窓の隙間から入り込む冷気は、思っている以上に部屋を冷やします。
かといって隙間を埋める、窓を取り換えるなどの作業には、かなりのリフォームコストがかかり、及び腰になっている方も多いことでしょう。
この記事では、冷気を簡単に遮断し、室内温度を快適に保つパネルを使った防寒方法をご紹介します。
窓の防寒対策!どのくらい必要?
住む地域によって多少の差はあるとはいえ、大抵の地域では冬の朝晩の窓周りの冷気が悩みの種となり、何かしらの防寒対策が必要になります。
寒冷地や、冬の冷え込みが特に厳しい地域では、窓からの冷気の侵入が夜の眠りを妨げるほど強くなります。
特に、冷気の侵入が厳しいのがキッチン周りの窓からです。
キッチンの窓は大抵、換気や採光がしやすく作られているため、冬場の冷気も侵入しやすくなります。
早朝や夜に台所に立つ方々は特に、手頃な防寒方法をお探しのことと思いますし、キッチンは家族団らんの場でもありますので、防寒対策の優先度も上がります。
仮に、冬場だけの問題だとしても、窓からの冷気侵入はかなり厳しいので、暖房費にも影響が出ます。
とは言っても、二重サッシにするなど、窓そのものを改造することはコストの面でも時間の面でもなかなか思い切れない分野です。
家が賃貸であれば、そもそも窓に施せる対策が限られてしまいます。
そこで、今回はパネルを使った防寒対策をご紹介します。
防寒のためにパネルをどう使うのか、どんなパネルが使えるのか、パネルでどれほどの防寒対策ができるのかなどをご紹介します。
窓からの冷気をパネルで遮断!防寒パネルの種類
防寒対策としてよく用いられる、窓のための防寒パネルの多くは、簡単に言えばプラスチック製の薄い板です。
「窓用防寒パネル」として窓専用に売られているものもありますし、同様の効果を狙って、パネルを自作することも可能です。
一般によく用いられるものを以下に挙げます。
・スタイロフォーム
これは、発泡スチロールのようなものですが、厚さや長さ、幅が色々と選べます。
・プラスチックダンボール
これは、薄い二枚の層の間に空間ができるように、縦溝がたくさん走っているものです。
構造は紙ダンボールと同じですが、プラスチック素材のため、湿気のある浴室やキッチンに適しています。
・ポリカーボネートダンボール
プラスチックダンボールよりも、さらに高級な素材を使ったダンボールがこちらです。
効果や耐久性が向上する一方、材料費もかさみます。
この他には、例えば梱包緩衝材(いわゆるプチプチ)なども、窓の防寒に用いられます。
これらは一例ですが、どれも防寒パネルの材料となるもので、ホームセンターなどに行けば購入が可能です。
窓のパネル防寒!DIYする前に知っておくこと
先ほどもご紹介したように、ホームセンターや通販サイトなどでは、防寒アイテムが各種販売されています。
ほとんどの商品が、個人で簡単に施工できるような作りになっており、わかりやすい説明もついています。
ここでは、これまでにご紹介したような材料を購入し、DIYで窓のパネル防寒をする上で考えておきたいことをご紹介します。
DIY方法そのものは、用意したパネルを貼り付けて窓を塞ぐだけなので難しくありません。
問題は、窓の形状や家の環境に合わせていくらか工夫が必要になる点です。
例えば、窓を完全に塞いでしまうのか、それとも窓にパネルを張りつつも、窓の開閉はできるようにしておくのかを決める必要があります。
防寒対策が必要になる外部からの冷気の多くは、窓の下部から侵入してきます。
そのため、窓の下半分のみを覆い、尚且つ窓の開閉も可能にしておくという選択肢もあります。
貼り付けには両面テープを使うのが一般的ですが、寒い季節は特に、窓の結露でテープが剥がれてしまうことも考える必要があります。
その為、結露防止シートなどを窓の下部に貼り、その上から防寒パネルを貼るという二重対策をするのも一つの方法です。
また、このDIYをする上で是非覚えておきたいのが、防寒の仕組みです。
保温、断熱効果は、パネルと窓の隙間にある空気が生み出すということです。
このDIYのために選ばれている材料は、パネルそのものの中に空気層を生む構造なので、それだけでも防寒効果があります。
それでも、パネルは窓に直接貼るよりも窓のサッシ部分に貼る方が、空気層ができてより一層の保温効果を期待できます。
パネルでのDIY防寒対策!
