アパートやマンションなどの賃貸物件で、うっかり巾木に大きいものをぶつけてしまって、ひびが入ったりしたことはありませんか?
また、クロスを汚してしまったり、壁に刺した画びょうの穴があるお宅もあるでしょう。
床に傷をつけてしまったという方もいらっしゃるかもしれませんね。
その賃貸物件を退去する際、壊してしまった巾木、汚してしまったクロスの交換や画びょうの穴、床の傷などの補修は自分で行わなければいけないのでしょうか。
ここでは、自分でするのか大家さんがするのか賃貸物件の原状復帰や、修繕方法について解説していきます。
賃貸物件の原状復帰は自分でやらなきゃいけない!?
「原状復帰」とは、何らかの原因で今までの状態が変わってしまったものを、元に戻すという意味です。
その原状復帰、賃貸物件では借主がするのか貸主がするのか疑問に思いますよね。
お金もかかる問題ですから、しっかりと把握しておきたいものです。
賃貸物件でいう「原状復帰」とは、借主が故意や過失で巾木やクロス、床材などを壊してしまったり汚してしまった場合に、元の状態に戻すことをいいます。
時間がたつことで自然に劣化したものに関しては、借主の負担ではなく貸主の負担と考えられています。
もしも入居中にあやまって破損させたり汚してしまった場合、借主が自分できちんと元の状態に戻さなくてはいけないのです。
では実際に巾木を壊してしまった時の巾木の交換方法や、クロスの張り替えについてご説明していきましょう。
壊してしまった巾木を交換!どんな方法がある?
巾木とは、壁と床の継ぎ目をふさぐようにして取り付けされる板のことをいいます。
賃貸物件に限らず、大体のどのお宅にも巾木はあります。
この巾木をうっかり壊してしまった場合、自己負担で元の状態に戻す必要があります。
まず、巾木を交換するには2つ方法があります。
1つは、業者に依頼することです。
業者に巾木の交換を依頼するとなると、各業者や巾木のサイズ、材質などによっても異なりますが、大体1メートルにつき200~1000円ぐらいが目安です。
業者に依頼するとお金はかかりますが、プロなのでしっかりと行ってくれる安心感がありますよね。
しかも、思ったより費用もそんなに高くないですよね。
巾木の交換の作業自体そこまで難しいものではないで、それほど費用はかからないのです。
では、業者に依頼するのではなく、自分で巾木を交換する方法についてご説明していきましょう。
壊してしまった巾木を交換!自分でどうやる?①
では、2つめに巾木を自分自身で交換する方法についてご説明しましょう。
巾木の交換はそんなに難しい作業ではないので、器用な人は自分で簡単に交換することができると思います。
ここでは、巾木の材質として「木」を例に挙げてご説明します。
材質によって施工方法は異なりますので、注意してくださいね。
まず、壊れてしまった巾木を綺麗に取り外します。
決して、力任せに取り外さないように気をつけてくださいね。
巾木をよく観察し、釘が打ってあるものであれば釘を抜いてください。
そして、全体的に接着剤でくっついていることが多いでしょうから、プラスチックではなく鉄定規などの薄くて硬いものを壁と巾木の間に差し込み、少しずつ巾木を剥がしていきます。
巾木が綺麗に剥がれたら、新しい巾木を取り付けていきます。
まず、巾木を取り付けたいところに新しい巾木を当てます。
長くはみ出た部分はあとで切断するので、目印をつけておきます。
巾木には上下がある場合があるので、間違えないようにしてくださいね。
壊してしまった巾木を交換!自分でどうやる?②
引き続き、自分で行う巾木の交換についてご説明します。
丸ノコなどを使って、さきほど目印をつけた巾木を切断します。
ここで注意していただきたいのが、部屋の隅部分です。
隅の部分の巾木をまっすぐに切断してしまった場合、隅の部分がうまくおさまりません。
隅の部分の巾木は、斜め45度に切断するようにしてくださいね。
すべて切断できましたら、巾木の裏面に木工用ボンドを塗っていきます。
そして、隣の巾木や床面との間に余計な隙間を作らないようにして貼り付けていきます。
その後、タッカーを用いて、巾木と同系色の針を打ち込んでいきます。
最後に、部屋に出っ張っている角があれば巾木と巾木の間に隙間が見えてしまうので、ホームセンターでも市販されている「コーナーキャップ」を接着剤で取り付けて目隠ししておきます。
文字で書いてしまうと、手順が多いと感じてしまうかもしれませんが、実際に行なってみるとそうでもありません。
しかし、もともとついている巾木を剥がす作業は案外大変かもしれないので、根気よく丁寧に行ってくださいね。
クロスの交換は自分でするの?
前項までは巾木の交換方法についてお話ししましたが、ここではクロスの交換についてお話ししましょう。
まず、クロスを借主負担で直さなくてはいけないのは、例えばねじや釘で開けた穴などが該当します。
実は、画びょうなどの穴に関しては貸主負担で直すことになっているのです。
ですから、壁にカレンダーなどを画びょうを刺して貼っていて穴が開いていたとしても、自分で修繕費用を支払う必要がないのです。
また、日焼けによるクロスの変色も貸主負担となります。
「クロスの張り替えも自分でやってしまいたい」と思う方もいらっしゃることでしょう。
しかし、クロスを全体的に張り替えるとなったら、作業は時間もかかり容易ではありません。
貸主に張り替えを依頼してもらうようにしましょう。
床の傷はどうする?
ここまで、巾木の交換やクロスの張り替えについて解説してきましたが、最後に床の傷についてお話ししておきましょう。
床に傷をつけずに生活するというのは実は難しいことで、硬いものを落としてしまったなど、何かの拍子に傷がついてしまうこともよくあると思います。
そこで、床に傷がある場合の借主貸主の負担割合はどうなるのでしょうか。
こちらも、借主の過失で傷をつけてしまった場合は借主負担となります。
ただし、畳の場合なのですが、もしも畳に傷がついて交換となってしまった場合、借主が自分で負担しなくてはいけない部分は、あくまでも傷がついてしまった畳(1枚単位)のみとなります。
この借主負担で取り替える畳と、日焼けなどにより他の畳との色のバランスが悪いという理由で他も全部取り替えるとなりましたら、傷をつけてしまった畳以外は貸主負担となります。
畳の修繕を自分で行うことは難しいので、こちらもクロスと同様に貸主に張り替えを依頼してもらうようにしましょう。
しかし、フローリングなどは傷の程度によってもしかしたら自分で補修ができるかもしれません。
もしも自分で直そうとお考えの方は、ホームセンターで市販されている「かくれん棒」がおすすめです。
「かくれん棒」はクレヨンのような形で、ロウでできています。
使い方は、フローリングの傷の部分に「かくれん棒」を塗りこんでから、布で周りを拭き取るだけです。
これだけで、傷が目立たないようになります。
もしも、傷の具合があまり深くなく自分で修繕できそうなら試してみる価値はありますよ。
修繕費用を誰が負担するかは傷や汚れの経緯による
うっかり傷をつけてしまったり汚してしまった賃貸物件の設備に関しては、借主の過失となるので、自分で費用負担をしなくてはいけません。
反対に、経年劣化などによる汚れなどは貸主負担となります。
ものによって傷をつけてしまったり壊してしまったところを自分で修繕することもできますが、クロスなど作業が難しい部分に関してはプロに任せる方がいいでしょう。
無理やり自分で直そうとして、かえって傷をつけたりしないように注意してくださいね。