非常ベルの誤作動はいろいろな人に迷惑がかかってしまいますよね。
アパートやマンションで鳴ったなら、そこにお住いの人達、管理会社、大家さん、そして駆け付けた消防隊やメンテナンス会社の人などです。
なぜ、非常ベルの誤作動が起きてしまうのでしょうか。
その原因と、交換・修理をめぐる分譲マンションでのトラブルの可能性についてもお伝えします。
非常ベルが鳴ったら?誤作動でも避難する意識を
非常ベルが鳴るのを聞いたことがあるでしょうか。
もしかしたら、ご近所で鳴っているのを聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
非常ベルは危険を知らせる大切なものですが、誤作動が原因であっても、できることなら身近な場所で鳴って欲しくはありませんよね。
もし、お住いのアパートやマンションで非常ベルが鳴ったら、どのような行動をとるでしょうか。
もちろん、すぐに出火しているか確認し、避難するべく用意しなければならない、というのは常識です。
しかし、本当にそんな模範的な行動がとれるでしょうか。
政府の調査によると、Jアラートで実際に避難した人は5%程度だったようです。
これは、12道県の5000人を対象にして、インターネットで調査した結果です。
「避難するほど意味がない」、「どこに避難するか分からない」といったことが理由のようですが、そもそも、平和に慣れた日本人にとって、急に命の危険に向き合うというのは難しいことなのでしょう。
これは、非常ベルでも同じことが言えます。
煙もあがらず、他に避難している人もいない場合に、荷物を持って率先して避難する、という人は少ないのが現実かもしれません。
非常ベルの誤作動の原因
非常ベルは、誤作動で鳴ってしまうということも多いようです。
非常ベルが鳴っていても避難しないという人の中には、今まで何度か誤作動する現場に居合わせたことがある、という人もいるかもしれません。
非常ベルの誤作動には、いろいろな原因があります。
料理していて、ガスコンロから目を離してしまったり、魚を焼いたりして煙を感知してしまったり、感知器に何かがぶつかったりすることも誤作動を引き起こします。
他にも、漏水や気温・湿度、虫の侵入なども原因になります。
小さな隙間から虫が入ってしまい、非常ベルが鳴ってしまうということが実際に起きています。
そして、迷惑なことにイタズラも多いのです。
一番イタズラしがちなのは、やはり子供ですが、大人でも分別をわきまえない人が押してしまったりします。
誤作動かと思ったら!原因はいたずら
大きなビルやマンションで誤作動が起きると、けたたましい音量のベルが鳴り響き、うるさくて困りますよね。
もし、誤作動だったとしても、消防隊の仕事として、原因を確認しなければいけません。
たとえ夜遅くても、原因特定のためにどこかの部屋の鍵を開けたり、他の場所を確認したりします。
大家さんや管理会社はそれに協力しなければいけません。
寝ている時にたたき起こされて、現場マンションやアパートに向かい、結果誤作動だったというのでは、げんなりしてしまいますよね。
しかも、原因は誰かのいたずらだったというのでは、ものすごいストレスです。
あるマンションでは、幼稚園の子供が一日に4回も非常ベルを押してしまったようです。
好奇心が強く怖いもの知らずな性格の子に限りますが、いろんなイタズラを考えるものです。
イタズラの犯人に悪意があるならともかく、他人の子供では罰することもできませんし、怒りをぶつけるのも難しいですよね。
何度も注意したり、親にしっかり見てもらうようにお願いするしかありません。
分譲マンションでのトラブル例!原因は自分?
非常ベルの誤作動の原因はご理解していただけたでしょうか。
ここからは、賃貸アパートやマンションではなく、分譲マンションで非常ベルの誤作動が多い場合の対処について考えていきましょう。
分譲マンションでも、非常ベルの設置がある場合もあり、何度も誤作動が続けば点検・確認し、必要があれば交換しなければなりません。
一般的に非常ベルの交換費用は一つ40,000円弱で済みます。
しかし、タイプによってはもっと高いものや、交換しなければならないものも数が多かった、というケースもあります。
しかし、分譲マンションに住んでいる人は知らないことも多く、交換してもいいか悩む、というケースもあります。
また、誤作動があっても対処されないことにストレスを感じ、勝手に非常ベルの交換や修理を行ってしまうということもあるようです。
これは、親切心でしたことだとしても、後々問題になってしまいます。
分譲マンションの非常ベルは「共用のもの」ですので、管理組合で決めなければならない問題です。
もし、こうした勝手な工事が許されてしまうと、他の人も独断で内装工事したりして高額な請求書を管理組合に提出する、ということが起こる可能性があります。
非常ベルの交換トラブルを防ごう!連絡・相談・報告
分譲マンションで、故障が原因の誤作動の多い非常ベルがあったとしても、誰にも相談せず交換することは問題になる、ということが分かりましたね。
ですが、「工事の当日に業者が管理組合などに話を通すものだ」と思い込んでいる場合もあります。
こうした場合、工事後に管理会社の調べで確かに交換の必要があると認められ、工事した人にも悪気はなかったということが分かれば、工事費用の一部を組合で負担してくれるかもしれません。
また、管理組合で、工事するという方向で話が進んでいたとしても、きちんと費用の見積もりをとっておいて、それも報告しておく必要があります。
運悪くいいかげんな業者に依頼すると、工事費用を高額請求されたり、必要ない修理までされることも考えられます。
工事業者のほうも分譲マンションのお金の流れを理解していなかったり、依頼人の無知を利用しようとしたりして、「管理側も了解している」となんてことを言って工事してしまう業者もあります。
そして、後で請求書を管理組合に見せたときに、こんなに払うはずはない、と言われてしまい、責任を問われてしまうこともあるのです。
分譲マンションは、共用部はあるとは言え、自分の家に近い感覚で住んでいる人も多いと思います。
ですが、こうしたトラブルが起きないように、共用部分・共用のものの問題についてはきちんと連絡・相談・報告に気を配りましょう。
非常ベルと同じくらい大切!火災保険
非常ベルの誤作動の原因や、それによって起こるトラブルなどについてお話してきました。
最後に、火災保険のご説明をします。
先ほど触れましたので、ここでは分譲マンションの火災保険で必要な補償などについてお伝えします。
分譲マンションなどの場合、火災保険の対象になるのは専有部分と共用部分です。
共用部分は管理組合で管理し、火災保険に加入しているケースが多いことでしょう。
しかし、できれば任せきりにはせず、どのような火災保険に加入しているのか確認したいものです。
また、専有部分において火災保険に加入する際には、どこからどこまでが補償されるのか確認しましょう。
マンションの管理規約に専有部分の範囲について記載があるかと思います。
もし、あいまいな状態で保険契約すると、無駄なお金を支払わなければならないことになるかもしれませんのでご注意ください。
非常ベルの誤作動の原因はさまざま
非常ベルの誤作動の原因は、料理中の熱や煙の感知、湿度、虫、イタズラなどさまざまです。
そして、意外に誤作動することは多いのです。
分譲マンションで、自分の専有部分が原因で非常ベルの誤作動が起きてしまうとしても、交換・修理は本来、管理組合が負担するものです。
勝手に行ってしまって後で請求しても、全額支払ってくれることは考えにくいでしょう。
十分、ご注意ください。