実際に窓の防寒対策をパネルで行う場合には、市販の防寒アイテムのアイディアを参考にすることができます。
例えば、上でも少し触れましたが、貼り付け時のテープの剥がれ問題には、結露防止シールや吸水シールなどを貼ることで対策できます。
しかし、貼り付けの際に工夫したいもう一つの点として、剥がす時のことを考えて貼るということがあります。
あまりにも強力なテープを使うと、剥がす時に大変になるだけでなく、跡が残って汚くなるかもしれません。
特に、夏場と冬場の気温差があり、窓の防寒対策を季節限定で行う方、あるいは賃貸で現状復帰が求められる方は、剥がす時のことも考えて施工してください。
この点は、市販テープの中に、剥がしやすさを考慮して作られたものがありますので、そういったものを選択肢に入れることをお勧めします。
テープの問題、窓の開閉の問題などを考えた時、パネルを窓に貼るのではなく、窓の前に立てるという方法もあります。
実際、窓の防寒対策をしようとして市販品を探すと、窓の前にパネルを立てて外気を防ぐタイプのものが多く見つかります。
この方法でDIYをする場合に活かされるのが、すでにご紹介した材料パネルの中の「スタイロフォーム」です。
これは、パネルの厚みを選ぶことができますので、薄いものを選んで窓に貼ることもできますし、厚いものを選んで窓の前に自立させることもできます。
立てることを前提に厚手のスタイロフォームを買いに行く際には、購入先のホームセンターでカットを依頼しましょう。
窓の内側の壁ぴったりの寸法にカットしてもらえば、隙間風の遮断率も、倒れにくさも向上し、より保温効果が上がります。
パネルでのDIY防寒対策!もう一手間編
窓の防寒対策をパネルで行うと、どうしても美観が損なわれてしまいます。
それでも、「とにかく寒さを軽減させたい」という方は、パネルを貼り付けて保温効果を得るだけで満足されることでしょう。
しかし、最近は市販のDIY応援アイテムの中に、防寒をパネルで、しかも美しく行えるものが売り出されています。
例えば、レールになる木枠が市販されていますので、これを上下左右合わせて4点購入し、窓の内側に取り付ければ、簡単に内窓の窓枠を作れます。
窓枠は木のものも、プラスチックのものもあり、どちらも自宅で窓の寸法に合わせてカットするだけです。
内窓枠を製作したら、プラスチックダンボールやポリカーボネートダンボールをその枠にはめ込むだけです。
窓枠のレールには上用と下用があり、上側のレールは溝が深く、下側のレールは溝が浅くなっています。
この他に、一枚もののパネルをはめて、窓を完全に塞ぐのも一つの選択肢です。
あるいは、レールを二列にして、はめ込むパネルも二枚用意し、内窓のパネルも開閉可能にすることも可能です。
どちらの方法にするにしても、ある程度大きめのホームセンターであれば、このDIYに必要な材料が販売されていることでしょう。
パネルのカラーも豊富で、クリアーのものもありますので、少し手間をかけるだけで美観を損なわずに防寒対策ができます。
窓をパネルで防寒!実際の効果は?
窓の防寒をパネルで行なっている方は随分いらっしゃるようで、ネット上でも高評価が多く見受けられます。
また、「ただプチプチを窓に貼り付けただけでも、暖房の設定温度が変わった」という意見もあります。
プラスチック、ポリカなどのパネルを貼り付けた方も効果を実感できているようです。
その証拠に、多くの方が何シーズンかに渡り、繰り返しパネルでの防寒対策を行なっています。
ここからも分かりますが、防寒効果を持続させたりカビの予防をするためには、一度施工した防寒パネルも定期的な交換が必要です。
内窓をDIYした方々は、より効果を体感されているようなので、パネルでの防寒は手間を惜しまないことが効果を得る秘訣と言えるでしょう。
そして、複数の方法を合わせて施工すればより一層、効果を得られます。
しかも、全て合わせて行っても、それほどコストがかさむわけではありません。
具体的には、窓自体にパネルを貼り、内窓も製作してそこにもパネルを入れ、さらにその内側にスタイロフォームを立てることで、かなりの効果が期待できます。
さらにここに、カーテンでの防寒対策も合わせれば、対策を何もしなかった時よりも室内の快適さがかなり変わることでしょう。
窓の防寒はパネルDIYでかなり解決可能!
窓の問題は生活に直結するものですが、二重窓や二重サッシにするには大掛かりな工事やコストが必要になり、賃貸住宅であればそもそもその選択肢がないことも多いでしょう。
しかし、ここで取り上げたパネルでのDIY防寒対策は、どんなお住まいにも施工可能で、しかもそれほど難しくもありません。
市販品を使ったり、ホームセンターのスタッフの助けを借りれば、より一層手軽に施工可能です。
少しの手間をかけて、より快適な室内環境をお楽しみください。