株式投資を行ううえで、重要な判断材料ともなるインフレとデフレ。
学生時代に学んだことでもありますが、どちらがどのような状態か覚えていますか?
投資で成功するためには、こういった単語を理解しておくことも大切ですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
この記事では、インフレとデフレの意味と覚え方についてご説明していきます。
また、混乱しやすい円安・円高についても解説しましょう。
インフレ・デフレってどんな意味?
投資をおこなううえで重要な要素の一つに、「景気」があります。
景気は常に一定というわけではなく、「インフレ→好景気→デフレ→不景気」といった流れを繰り返されています。
そしてこの景気が今どの状態かによって、投資するかどうかの判断材料となるのです。
さらに、インフレとデフレの意味を理解していないと、投資どころの問題ではなくなってしまいますから、あやふやに覚えている方も、まずは意味を理解することからはじめましょう。
はじめに、インフレについてご説明します。
インフレとはインフレーションの略で、「物価が上昇し、お金の価値が下がっている状態」のことをいいます。
トマトを1個50円で売っていることを例として考えてみます。
50円という安さにお客さんが次から次へとトマトを買ってしまえば、トマトの在庫がどんどん減っていくことがうかがえますね。
在庫を確保するために、トマトを1個100円に値上げしました。
ここで、お金の価値について考えてみましょう。
はじめは、50円で買えたトマトが、次は50円玉が2枚(つまり100円)でないとトマトを買うことはできません。
このときの状態のことを、「お金の価値が下がった状態」と表すのです。
つまり、お客さんの需要よりも商品の供給が少なくなってしまうと、商品の価値が上がり(物価が上昇)お金の価値が下がるという仕組みです。
反対にデフレは、物価が下落し、お金の価値が上がっている状態を示しています。
考え方もインフレとは逆で、お客さんが買い控えすることで商品は売れなくなり、お店側は少しでも売れるように価格を下げていきます。
このとき、商品に対してのお金の価値は上がるようになるのです。
覚え方についても後程ご説明しますので、頭に入れておくようにしてくださいね。
インフレとデフレが投資で重要な理由
ではなぜ、インフレとデフレが投資を行ううえでは重要になるのでしょうか。
株式投資を行ううえでは、景気と株価が大きく関わってくるのです。
例えば、インフレになれば金利も上昇しはじめ、株価も上昇傾向になります。
そして、好景気を迎えた後はデフレになります。
そうすると、金利は下降していき、あわせて株価も下落していくのです。
ですから、日本経済がどのような状態なのかによって、株価が今後上がるか下がるかも変わりますので、投資を行ううえで重要な要素となるわけです。
好景気を迎えているのも知らずに株式投資してしまえば、その後はしばらく株価も下落傾向にあるので損失になりかねません。
損を増やさないためにも、インフレとデフレの意味をきちんと理解しておくことがやはり重要です。
インフレ・デフレが投資に重要なことがわかったところで、今後忘れないようにインフレとデフレの覚え方の例をご紹介しましょう。
基準を決めよう!インフレとデフレの覚え方
この後もきちんと覚えておくためにも、インフレとデフレの意味を覚えておくことは大切です。
ここでは、インフレとデフレの覚え方の例をご紹介していきます。
例として、基準を決めることをおすすめします。
投資で活用するので、「物価」を基準にしましょう。
ちなみに、インフレとデフレの本来の意味はこちらです。
・インフレ(=インフレーション)…膨張(大きくなっている)
・デフレ(=デフレーション)…収縮(小さくなっている)
景気におけるインフレは「物価は上昇し、お金の価値は下落」で、デフレは「物価は下落し、お金の価値は上昇」でしたね。
当てはめれば、「物価が高くなっている(大きくなっている)=インフレ」で、「物価が安くなっている(小さくなっている)=デフレ」となります。
お金の価値は逆ということも頭に入れておくことも忘れずにしましょう。
あくまでも例ですので、覚えやすいという方は参考にしてください。
投資で重要!円高・円安の覚え方もつかんでおこう
