アパートのエアコンは誰のもの?故障したら誰が修理する?

真夏に急にエアコンが故障したら、とにかく早く修理して部屋を涼しくしたいですね。

例えばエアコンが備え付けの場合、自分の判断ですぐに修理業者を手配していいのでしょうか?

例えばエアコンが水漏れして、自分のテレビやパソコンが水に濡れたらどうしたらいいのでしょうか?

アパートのエアコンについて、故障した時や対処方法について検証してみます。

アパートについているエアコンは誰のもの?

最近は、あらかじめアパートにエアコンを備え付けている所も多くなっています。

いまや、エアコンは生活に欠かせない必需品です。

アパートに備え付けてあるエアコンは、基本的には設備です。

普通に使用をしていて故障した場合は、大家さんに修繕義務や交換義務が発生します。

ただし、時々前の入居者がエアコンをそのまま置いているケースがあります。

契約書に、「エアコンは、前の入居者が置いていっているので設備ではないから、修理等は入居者負担です。」と謳っている部屋もあります。

この場合は、次に住んだ方が修理、交換義務を負います。

それが嫌であれば、お部屋に住む際、エアコンを撤去してもらわないといけません。

エアコンが故障して初めて、エアコンが設備ではないと気付くケースもあるようです。

賃貸借契約書や重要事項説明書に、「前の入居者が置いて行ったもので修理、交換は入居者がする。」と書いていなければ、いくら大家さんが修理しないと言っても修理義務は大家さん側にあります。

それでも大家さんが修理に応じなかった場合は、大家さんにその旨をしっかりと確認し、修理をしてもらうまで粘り強く交渉しましょう。

エアコンの掃除やメンテナンスは誰がする?

アパートのエアコンが設備だからと言って、入居者は掃除やメンテナンスなど何もしなくていいのでしょうか?

アパートの入居者には「善管注意義務」という義務があります。

これは、「善良なる管理者が注意義務を負う」事です。

簡単に言えば、「部屋を貸すんだからきちんと管理して故障しないように使ってね」という意味です。

例えば、フィルターがホコリで目詰まりを起こし、水漏れが発生したとなれば、入居者側の責任を問われてきます。

設備でも常に故障しないように注意して使わないと、普段のメンテナンスを怠った為に起こった故障は、入居者も責任を負いますので注意して下さい。

また、普段の掃除を怠り、フィルターにホコリが溜まった状態で使用すると、熱効率も落ち、エアコンの効きが悪くなりますので、電気代に響いてくることになります。

普段から掃除などのメンテナンスは常に意識しておきましょう。

掃除の方法としては清掃業者に分解洗浄を依頼することも出来ますが、そこまでしなくても市販の洗浄スプレーで洗浄や、年に1回ほどフィルターを掃除するだけで大きく変わります。

故障などのトラブルを事前に防ぐように意識して行動する事が大事です。

アパートについているエアコンの故障原因は?

エアコンの故障にはどのような原因があるでしょうか?

アパートのエアコントラブルで多いのは、ドレンホースの目詰まりが原因の水漏れです。

エアコンにはドレンホースというのが室外にあります。

これは、エアコンを作動中に発生した排水を室外に流すものです。

ここに虫が入る等の原因で目詰まりを起こし、排水が逆流し室内に入ってくることがあるのです。

この場合は、ドレンホース内の異物を撤去する事で解決します。

他にも、室外機周りに荷物を置き過ぎていたためエアコンが冷えない、というトラブルも多いです。

エアコンを使用した際に室外機が動きますが、室外機は、室内の熱気を室外に出す働きをしています。

室外機周りに荷物を多く置いてあると、障害となって熱気を出し切れないことがある為、非常に冷えにくくなり故障と勘違いしてしまうようです。

この場合は、室外機周りの荷物を整理してもらえば解決します。

また、リモコンの電池切れも比較的多いようです。

リモコンの液晶が付いていなければ、故障ではなく、電池を入れ替えるだけで簡単に解決します。

最近のエアコンは、リモコンにエラーコードが表示したり、電源ランプが点滅をしたりして故障を知らせてくれます。

表示されたエラーコードを大家さんや管理会社に伝えれば、その後の修理が比較的早く進むので必ず伝えるようにしましょう。

エアコンが故障した時の対処方法

エアコンが故障しているかなと感じた時に、どのような対処を行えば良いかを考えてみましょう。

「急に作動しなくなった」、「動いているけど効かない」と感じたらまずカバーを外してみてください。

応急運転というスイッチがありますので、そちらを押して下さい。

応急運転を行い問題がない場合は、エアコンの故障ではなく別の原因が考えられます。

先程も述べました室外機周りに荷物を置きすぎているやリモコンの電池切れなどの外的要因です。

このケースは、電池の確認や室外機の確認などで問題は解決します。

次に、応急運転した際にも異常が出た場合の対処方法について考えてみましょう。

この場合は早急に、大家さんか管理会社に電話連絡をして、修理の手配をお願いしましょう。

アパートのエアコン設備は大家さん側に修繕義務が発生しますので、自分でメーカーや修理業者を手配しないようにしましょう。

修理や交換費用は誰が払う?

アパートのエアコンが故障した場合、基本的には設備の場合は大家さん側に修理義務があります。

そのため、故障を感じても自分で修理業者に手配せずに、管理会社か大家さんに連絡して下さい。

交換や修理の判断を下すのは持ち主ですので、年数がたっているから勝手に交換したりすると思わぬトラブルが発生する事も考えられます。

まずは、大家さんや管理会社に連絡して指示を待ちましょう。

ただし、前にも述べましたが、設備とはいえエアコンの場合は入居者が掃除などのメンテナンスを怠った為に調子がおかしくなることもあります。

この場合は、入居者が「善管注意義務」を怠ったとして、修理費用等を請求されるケースも考えられます。

掃除などのメンテナンスはしっかりと行って、故障があっても責任を問われないようにしておく事が大事です。

アパートのエアコンが故障したから家賃減額は通る?

アパートのエアコン設備が故障してすぐに連絡したのですが、メーカーが動けない等の外的理由が原因で修理までに2~3日を要したと仮定します。

この場合、修理が遅すぎるという事で「使えなかった月の家賃を1か月分減額しろ」という要求を大家さんにした場合、それは通るのでしょうか。

現行の民法では「物件の一部が使用できなくなった場合賃借人に責任がなければ賃料減額の請求ができる」となっています。

つまり、あくまでも「賃料減額の請求ができる」ということだけで、その要求が通るとは限らないということですね。

しかし、2020年3月より民法が改正され、この「賃料減額の請求ができる」が「減額できる」に変わります。

したがって、今後は減額の対象になるということです。

では、どの程度の減額幅になるのでしょうか?

日本賃貸住宅管理協会が示している目安としては、免責期間は3日で1か月壊れっぱなしだったとすると、5,000円程度の減額は出来るとされています。

例えば、5日間故障を修理できなかったら、5日-3日=2日分が家賃減額対象となり、1日当たり160円が減額の目安ですので、2日分で320円が目安となります。

エアコンの故障被害を最小限に抑えるために

入居者はアパートについているエアコンは設備か否か、契約前にしっかりと認識しておく事がまず大事です。

また、年に一回は掃除を行う、室外機周りに余計な物を置かない等、入居者としてやるべきことはきちんとやりましょう。

快適な住環境をつくる為には大家さんだけではなく入居者の協力も必要です。

故障した場合も、慌てずに協力して対処していきましょう。