタルの塗り方についてご説明しましたが、「モルタルを上手に塗ることができるか自信がない」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方には、モルタル風のクッションフロアがおすすめです。
では、それをご紹介しましょう。
【サンゲツ クッションフロア H-FLOOR2016-2018 コンクリート CM1239】
参考価格:2980円
厚さ:2.6mm
横幅:200cm
これは本物のモルタル床と違い、クッションフロアですからひび割れる心配や冷たさもありません。
また、ある程度の柔らかさもありますので「小さい子供がいるから」、または「お年寄りがいるから」とモルタル床にすることをあきらめていた方も使うことができます。
今回ご紹介したクッションフロアの他にも、近年ではクッションフロアの性能も良くなっており、防カビや消臭の効果もあるものが販売されています。
自宅に合ったものを選んで使ってみましょう。
モルタルを使ったら後片付けを
モルタルを使った床の塗り方などについてご紹介してきましたが、モルタルを塗るときに使ったものはどうしたら良いのでしょうか。
最後に、後片付けについてご説明していきます。
コテなどといった道具は、使い終わったらすぐに洗ってください。
「また明日も使う予定があるし、このままで」というのはやめましょう。
モルタルがついたままにしてしまうと、そのままモルタルが固まってしまい、道具が劣化してしまいます。
もし、すぐに洗えないような状態であれば、道具を水につけておきましょう。
また、洗う際にも注意が必要になります。
水が加わったモルタルは、強アルカリ性になります。
当然ですが、道具を洗っている水も同様にアルカリ性を示します。
この水を排水溝に流してしまうと、排水管が傷む原因になってしまいます。
洗うときには手袋をして、洗い使った水は、周囲に植物の無いところに埋めてください。
余ったモルタルは小物に変身!
今回はモルタルで床を塗る塗り方などについてご紹介してきました。
このように、モルタルは簡単に塗ることができ、部屋の印象を大きく変えてくれます。
また、床を塗ったあとにモルタルが少し余ってしまうこともあるでしょう。
このようなときには、捨てずに小物を作ってみるのはいかがでしょうか。
型に流し込むだけで、鉢や飾りを作ることができますよ。
モルタルを活用して、理想の空間を作りましょう。