投資で重要となるのは、インフレとデフレだけではありません。
円高・円安も重要な要素の一つです。
こちらも意味と覚え方についてご説明しましょう。
まず、前日が1ドル100円で本日が1ドル110円を例に考えてみます。
この場合、この日は円安になります。
こちらも意味を理解していないと、本日が円高なのか円安なのか把握できなくなってしまいます。
円高・円安は投資においての損益にも影響が出ますから、きちんと理解しておくことが大切です。
単に円の数字が大きくなったから円高というわけではなく、円の価値が上がったか下がったかで判断します。
先ほどの例でみていくと、手持ちの財布の10,000円をドルに両替してみるとわかりやすいかもしれません。
前日ですと、10,000円÷100円=100ドルに両替できますね。
本日の場合は、10,000円÷110円=約90ドルに両替できます。
これを見れば一目瞭然ですが、本日のほうが両替額が少なくなっていますよね。
このとき、円の価値が他国の通貨より下がった状態にいるので、「円安」だといえます。
もし翌日、1ドル90円になれば、10,000円÷90円=約111ドルとなり、円の価値が上がったこと(円高)になります。
つまり、円高は他国通貨よりも円の価値が高くなることをいい、円安は他国通貨よりも円の価値が低くなることをいうのです。
覚え方としては、「他国通貨」より円が高いのか安いのかで判断します。
円高・円安も投資で重要な理由とは?
円高・円安の覚え方についてもお伝えしたところで、なぜこれらも投資で重要なのかをお話ししていきましょう。
なぜ投資で需要な要素になるかというと、円高・円安は海外との輸出入に関わってくるからです。
日本は輸出でも輸入でも外国に頼っているため、円高・円安で経済の流れに左右されやすいのです。
特に輸出産業が強い国なので、円高が進めば経済の流れも大きく変わってきます。
先ほどもお話ししましたとおり、円高は他国通貨よりも円の価値が高くなるため、海外で日本製の商品が売れにくくなります。
自動車など輸出に力をおく産業は特に苦戦を強いられることになりますので、結果日本の景気が悪くなってしまうのです。
景気が悪くなれば、株価も下落傾向に陥ります。
現在の日本の時価総額ランキングのトップはトヨタです。
ほかにも上位に自動車会社は多数ランクインしていますので、日本経済の流れを左右してしまうのは当然なのかもしれません。
ですから、円高・円安は日本経済の流れを変え、景気の良し悪しにもつながりますので、投資においても重要な要素といえるのです。
インフレ・デフレにあわせて、こちらもおさえておきましょう。
覚え方をつかんだら!投資に役立ててみよう
インフレ・デフレ、円高・円安についてお話をしてきました。
ここでは最後に、投資への役立て方をご紹介していきます。
まず、今の日本が円安にあるとします。
円安では他国の通貨が高いため、外国製の商品を買う際、今までよりもお金がかかることになります。
私たちの生活のなかで影響を受けやすいのが、ガソリンです。
車を使うために、多くの自動車はガソリンで動かしますよね。
ガソリンを含めた石油系燃料は、ほぼ海外から輸入しているため、円安状態では仕入れ価格が高くなので、販売価格も高くなってしまうのです。
このとき、物価が上昇していけばインフレ傾向になるので、景気の回復が見込まれます。
そうなれば、今後株価の上昇にもつながってくるので、ここをねらって投資を行うのも手です。
ただし、給与が上がらないまま物価ばかりが上昇すると、財布のひもがまずまず固くなり、経済は収縮し続けます。
そうなれば、景気の回復が遠のいてしまうので、投資しても損をしてしまう可能性もあります。
円安やインフレと一緒に、経済がどのような状況なのかをよく把握したうえで、投資をするのが賢明です。
覚え方の例もご紹介しましたので、これらの要素を今後の投資に役立ててみてくださいね。
まずはインフレ・デフレなどの用語を覚えよう
投資において重要となるインフレ・デフレ、そして円高・円安についてお話をしてきました。
実際は、ほかにも覚えるべきことが投資ではたくさんあるので大変なことが多いでしょう。
しかし、基礎となるこれらの用語を理解しなくては、元も子もありません。
しっかりと理解し、投資にうまく役立てるようにしてください。