遠距離で交際している相手の方と結婚することになったとき、どのような手続きが必要となるのでしょうか?
引っ越しして一緒に暮らすのか、それとも、籍は入れるけど別々で暮らすのか?
その選択によっても手続きは変わってきます。
今回は、遠距離恋愛で結婚する場合に必要となる手続きについて見ていきましょう。
また、別居婚の場合のメリットとデメリットについてもご紹介します。
結婚には様々な手続きが必要!
最近は、マッチングアプリなどの普及で、遠方に住んでいる方と気軽に知り合える機会が増えました。
また、はじめは近くで過ごせていても、転勤や実家の都合など様々な理由で、遠距離恋愛になってしまうことがあります。
以前と比べると、SNSや交通機関が格段に便利になったので、遠距離恋愛のハードルは下がっています。
しかし、遠距離恋愛の末に結婚となった場合には、様々な手続きが必要になります。
そして、遠距離のまま入籍だけをして離れて暮らすのか、引っ越しをして一緒に暮らすのかという問題も浮上してきます。
まずは、一般的な結婚に必要な手続きは次の通りです。
・婚姻届けの提出
・クレジットカード、銀行口座、パスポート、保険、携帯電話などの名義変更
こちらが主な手続きですが、勤め先を辞める場合や、引っ越しをする場合は更に手続きが必要となります。
その手続きについて順番にご説明していきますが、まずはどの結婚にも共通している名義変更の手続きについて、次の章でご説明します。
結婚で必要となる名義変更の手続き
最近は、夫婦別姓や事実婚など夫婦によって結婚の形も多様化してきていますが、いまだに女性側が男性側の姓を名乗ることが大多数の世の中です。
遠距離にかかわらず、結婚をして名義変更をする場合に必要な手続きをまとめました。
・運転免許証
免許試験場か警察署でも住所の変更と合わせて申請できます。
申請の際に住民票と印鑑が必要です。
・銀行口座
銀行の窓口で名義変更を行います。
通帳、キャッシュカード、通帳の届け印、新しい姓の印鑑、新しい姓の本人確認書類が必要です。
・携帯電話
携帯会社の窓口で、手続きをします。
必要なものは新しい姓の印鑑、携帯電話本体、新しい姓の本人確認書類、口座引き落としの場合は通帳またはクレジットカードですが、携帯会社によって必要なものが変わってくるので、事前に確認しておきましょう。
・クレジットカード
必要書類や手続きの方法はカード会社によって変わります。
カード会社に問い合わせて、確認しておきましょう。
・パスポート
パスポートセンターで名義変更の手続きを行います。
身分証明書の提出と手数料が必要です。
挙式や新婚旅行などで海外へ行く場合には、出発の1か月前には申請しておきましょう。
・その他
インターネット、家の固定電話、生命保険、自動車なども名義変更が必要となります。
結婚で仕事を辞める場合に必要な手続き
結婚して遠距離に引っ越すことになった場合には、勤め先を退職することになりますね。
結婚して仕事を辞める場合、一般的な会社では退職願を提出します。
退職願を提出するタイミングは退職する半年~3ヶ月前が常識とされていますが、会社の就業規則によって規定されている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
そして退職すると、会社の保険や年金からは外れることになります。
健康保険・厚生年金資格喪失届を提出することになりますが、会社が代行して手続きをする場合がほとんどなので、会社に確認をしておきましょう。
結婚相手の扶養に入る場合は公的年金、健康保険を扶養者の勤め先の基準に従い、手続きをします。
扶養相手が自営業の場合には、公的年金は第1被保険者として新たに手続きをして、健康保険は国民健康保険に加入します。
結婚してからも同じ勤め先で仕事を続ける際には、結婚届を提出します。
そして、新婚旅行などで長期休みを取りたい場合には、休暇希望日の3か月前には休暇届を提出しておきましょう。
直属の上司や担当部署などには、入籍のことを事前に伝えておくとスムーズです。
また、上司や同僚を式に招待する場合には、挙式の3~4か月前には伝えておきましょう。
遠距離恋愛の末の結婚で引っ越す際の手続き
遠距離恋愛で結婚して引っ越すことになった場合の引っ越しに関する手続きです。
・郵便物の転送手続き
旧住所に届いた郵便物を新住所へ送ってくれるサービスです。
郵便局で手続きができます。
手続きをしてから1年間は新住所へ転送してくれますが、期間が決まっているので、ダイレクトメールなどの住所変更の手続きは早めに済ませておきましょう。
・転出届
旧住所の区役所で手続きをします。
引っ越しの2週間前から手続きが可能で、旧姓で印鑑登録している際には合わせて廃止の手続きをしておきましょう。
国民健康保険に加入している場合は、その住所変更の手続きもしておきましょう。
・転入届
引っ越してから2週間以内に新住所の区役所で手続きをします。
転出証明書と本人確認書類、新しい姓の印鑑の持参が必要です。
このときに新しい住民票の申請と新しい姓の印鑑登録も合わせてしておくと、今後の手続きがスムーズになります。
転出届のときと同じく、国民健康保険に加入している場合はその手続きも新住所の区役所で行います。
それと合わせて、引っ越し業者の手配、水道、電気、ガス、固定電話、新聞など身の回りの引っ越しに関する手続きも必要となってきます。
遠距離恋愛後、別居婚にするメリットは?
最近では、遠距離恋愛していた相手と結婚しても、同居はしない「別居婚」という選択をする夫婦が増えています。
そこで、別居婚のメリットとデメリットをご紹介します。
別居婚のメリットは、
・面倒な結婚の手続きが少なくなる
・離れている分、ずっと恋人気分でいられる
・自分のペースで生活できる
・相手の親族と距離をおいた良い付き合いができる
などですが、一番のメリットは、結婚時の面倒な手続きに自分の時間を奪われることがない、ということでしょう。
特に現代は忙しい人が増えているので、お互いを尊重しあえるというのも別居婚の大きなメリットです。
別居婚では、「同じ戸籍に入っても、住民票は別」ということが可能です。
しかし、最初は同居していて途中から転勤などで別居するとなると、国民年金などの保険料が変わる可能性があるので注意が必要です。
では、次の章で別居婚のデメリットをご紹介します。
遠距離恋愛後に別居婚を選ぶデメリット
遠距離での別居婚に関するデメリットもまとめました。
・なかなか会えない為、寂しさを感じやすい
・生活費や会うときの交通費、電話代などお金がかかる
・相手の浮気の心配
・子供がいる場合は子育てが大変
先ほどは、離れているからこそお互いを尊重しあえることが別居婚のメリットとお伝えしましたが、会えない分、すれ違いが生じやすくなることは別居婚のデメリットと言えますね。
また、面倒な結婚の手続きは省けますが、家賃や生活費は二重にかかっているので「経済的に非効率」といった見方もあります。
さらに、子供がいる夫婦の場合、子育ての負担や、子供と離れて生活していることで親と子供のコミニュケーションがとれていないという不安も募ります。
こうした別居婚の不安を解消する為には、別居の期間を決めておく、連絡はこまめに取る、緊急の場合のことをきちんと決めておく、などの対策が挙げられます。
多様化している夫婦の形
以前と比べると遠距離恋愛のハードルが下がった現代ですが、それでも結婚にはいくつかの手続きは必要です。
別居婚という選択肢もありますが、それぞれにメリットとデメリットがありました。
自分とパートナーのライフスタイルや性格に合わせて過ごしやすい結婚生活を選んでいきましょう。