ロフトに布団を敷いて寝る場合、すのこを敷いてからが鉄則!

ワンルームにロフトが付いていると、1DKのようで少し得した気分になりますよね。

例えば、ロフトは荷物を置く収納スペースにもなるし、横になれる広さがあれば、ベッドルームとしても使えます。

そんな人気のロフトに布団を敷いて寝る場合、ある理由ですのこを敷いた方がよいなどと言われますが、それはなぜなのでしょう。

もともとすのこは押し入れの布団収納などに使われるもの

すのこというと、一般的には押し入れなどに布団をしまう場合、下に敷いて使うものではないでしょうか。

押し入れは湿気がこもりやすく、布団を直置きして閉め切っていたりすると、布団や床にカビが生えてしまう恐れがあります。

そこで、すのこを置いて布団を収納することで、押し入れの床と布団の間に空間を作り、風通しをよくするなどして、カビを防ぐわけです。

また、すのこと合わせて湿気取り剤などを置いたり、定期的に押し入れの戸を開放したり、布団を天日に干したりもしなければなりません。

このように、押し入れは何かと湿気がこもりやすい場所ですが、実はロフトも、あまり条件の良い場所とは言えません。

なぜなら、ロフトは部屋の高い位置にあるため、室内でもっとも室温が上がりやすいからです。

例えば冬に暖房を入れると、部屋の上部は比較的温まりやすいですが、足元は冷たいままだったりしますよね。

つまり、暖められた空気は高いところに溜まる性質があるため、冬でも夏でも、ロフトは1階のスペースと比較して、暖かいのです。

また、部屋の窓がロフトより低い位置にある場合、ロフトには日も当たらなければ、風も当たりません。

つまり、ロフトは常に高温多湿の暗所というわけです。

押し入れのカビ対策などに有効なすのこはロフトにも使える

カビの発育に必要な条件は、温度、湿度、栄養素、酸素です。

酸素は空気中にあるものなので、室内のどこであっても条件はほぼ同じでしょう。

ただ、温度、湿度に関しては、先に述べた理由から、ロフトはカビにとって住みよい場所と言えますね。

それだけでなく、掃除がしにくいロフトは、実はカビやダニなどの栄養分となるホコリが溜まりやすい場所でもあります。

つまりロフトは、カビの繁殖に適した4条件を完璧に満たしていると言っても過言ではありません。

一方、そこに敷く布団の方はどうでしょうか。

人は、眠りにつくと汗をかきます。

この汗は、脳と体を休めるため、深い睡眠に入るときの人間の正常な生理的反応で、平均すると毎日コップ1杯分は寝汗をかいていると言います。

そして、そのうちのいくらかは蒸発するのですが、大半は布団に吸い込まれています。

実際ある実験では、熟睡した後の布団は、寝る前と比べて2㎏も重くなっているという驚くべき結果が出たそうです。

その湿気た布団を、カビの繁殖条件の揃ったロフトに敷くということは、ある意味カビの生育を助長しているようなものですね。

そこで、ロフトをカビだらけにしないためにも、布団を敷く前には、すのこを置いて通気性を確保すべきであると言われているのです。

ヒノキのすのこの優れた点はカビ対策だけではない

すのこはホームセンターなどで簡単に手に入ります。

サイズは幅30センチくらいから180センチくらいまであり、いろいろな用途に利用できます。

例えば、押し入れだけでなくクローゼットにも利用できますし、ベランダや物干しに設置することもあります。

また、風呂場や脱衣所など、足元が濡れる場所でもよく使うものですね。

このすのこの素材は、ヒノキの間伐材が使用されていることが多く、実は強度や耐火性に優れています。

またヒノキには殺菌力があることから、ダニ、シロアリなどの防虫効果があるとされており、カビの繁殖にも有効です。

その防虫や殺菌の効果は、新築のヒノキ造りの家には、数年間は虫よけの必要がないと言われているほどです。

また、木材には調湿効果があり、カビだけでなく、結露まで防いでくれます。

そして、何といってもヒノキの香りにはリフレッシュやリラックス効果のあるフィトンチッドという成分が含まれており、寝具にはもってこいですね。

このような、良いことづくめのヒノキのすのこは、価格はサイズにもよりますが、1つ数百円から千円前後で手に入ります。

