最近注目されている投資の一つに、ゴールド投資があります。
これは名前のとおり、金で投資する手法のことをいいます。
この記事では、ゴールド投資の現物取引から金ETFなどの投資方法をご紹介し、それぞれのメリットなどを比較しながらご説明していきましょう。
さらに、金ETFの銘柄もご紹介しますので、ゴールド投資をはじめたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ゴールド投資が注目される理由とは?
資産を形成していくうえで、株式投資や不動産投資を行っている方も多くいるでしょう。
しかし、最近は株や不動産だけでなく、ゴールド投資に注目する方も増加しています。
それではなぜ、ゴールドへの投資が注目されるようになったのでしょうか。
その理由として考えられるのは、大きく2つあります。
1つは、世界経済の情勢です。
ニュースでもよく報道されていますが、日本は長年続いているデフレから抜け出せずにいますよね。
インフレになる懸念もされていますが、その気配は一向に感じられません。
国外でもテロなどが起きていたりと、日本だけでなく世界経済情勢に不安に感じる方が多くいます。
そこで、国際的な安定した資産として「金」が注目されるようになったのが、1つめの理由です。
もう1つは、金自体が実物資産ということが挙げられます。
株式や預貯金などは「紙の資産」とされていて、発行元の企業や国家が安泰していることが前提で投資されています。
ですが、万が一その企業や国家が不信に陥ってしまったら、紙の資産たちは紙くずになってしまう可能性もあるのです。
そのため、あるだけで価値のある金は、世界通貨で唯一の存在感がある資産ともいわれており、投資に注目が集まったことがいえます。
のちほど、金ETFといった投資方法のご紹介や、それぞれの投資方法を比較してみていきます。
その前に、ゴールド投資のリスクについてもみておきましょう。
良いことばかりではない!ゴールド投資のデメリット
世界的にも安定した資産と位置付けられている金。
これに投資をする意味も理解できたかと思います。
しかし、ゴールド投資は良いことばかりというわけではありません。
ゴールド投資を行うにあたってのデメリットについてもお話ししておきましょう。
まずは、金も相場で値動きがあることです。
株式投資と同様で元本保証ではありませんので、注意しておきましょう。
また、もしこのあとお話しするゴールド投資の現物取引という投資方法を行った場合、一番のリスクとして考えられるのは盗難や紛失です。
セキュリティを万全にしておかなくては、盗難に遭う危険性は十分にあります。
紛失でも盗難でも、所有していた金がなくなってしまっては、資産が一気になくなってしまいます。
ですから、現物の金を持つ場合は、高い保管料を払うかもしれませんが、貴金属会社などで保管してもらうのが安心ですね。
もちろん、現物取引以外の金ETFなどの方法でもデメリットはありますよね。
次の項では、反対にメリットを重点として、比較しながらお話をしていきましょう。
メリットなどを比較!ゴールド投資の方法をご紹介
ゴールド投資のメリットやデメリットについてお話をしたところで、実際にどのような投資方法があるのかをご説明していきます。
それぞれにどんなメリットなどがあるのか、比較しながらみていきましょう。
●現物取引
現物取引は「インゴット(主に金の延べ棒)」「金貨」「美術品(記念金貨など)」の3つの方法で金を購入することができます。
つまり、現物である地金(じがね)そのものに投資する方法のことをいいます。
数量は5gから1kgまでと好きな数量の単位で購入可能です。
何が魅力かといえば、どのくらいの資産があるかが目に見えてわかることですよね。
しかし先ほどもお話ししましたが、セキュリティが万全でないと盗難に遭う危険性があるので、厳重に保管しておくことが大切です。
●純金積立
これは、毎月一定の金額で現物の金を購入する投資の方法のことをいいます。
相場が高いときは少なめ、反対に安いときは多めに購入できるので、買いコストを平均化することができることがメリットといえるでしょう。
多くの運用会社では月1000円から積立ができるので、はじめての方には一番オススメといえる方法ですね。
しかし、純金積立は長期投資となることが多いため、短期で行いたいという方には不向きな投資方法かもしれません。
そして、手数料が高額であることがデメリットといえます。
●投資信託
金を採掘する業者などのような、金に関わる企業への株式投資を組み合わせた投資方法です。
証券会社や銀行など多くの金融機関で取扱いがあり、証券会社でなくても購入できるため、手軽に購入できることが魅力でしょう。
ただし、純金積立と同様にこちらも長期投資になるため、短期的に行う方には向いていません。
さらに、投資信託は手数料だけでなく、信託報酬などの諸費用がかかってしまうことがデメリットとなりますね。
そして、もう一つ「金ETF」という投資方法があります。
金ETFとは?どんな投資なの?
