夏の夜、道路の街灯周りや自動販売機周りで、小さな虫が沢山集まって飛んでいるのを見たことがありますよね。
外だけではなく、家の中の電気カバーの中にもいつの間にか虫が侵入していることもあります。
そもそもなぜ、電気の光に虫は集まってくるのでしょうか。
今回は、電気の光に虫が集まってくる理由や、対策方法、電気カバーのお手入れ方法についてもご紹介します。
虫はどこから家の中に入ってくるの?
ふと電気を見ると、なにやら小さい虫がグルグルと飛んでいる…。
虫が苦手な人にとったら、これを見て見ぬふりはできませんよね。
確かに窓は開けていたけれど、網戸はしっかり閉めていたのに、「この虫は一体どこから家の中に侵入してきたのだろう」と不思議に思うことがありませんか。
侵入経路として考えられる場所は、天井、床、壁の隙間、排気口、排水溝などです。
虫は、ほんの少しの隙間からでも侵入してくるのです。
また、よくあるのが家に入る際に、虫も一緒に連れ込んでいることです。
本人は気付かずに、髪の毛や洋服、バッグなどに虫が付着している場合も多いのです。
特に、草木の多い公園で休憩したり、通勤通学で自転車に乗った時などは、いつ虫が付着してもおかしくないです。
ですから、家に虫を入れないためには、家に入る前が重要です。
まずは玄関で上着を脱いでパンパンと軽くはたいたり、バッグなどに虫が付着していないか確認しましょう。
また、外干ししている洗濯物に虫が付着していることもあります。
住んでいる物件によっては、草木が多い場所もありますよね。
洗濯物を外干しして家の中にとり入れる際には、虫がついていないかしっかり確認して、洗濯物をはらうようにしましょう。
家の中の電気に虫が集まってくるのはなぜ?
家の中の電気に虫が集まって、飛んでいることがありますよね。
なぜ電気の光に虫が集まってくるのかご存知ですか。
人間は暗い場所よりも明るい場所を好みますよね。
虫も人間同様に、単純に明るい場所が好き、というわけではありません。
電気の光に虫が集まってくる理由をお話しします。
●走光性
走光性とは、光に反応して移動する性質のことです。
夜に活動する虫は、月の明りに対して決まった角度で飛びます。
月の光はいつも変わらず、はるか上空から降り注ぐだけですよね。
しかし、人口の光は月とは異なりすぐ近くにあるものです。
虫が人工の光を月と勘違いして、人口の光に対して一定の角度で飛ぼうとして、電気の明りの周りをグルグルと飛んでいるのです。
●紫外線
蛍光灯からは極微量な紫外線が出ています。
人間の目で紫外線は見えませんから、わかりませんよね。
しかし、たいていの虫は、人間は見ることができない光を見ることができるのです。
例を挙げると、虫は赤色に近い光は見えないのですが、その代わりに紫外線を見ることができます。
そのため、蛍光灯から出る紫外線を太陽の光と勘違いして、虫が寄ってくるのです。
以上のように、蛍光灯の光に虫が集まるのは、虫の習性が関係しているのですね。
家の中の電気に虫を寄せ付けない方法①
電気に虫が集まってくるのは、虫の習性が関係しているのがわかりました。
とは言っても、やはり家の中で虫がブンブン飛んでいるのは不快なものです。
家の中の電気に虫を寄せ付けないためには、どうすれば良いのでしょうか。
その対策方法をご紹介します。
実は、電球の種類によって、虫が寄ってくる割合が変わります。
一番虫が寄ってくるのは、昔から使用されている「白熱電球」です。
次に「電球型蛍光ランプ」→「青色LED」→「虫除け用電球」→「暖色系LED」となります。
以上のように、やはり暖色系(電球色)のLEDが最も効果的と言えるでしょう。
ここで少しLEDについて知っておきましょう。
LEDには紫外線がほとんど含まれていないものと、含まれているものがあります。
予備知識として、LEDに白色はありません。
以下の方法で、他の色を組み合わせることによって、白色の光を作っているのです。
①青色LEDを主に、黄色を発光する蛍光体を組み合わせている
②赤色、緑色、青色のLEDを組み合わせている
③近紫外LEDか紫色LEDによって赤、緑、青の蛍光体を光らせている
紫外線が出るのは、③によって作り出されたLED照明だけです。
このタイプのLED照明は、海水魚飼育に使用される殺菌灯などにしか使用されていません。
一般的に使用されている青色LEDが主な白色のLEDは、紫外線の量が蛍光灯のおよそ200分の1しかないので、虫が寄ってきにくいのです。
これは確かな実験結果によって実証されています。
しかし、全ての虫が紫外線に反応しているのではなく、明るさに集まる習性を持つ虫もいます。
ですから、全ての虫が寄ってこないというわけではありません。