ただ、ロフトにシングルサイズの布団を敷くのなら、100センチ×200センチ程度の大きさが必要なので、適当なものを組み合わせる必要がありますね。

ロフトには便利なすのこマットに布団がおすすめ

ロフトですのこを使用すると良い理由をお伝えしてきましたが、汎用のすのこではなく、もともと布団用に作られている便利なすのこマットを購入するという方法もあります。

すのこマットは、幅100センチ程度で長さが200センチの二つ折りタイプが主流ですが、中にはロール式でくるくる巻くこともできるものもあります。

ロフトへの持ち運びや掃除の時のことを考えると、ロール式は便利そうですね。

そして二つ折りは、真ん中で山折りにして固定すると、布団を掛けて干すことも可能です。

このように便利なすのこマットですが、汎用のすのこと比較すると、価格が急に上がります。

普通のすのこを数枚買っても数千円ですが、すのこマットは安くても1万数千円程度します。

そこで、予算と使い勝手を比較して、検討されるのがよいでしょう。

ただ、すのこやすのこマットを使用したからと言って、カビがまったく生えないというわけではありません。

ロフトはもともと高温多湿で風通しが悪い場所です。

やはりすのこの上と言えども、万年床では、そのうちカビも生えてくるでしょう。

そこで、できるだけ布団をこまめに上げ、すのこと共に天日干しし、掃除機を持って上がって掃除をすることも大切です。

こまめな掃除や布団干しでロフトの欠点は解消できる

このように、日頃の手入れのことを考えると、ロフトにはベッドよりも布団の方が適していると言えるでしょう。

そもそも、ベッドを持って上がることが大変ですし、ベッドを組んでしまうと、掃除がしにくくなります。

また、半2階なので天井が低いため、高さのあるベッドだと、どうしても圧迫感を感じてしまいますね。

そこで、高さ数センチのすのこやすのこマットが最適と言える訳です。

また、ベッド用マットレスなどを置くと、重くて動かせないということにもなりかねません。

万年床にしないためにも、すのこマットと床着き感の少ない固綿の布団くらいがちょうどよいと言えます。

そして、掃除のときには布団とすのこマットの両方を上げて、ロフトの床にも風通しをしてあげることが大切です。

掃除の後、しばらく扇風機などで風を当てるのも有効でしょう。

そうすることで、カビの繁殖に適したロフトの欠点を克服して、快適な暮らしを実現できるはずです。

最近のロフト付き物件はロフトの生活環境に配慮した設備も

今回は、ロフトに布団を敷いて寝室として使用する場合に、すのこを置く理由などを解説してきました。

ヒノキのすのこには、高温多湿の日本で暮らす先人の知恵が詰まっていると言えそうですね。

ただ、最近のロフト付きの部屋はおしゃれなだけでなく、ロフトに合わせて高い位置に通風、採光用の窓やエアコンが設置されている物件もあります。

また、天井にシーリングファンが付いていたりする物件もあります。

このような物件であれば、ロフトの欠点もさほど気にすることはないでしょう。

もしこのような設備がなくても、後からロフトを快適な空間にすることも可能です。

最近では、部屋の空気を循環させるための小型のサーキュレーターなども安価で販売しています。

これで上向きの風を起こすことで、部屋を均一の温度にすることができますね。

また、見た目と実用を兼ねて、シーリングファンライトを取り付けるのも有効でしょう。

このように、ちょっとした工夫で、ロフトは快適な居住空間になります。

皆さんにも、ぜひロフトを有効活用して、カビと無縁の快適生活を送っていただきたいと思います。

ちょっとした工夫でロフトを有効活用しよう

ロフトのある部屋に住んでいる人の中には、ロフトは暑いからと言って、ただの不用品置き場にしてしまっている人もいるそうです。

もったいないですね。

しかし、ちょっとした工夫でロフトは快適なベッドルームに変貌するのです。

しかも、家賃はワンルームとさほど違わないため、リビングダイニングと寝室を分けたい人にはお勧めだと思います。

皆さんにも、ロフトをぜひ有効活用していただきたいものです。