先ほど3つの投資方法をご紹介しましたが、ゴールド投資の投資方法には金ETFという投資方法もあります。
まず、ETFというのは、証券会社で購入することのできる上場投資信託のことをいいます。
そのため、金ETFは金の価格に連動した上場投資信託のこと指し、株式と同じように売買することが可能です。
さらに、前の項でお話しした純金積立や投資信託とは違い、手数料などが低いことがメリットとなります。
取引きをする時間も株式と同じなので、株式投資の経験のある方ですと投資しやすいかもしれません。
一方で、金ETFは株式のような利回りがありません。
ですから、いかに安く金を買い、高く売ることができるかが、高い利益を出す秘訣となります。
これができなければ、金ETFで利益を出すことは難しいといえますね。
さらに、証券会社に上場されているのは5銘柄のみですので、選択肢が少ない点もデメリットとなるでしょう。
実際に金ETFにはどんな銘柄があるのかは、次項から比較しながらみていきましょう。
金ETFにはどんな銘柄がある?比較してみてみよう①
先ほどもお話ししましたが、金ETFの銘柄は5種類しかありません。
一つずつみていきましょう。
【ETFS金上場投資信託】
これは、ロンドン地金市場協会(LBMA)の規格に基づき、金地金の現物に投資をし、金の価格との連動を目指す外国籍の金ETFです。
1口あたり13,790円(2018年6月20日終値)で、売買単位は1口から可能です。
信託報酬は年率0.39%とされていて、5銘柄の中で最も低く設定されているので、金ETFに慣れていない方にはオススメの銘柄といえます。
分配金はありません。
【純金上場信託】
これは日本の金先物価格から評価した、金地金の現在の理論価格が連動指標の金ETFのことです。
金現物の裏付けがあるため、金ETFで唯一地金との交換が可能な銘柄です。
1口あたり4,350円(2018年6月22日終値)で、こちらも売買単位は1口からできます。
信託報酬は年率0.432%で、こちらも分配金はありません。
【One ETF 国内金先物】
この銘柄は、東京商品取引所(TOCOM)金先物の期先限月の清算値が連動指標となっているものです。
国内金先物や国内金先物ミニが組入銘柄となっているため、投資に慣れていない方にはわかりにくいでしょう
1口あたり3,820円(2018年6月22日終値)で、売買単位は10口からとなるため38,200円から購入できます。
信託報酬は比較的高い設定で、年率0.486%となります。
分配金は年1回とされていますが、直筋の1口あたりの分配金は0円です。
金ETFにはどんな銘柄がある?比較してみてみよう②
引き続き、金ETFの銘柄をご紹介していきます。
【SPDR ゴールド・シェア受益証券】
円換算した金地金価格(ロンドン金値決め)との連動を目指している金ETFです。
組入銘柄の100%が金のため、初めて投資する方でもわかりやすく、金現物の裏付けがあるのが特徴といえます。
1口あたり13,150円(2018年6月22日終値)で、売買単位は1口から可能です。
信託報酬は年率0.4%で、5銘柄で2番目に低い設定となっています。
分配金は年1回と決められていますが、こちらも直近の1口あたりの分配金は0円です。
【金価格連動型上場投資信託】
この銘柄は、1gあたりの円表示の金価格との連動を目指す金ETFを指します。
ロンドン渡し金価格に、円換算為替レートを乗じて得た額を、1gあたりの価格に換算して算出しています。
1口あたり3,675円(2018年6月22日終値)で、売買単位は10口のため36,750円から購入可能です。
信託報酬は年率0.54%以内で設定され、最も高い設定です。
こちらも分配金は年1回と定めていますが、直近の分配金は0円とされています。
以上までが金ETFの銘柄となります。
これらはネット証券でも購入することができ、口座の開設が多い順で「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」です。
購入する証券会社も比較してみると、それぞれにメリットとデメリットが存在しています。
金ETFだけでなく、自分に合った証券会社を選ぶことも大切なポイントですね。
自分に合う方法でゴールド投資をしてみよう!
ゴールド投資の方法についてお話をし、中でも金ETFは扱っている銘柄についてもご紹介してきました。
初心者にオススメなのは純金積立とご説明もしましたが、デメリットになる点も当然あります。
それぞれの方法、金ETFであれば銘柄や証券会社でも、メリット・デメリットになる点はありますから、それを把握したうえで選び、ゴールド投資をはじめてみてくださいね。