「ロスチャイルド」と言えば、陰謀論などの類では、しばしば耳にすることが多く、実際、この名前だけなら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
特に、通貨発行権を知る方ならご存知かもしれませんが、世界の中央銀行は、ロスチャイルドの支配下にあるという説が流布されているのです。
そこで、この記事では、世界の銀行を牛耳るロスチャイルドの噂と通貨発行権について、詳しくご説明していきます。
そもそも通貨発行権とは?
ロスチャイルドについてお話ししていく前に、まずは、「通貨発行権」についてご説明していきましょう。
そもそも、「通貨発行権」という言葉は、私達が生活する上であまり馴染みのないもので、そのため、世間一般にはあまり周知されてません。
では、「通貨発行権」とは何でしょうか?
「通貨発行権」とは、そのままの文字通りに「通貨を発行する権限」を指すものです。
21世紀現在、日本を含めたほとんどの国では、政府の管轄下にある印刷会社で紙幣を製造し、一時的に「中央銀行」に交付しています。
そして、各国に存在する「中央銀行」が、銀行券として世の中に流通させています。
このように、貨幣の製造は政府の管轄下にあるので、通貨発行権は政府に帰属していることになります。
ただ、注意してほしい点は、例えば日本の貨幣には、「紙幣」と「硬貨」の2種類が存在していることです。
それらの貨幣をよく見ると、硬貨には「日本国」の刻印があり、紙幣には「日本銀行券」という記載があるのが分かります。
つまり、硬貨の発行は「政府」にあり、紙幣の発行は「日本銀行(中央銀行)」にあるということです。
そのため、世の中に出回っている額としては、断然紙幣が上回っているため、実態としては、日本銀行が通貨発行権を持っているとも言われています。
実は、この日本銀行も、ロスチャイルドの影響で設立されたとされる説があります。
では、その影響を受けたとされる日本銀行についてご説明する前に、まずは、「中央銀行」についてご説明していきましょう。
通貨発行権を持つ中央銀行?世界に点在する金融の要について
「中央銀行」とは、日本における「日本銀行」を指しますが、皆さんは「中央銀行」について、どれだけのことをご存知でしょうか?
まず、「中央銀行」とは、日本を含めた大半の国家が持つもので、金融機関の要となる存在です。
その国の経済に対し、金融政策を行って金利と物価の安定化を図ることで、国の経済を維持する役割があります。
中央銀行の役割を簡単にご説明すると、以下3つの通りになります。
①発券銀行
その国の貨幣を発行する権利、つまり「通貨発行権」を持っています。
物価の安定化を図るために、金利を含めた金融政策をしながら、お札を発行します。
②銀行の銀行
民間銀行にお金を貸したり、預金を預かったりしています。
銀行間の決済や海外決済の役割も担っています。
③政府の銀行
例えば日本の場合、政府が日本銀行の口座預金を保有し、その口座から税金などの保管、そして出納を行っています。
また、外国為替への市場介入は、財務大臣の指示によって介入をします。
つまりは、貨幣を発券する銀行であり、銀行の銀行であり、政府の銀行であるのです。
上記の役割から分かるように、大半の国家に存在する中央銀行は、強い権力を持っていることが分かります。
この各国の中央銀行が、ロスチャイルドの影響下にある機関だと言われており、それによって世界のお金を牛耳っているという説が流れています。
中央銀行はロスチャイルドの支配下にある?
前項では、国家の大半に存在している、中央銀行についてご説明してきました。
前述したように、日本銀行を含めたその中央銀行は、実は、ロスチャイルドの影響下にあるのではないかと言われています。
1815年、ロスチャイルド一族は、イングランド銀行を支配下に置き、さらに、1913年には、FRBとして知られる米連邦準備制度(連邦準備理事会)、つまりアメリカの中央銀行をも支配下にしてしまったとされています。
そのため、世界の基軸通貨として君臨している「ドル」の発行権は、アメリカ政府ではなく、ロスチャイルド一族の下にあると言われているのです。
また、先に述べたように、日本銀行の設立さえも、ロスチャイルドの影響下にあったとの説があります。
と言うのも、1881年に日本銀行を設立した大蔵大臣、松方正義は、ロスチャイルド一族の影響下にあったとされ、通貨発行権を日本銀行(中央銀行)に独占させるために、なんらかの働きかけがあったのではないかとも言われているのです。
ただ、日本銀行の株の55%は日本政府が所有しているため、事実上、通貨発行権は日本政府が所有しているとの意見もあります。
しかしながら、非公開にされている残りの45%は、ロスチャイルド一族が所有しているのではないかとも言われ、それが結局は日本を牛耳っているのだと言われる所以でもあります。
では、ロスチャイルドとは一体何者で、どのような歴史があるのでしょうか?