紫外線に集まる虫は、コガネムシ、スズメバチ、カメムシ、アブラムシ、コウモリガ、スズメガ、ウスバカゲロウ、イエバエ、セミ、ユスリカなどです。
これらの虫に困った場合は、電気をLEDに変えてみてはいかがですか。
家の中の電気に虫を寄せ付けない方法②
電気をLEDに変える方法以外にも、家の中の電気に虫を寄せ付けない方法があります。
●必ずカーテンを閉めてから電気をつける
カーテンをしっかりと閉める事で、光に集まる虫を減らすことができます。
●網戸に防虫カバーをプラスする
サイズが大きめの虫は網戸を通過できません。
しかし小さな虫は、網戸の目の隙間をいとも簡単に通り抜けてしまいます。
網戸のメッシュサイズも色々あります。
虫対策としては「24メッシュ」以上が推奨されているので、網戸を24メッシュ以上のものに張り替える手もあります。
しかし、網目が細かいほどに価格は上がります。
あまり費用をかけたくない場合は、網戸に防虫カバーをかけるのがおすすめです。
防虫カバーは紫外線カット効果があるものや、さらに外からの視線も遮断してくれます。
価格も網戸の張り替えと比較すると、とてもリーズナブルですよ。
●窓の桟の隙間をふさぐ
網戸の目を通り抜けてしまうような小さな虫なら、窓の桟の隙間の通過も朝飯前です。
市販の隙間テープを使って、隙間を埋めてしまいましょう。
寒い季節の隙間風対策にもなりますよ。
●換気口にも防虫カバーを活用する
虫は、お風呂場や台所の換気口からも入ってくることがあります。
網戸と同じく防虫カバーを活用し、併せて防虫スプレーもしておきましょう。
虫の死骸で電気の明るさが不足していることも!?
家の中に適度な明るさがないと、視力が落ちると言われていますよね。
ですから、特に家のリビングや子供部屋は、しっかりと明るさを保つ必要があります。
しかしながら照明器具の設置から一年も経過すると、照明の明るさは汚れなどが原因で、およそ20%も明るさが低下してしまうのです。
電気が暗くなってしまう原因は、汚れだけではありません。
電気カバーの中に虫の死骸が溜まっていることで、それが光の障害となっている場合もあるのです。
皆さんの家の電気カバーを見てみてください。
黒い影が見えませんか。
それは、虫の死骸です。
ゾッとしますよね。
つまり、電気の本来の明るさを取り戻すには埃などの汚れだけを取るのではなく、電気カバーの中に溜まった虫の死骸を取り除かないと、大きな効果が得られないということです。
掃除のために電気カバーを外した時に、虫の死骸の量に驚くかもしれませんね。
普段はなかなか手が届きにくい場所ですが、掃除を長期間怠ると後々大変になる可能性があるので、定期的に電気カバーの中も掃除しましょう。
電気カバーの掃除方法
最後に、家の電気カバーを楽に掃除できる方法をご紹介します。
掃除を開始する前に、必ずやるべきことがあります。
感電や火傷を防ぐために、照明器具を掃除する際は、必ず電源をオフしてから行いましょう。
掃除の直前まで電気をつけていた場合は、粗熱が取れてからにしてください。
それでは、電気カバーの掃除方法を見ていきましょう。
この掃除方法は、現在の住宅で主流となっているシーリングライト(アクリル素材)を掃除する場合です。
①まずは電気カバーを取り外しましょう。
この時、踏み台などから転落しないように気をつけましょう。
②電気カバーが取り外せたら、掃除機で中に溜まっている虫の死骸を吸い取りましょう。
③その後は市販されているお掃除シートなどを使って、中をよく拭いてください。
それでも汚れが落ちきらない場合は、住居用洗剤で洗いましょう。
ちなみに、電気カバーの素材によって適した掃除方法があります。
△アクリル素材の場合は、手軽なお掃除シートを使ったり、重曹を溶いた液で拭いてよく乾燥させましょう。
△ガラス素材の場合は、消毒用のエタノールで拭き取ると良いでしょう。
△木、紙、金素材の場合は、埃を落とす程度にとどめましょう。
④蛍光灯を照明器具から外して、乾いた布に住居用洗剤を含ませて拭きましょう。
この時に、蛍光灯の口金を住居用洗剤で濡らさないように注意してください。
⑤反射板も住居用洗剤を含ませた布で拭きましょう。
スイッチなどの電気部品は、住居用洗剤で濡らさないように注意してください。
⑥最後に、住居用洗剤が残らないようによく拭きとってください。
電気カバーの掃除も忘れずに
いかがでしたか。
電気の光に虫が集まってくるのは、虫の習性上仕方のないことかもしれません。
しかし、電気カバーの中に虫が入るのは不快ですよね。
是非、今回ご紹介した対策方法を実践してみてください。
また、照明器具本体と電気カバーを掃除するだけでも、見ちがえるほど部屋が明るくなります。
掃除しにくい場所ですが、定期的なお手入れは必要です。
今度のお休みの日に、掃除してみてはいかがですか。