これから新築する方の中には、玄関の床をモルタルにしようとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
灰色で無機質なイメージのモルタルは、お洒落なカフェのような雰囲気があるため、人気の高い床材となっています。
しかし、玄関をモルタルにしたことで、後々後悔する方もいるようです。
一体何が原因なのでしょうか。
そこで今回は、モルタル玄関で後悔しないためにも、モルタルの特徴やメリット・デメリットなどをお伝えしていきましょう。
玄関で後悔しないために!まずは床の種類を知ろう
玄関は「家の顔」です。
来客が最初に目にする場所のため、良い印象を与えられるように明るく清潔な場所にしたいものです。
そんな玄関で後悔しないためにも、まずは選べる床材にどのような種類があるのかを見ていきましょう。
●モルタル
モルタルとは、セメントと砂を混ぜたものです。
似たものにコンクリートがあげられますが、コンクリートはセメントと砂と砂利を混ぜたもので、駐車場などに使用されるほど強度が強いという特徴があります。
冒頭でも述べた通り、モルタルは無機質でお洒落な印象なので、クールな内装の住宅にはマッチするでしょう。
●タイル
タイルには「磁器質タイル」と「テラコッタタイル」があり、人気が高いのは磁器質タイルです。
磁器質タイルは汚れに強く、ストーン風、モルタル風、テラコッタ風などさまざまな種類に対応しています。
手入れが楽で、家の内装に合わせて選べるのは嬉しいですね。
●洗い出し
モルタルに玉砂利や石を混ぜ、表面に石が見えるようにお洒落に仕上げたものです。
和のイメージが強いため、和風の住宅の玄関によく合うでしょう。
モルタルに石が混ざっていることで、強度が上がっています。
●石
主に御影石などを使用します。
御影石は耐久性が強く、和にも洋にも合う高級石材です。
水分に弱く、雨に濡れるとシミができでしまうため、取り入れた際は注意が必要です。
後悔しないためにモルタルの特徴を知っておこう
新築でモルタル玄関にしようとお考えの方へ、ここではモルタルの特徴をご紹介していきます。
後悔しない玄関づくりのために、事前にモルタルの性質についてよく知っておきましょう。
モルタルはお洒落なイメージが強く、グリーンなどと良くマッチすることから、好んで選ぶ方が多い建材です。
コンクリートによく似ていますが、モルタルはセメントと砂を混ぜただけのため、強度は低いと言えます。
ただしその分薄く塗ることができ、型枠も必要としないため、費用を安く抑えることができます。
モルタル玄関は、「ほうき目」と呼ばれる滑り止めの仕上げを行います。
このほうき目には汚れが溜まりやすいため、こまめな掃除を必要とするでしょう。
また、モルタルはひび割れしやすいという特徴があります。
このひび割れを風合いだと楽しむ方もいらっしゃいますが、モルタルの性質を知らないで取り入れた方は驚いてしまいますよね。
さらに防音性が低いため、マンションなどでは施工許可が出ないということもあるようです。
モルタル玄関で後悔する理由とは?
前項ではモルタルの特徴についてご紹介しました。
ここでは、「モルタル玄関にして後悔した」という方の理由で、よく見られるものについてご説明していきます。
●木造住宅に向いていない
モルタルはひび割れしやすい特徴があると述べしましたが、木造住宅ではよりこのひび割れが起こりやすくなります。
というのも、木造住宅は湿気や乾燥の影響を受けやすく、木材が動き、収縮を続けます。
この収縮はいずれ安定しますが、多くの場合モルタルにも影響があり、ひびが入りやすくなってしまうのです。
強度の強いモルタルを扱う業者もありますので、事前に確認することをおすすめします。
●断熱材が必要
モルタルのデメリットとして、断熱性が低いことがあげられます。
特に冬場は冷えるので、大きな玄関のお宅や、寒冷地で新築する方は避けた方が良いでしょう。
玄関にモルタルを選ぶとメリットがある
モルタルの玄関で後悔する理由には、ひび割れしやすいことや、冷えが厳しいということが分かりました。
しかし、モルタルの玄関にはメリットもたくさんあります。
●価格が安い
モルタルはタイルや石材と比べると、価格が安いという特徴があります。
新築の場合、とてもお金がかかりますから、少しでもコストを削ることができる点はメリットと言えるでしょう。
●モルタルの独特な雰囲気がお洒落
先述した通り、モルタルの灰色とグリーンはよく合い、生活感をなくし玄関をお洒落に演出することができます。
和・洋どちらにも合うので、インテリアにうまく溶け込むでしょう。
●蓄熱性は高い
先ほど断熱性が低いというお話をしましたが、逆に畜熱性が高いのがモルタルのメリットです。
暖まるまでに時間はかかりますが、1度温めると冷めにくいです。
お洒落な墨モルタル玄関もおすすめ
モルタルには「墨モルタル」と呼ばれるものがあります。
一般的なモルタルは灰色をしていますが、この墨モルタルは通常のモルタルに墨を混ぜて作製し、黒色に近い色に仕上げたものになります。
暗い色にすることで、玄関を落ち着いた雰囲気にすることが可能です。
墨モルタル玄関を採用する際、後悔しないために事前に知っておいた方が良いことは、「施工中は仕上がりの色味がわかりづらい」という点です。
添加する墨は、モルタルに加えると、少量でも真っ黒に見えます。
乾燥にかかる時間や気温によって色合いは変化するため、調整を行いながら施工するのは難しいのです。
完成してから「もう少し黒くしたかった」と感じる方もいらっしゃるようです。
また、完成後にモルタルを触ると「墨が手についてしまう」ことがあるようです。
小さな子供が裸足で玄関に下りて、足の裏が真っ黒になってしまうというようなことも想像できます。
上記の場合は「クリア塗装」を行うと対策できるため、墨モルタルを取り入れる方は頭に入れておいてくださいね。
モルタルの玄関の掃除方法
ここまで、モルタル玄関を採用して後悔しないために、モルタルの特徴などをくわしくご紹介してきました。
では、モルタル玄関は日ごろどのようなお手入れをしたら良いのでしょうか。
以下でモルタル玄関の掃除の仕方をご紹介していきます。
【モルタル玄関の掃除方法】
①ほこりやゴミを取り除く
まずは、玄関に溜まりがちなほこりや砂、ゴミなどを取り除いていきます。
ほうきを用意し、大まかに掃いていきましょう。
その後、掃除機で溝部分などを中心にゴミを吸い込んできれいにしていきます。
これだけでも、だいぶ玄関をきれいにすることができるでしょう。
②泥を落とす
続いて、デッキブラシを使って泥を落としていきます。
水を使ってブラシでこすり、泥を浮かしだしたら、きれいな水で全体を流していきます。
③水分を拭き取る
最後に、乾いたぞうきんを用意し、玄関を拭いていきましょう。
水分を残さず拭き取って、十分に乾燥させたらモルタル玄関の掃除は完了となります。
床に水分が残ると汚れがより付着しやすくなってしまうので、最後の工程はしっかりと行ってください。
モルタル玄関はお洒落で安価なおすすめの床材
モルタルはグリーンと相性が良く、お洒落なカフェのようなイメージがあります。
生活感が出ない独特な雰囲気があるため、昨今では玄関の床材として人気が高くなっています。
また、安価であり、蓄熱性が高いというメリットもあります。
ただし、ひび割れしやすい、断熱性が低いというデメリットもあるため、玄関で後悔しないためにも、それらをよく頭に入れて検討しましょう。