賃貸物件の中に、「メゾネット」というタイプの住宅があります。
メゾネット住宅はその多くが木造や軽量鉄骨造のため音が響きやすく、騒音問題に気をつかわなくてはなりません。
そのため、子育て世帯には不向きな住宅とも言われています。
ここでは、メゾネット住宅のメリットやデメリット、メゾネット住宅に引っ越す場合に事前にチェックしておきたいことについてお話をしていきます。
木造や軽量鉄骨造であることが多い「メゾネット住宅」とは?
そもそも、メゾネット住宅とはどのような間取りの物件のことを言うのでしょうか。
よくある賃貸物件の間取りとは大きく異なる点が、一つの部屋を一階と二階に分けて、その間に階段を設けて移動するというものです。
つまり、二階建ての一軒家のような感覚ですね。
ロフト付きの部屋と違いがないようにも思いますが、ロフトの天井高は建築基準法によって定められている210㎝以上の高さがなく、窓に関しても部屋の面積の1/7以上という条件を満たしていません。
そのため、ロフト部分は「部屋」とみなされないので、メゾネットとは異なるのです。
メゾネット住宅は木造や軽量鉄骨で造られていることが多く、鉄筋コンクリート造の物件と比較すると音が響きやすいという点があります。
そのため、子育て世帯にはあまり向かないと言われているのです。
それでは、メゾネット住宅のメリットとデメリットについて詳しくお話ししていきましょう。
メゾネット住宅のメリット:一軒家のような感覚と急な来客に対応可
メゾネット住宅のメリットで一番に挙げられるのは、一軒家のような感覚を持てるという点でしょう。
一般的なアパートやマンションなどの賃貸住宅は平面で移動するため、メゾネット住宅のように家の中を階段で昇り降りすることがありません。
そのため、集合住宅に住みながら一軒家のような感覚を持ちたい人に好まれる傾向にあります。
さらに、メゾネット住宅ではデザイン重視のおしゃれな物件が多いことも特長の一つです。
メゾネット住宅のメリットは他にもあります。
それは、急な来客に対応しやすいという点です。
一般的な物件であると、突然の来客を散らかったままの部屋に通すこともあるでしょう。
しかし、メゾネット住宅は一階と二階に分かれているので、突然の来客にも対応しやすいのです。
もともと、一階部分は来客用、二階部分はプライベート用などと分けておき、普段から一階部分のみ特に気をつけて掃除をしていれば、突然の来客に慌てることもありません。
特に、子育て世帯であると部屋の中が散らかっているのは日常茶飯事ですから、これは嬉しいポイントですよね。
しかし、メゾネット住宅にはデメリットもあります。
メゾネット住宅のデメリットには、一番最初にお伝えしたように木造や軽量鉄骨造が多いため、騒音問題があります。
それでは、次項よりメゾネット住宅のデメリットについてお話ししていきましょう。
メゾネット住宅のデメリット:騒音と移動の不便さ
これまでお話ししている通り、メゾネット住宅のデメリットには騒音問題があります。
メゾネット住宅の多くは木造や軽量鉄骨造なので、音が響きやすいためです。
そのため、生活音が漏れやすく、いろいろな騒音を出してしまいがちな子育て世帯には不向きとも言われているのです。
集合住宅の騒音問題にありがちな足音だけではなく、階段を昇り降りする音や排水音までも響きやすいのです。
反対に、隣のお宅から生活音が聞こえてくることももちろんあります。
隣のお宅の方があまり音に関して気にしないような人であれば、ストレスを抱える原因ともなります。
その他には、メゾネット住宅では階段を昇り降りして移動するので、小さなお子さんがいるご家庭ではその階段でケガをしてしまうことも考えられます。
お子さんがまだ赤ちゃんであると、一階で家事をしていても、二階で寝ていたはずの赤ちゃんが泣き始めるとその都度二階に上がらなくてはならなくなるというのもデメリットの一つでしょう。
このように、メゾネット住宅にはメリット・デメリットともにあるので、どの点を重視するかでメゾネット住宅に住むかを決断するといいでしょう。
騒音が気になるなら木造や軽量鉄骨造は選択肢から外すべき!
メゾネット住宅のデメリットの一つは騒音問題ですが、それでもどうしてもメゾネット住宅に住みたいということであれば、木造や軽量鉄骨造の物件は避けるようにしましょう。
これまでお話ししている通り、木造や軽量鉄骨造の物件は音が響きやすいためです。
そのため、特に小さなお子さんがいるご家庭ではお隣のお宅に迷惑を掛ける可能性があるので、鉄筋コンクリート造のメゾネット住宅を選んでください。
もともとメゾネット住宅自体の戸数が少ないので、そこから鉄筋コンクリート造の物件を探すのは大変かもしれません。
しかし、住んでみてから隣人と騒音問題が発生し、結局引っ越しをせざるをえなくなったという事態は避けたいものです。
最初が肝心ですから、どうしてもメゾネット住宅に憧れのある人は根気よく鉄筋コンクリート造の物件を探すようにしましょう。
木造の物件しかない!その場合は「間取り」を事前にチェック!
そうは言っても、なかなか希望の立地に鉄筋コンクリート造のメゾネット住宅を見つけることは難しいかもしれません。
どう探しても希望の場所付近に鉄筋コンクリート造の物件がなく、木造や軽量鉄骨造の物件しかないということであれば、その物件の「間取り」を事前にチェックしておくようにしましょう。
不動産屋さんにお願いすれば、希望の部屋の隣のお宅の間取りを見せていただくことができるでしょう。
隣人との騒音問題は、主に生活音です。
生活音が出やすい水回りに関しては、左右反転した間取りが音が響きにくいと言われています。
ですから、どうしても木造や軽量鉄骨造の物件しかないというのなら、音が響きにくい左右反転した物件を探すといいでしょう。
騒音が気になるメゾネット物件は昼夜二回チェック!
メゾネット住宅に住みたいということであれば、事前に物件の内見をしておくことが肝心です。
これまでお話ししてきた通り、特に木造や軽量鉄骨造のメゾネット住宅では騒音問題が気になる点です。
そのため、隣にはどのような方が住んでいるのか前もって確認しておくことをおすすめします。
その際には、昼間と夜間二回見に行くとより物件の状況が分かりやすいでしょう。
昼間は仕事で不在にしていたとしても、夜には帰宅しているかもしれません。
そうすると、どれぐらいの生活音が響いてくるか隣人が出す騒音について引っ越す前に確認することができます。
さらに、特にお子さんがいるご家庭では近隣にはどのような方々がお住まいなのか、チェックしておくといいです。
自分や自分の家族の身を守ることが何よりも重要ですから、どのような人物が出入りしているか知っておくとより安心です。
また、物件だけではなく周辺環境もあわせてチェックしておくとよりいいでしょう。
引っ越しには時間や労力だけではなくお金もたくさんかかりますから、すべて納得したうえで契約したいものです。
木造や軽量鉄骨造のメゾネット住宅は騒音に注意
おしゃれな物件が多く、一度は住んでみたいメゾネット住宅ですが、木造や軽量鉄骨造であると隣人と騒音トラブルが起きやすくもあります。
そのため、メゾネット住宅に引っ越したいというのであれば、事前に間取りや隣人についてチェックしておくことをおすすめします。
メゾネット住宅に引っ越したいのであれば、事前に調べられることはしっかりチェックして、後悔のないようにしてくださいね。