次項で詳しく見ていきましょう。
どのように通貨発行権を掌握した?ロスチャイルドの歴史とは
ロスチャイルド一族とは、世界中の富を収めている有名な世界財閥で、中世ヨーロッパの銀行家の中でも、国王すら凌ぐ絶大な権力を持っていました。
もともと、ロスチャイルドの家発祥の地は、ドイツのフランクフルトで、ゲットーと呼ばれるユダヤ人居住地区にありました。
ロスチャイルド一族は、市民権すら持っていませんでしたが、初代のマイヤー・アムシェルは、ドイツの名門貴族ヘッセン家のヴィルヘルム9世とビジネスを始めていきます。
そして、1764年、ドイツでロスチャイルド商会を創設し、1800年代には、息子達をヨーロッパ諸国に派遣して、各国で銀行を創設していきます。
それが現在の国際銀行の礎となり、ヨーロッパの金融を牛耳るようになります。
その息子達の中でも、最も強大な権威に上り詰めたのは、3男のネイサン・ロスチャイルドです。
1810年、ネイサンはにロンドン証券取引所の支配者となり、「世界一の金融王」と謳われるようになりました。
と言うのも、ヨーロッパ各国の同盟国を相手に、貸付をするまでになったのです。
また、更にその5年後の1815年には、イギリス連合軍とナポレオン率いるフランス軍との戦い、いわゆる「ワーテルローの戦い」に出資することで、世紀の大儲けに成功しました。
これによって、ロスチャイルド財閥は、現在の世界金融を支配する礎を築き、通貨発行権の掌握をしたと言われているのです。
ロスチャイルドの世界への影響とは?
前項では、ロスチャイルド一族の歴史について、大まかにご説明してきました。
ロスチャイルド一族は、世界において絶対的な権威である財閥を築き上げる傍ら、19世紀末には、その財力で有力者を支援することで、巨大な財閥が形成されていきます。
例えば、ロスチャイルドに巨大な支援を受けた、アメリカの「J・P・モルガン」と「ジェイコブ・シフ」は、後にモルガン財閥とシフ財閥を形成しました。
その中でも、特にその影響を受けているのが、現在でも有名なロックフェラー財閥です。
シフ財閥らの支援を受けた「J・Dロックフェラー」は、1882年に、アメリカの石油をほとんど独占することで、アメリカ最大の財閥を築き上げたと言われています。
また、日本の4大財閥ですら、ロスチャイルド財閥やロックフェラー財閥の支援を受け、現在の形があるとも言われています。
このような話の真偽は定かではないですが、事実上、世界の通貨発行権を支配しているのがロスチャイルド一族なのであれば、ロスチャイルドが持ち得る巨万の富にも、納得がいくような気もしますね。
通貨発行権を取り戻す?アイスランド経済の再生について
これまでに、通貨発行権や中央銀行の仕組みから、ロスチャイルドの歴史についてご説明してきました。
今までの話が仮に事実であれば、世界各国に存在する中央銀行によって、世界のお金はマリオネットのように動かされていることになります。
そのため、このようなロスチャイルドの支配から逃れるために、2013年8月、中央銀行に対してハンガリーが反旗を翻したことは、世界にとって衝撃を与えました。
現に、アイスランドでは、国家が通貨発行権を所有しています。
と言うのも、2008年にアメリカで起こったリーマンショックにより、アイスランドの金融バブルが破綻に陥ったことがきっかけです。
この膨らんだ不良債権を処理するために、アイスランド政府は非常事態宣言を出し、中央銀行は国有化されることになるのです。
この通貨発行権を取り戻したことで、債権は踏み倒され、数年後にはアイスランド経済が奇跡の蘇りに至りました。
このようなこともあり、世界では中央銀行の足枷から逃れようと、議論が盛んに行われているのです。
世界の動きをよく見ていこう
世界の中央銀行が絡んだ、ロスチャイルドの陰謀説については、このように多くの説が流布されています。
噂には尾ひれが付くとも言われているように、こういった話にも尾ひれが付いている可能性も否定はできません。
しかしながら、世界の通貨発行権や中央銀行の仕組み、そして各国の動きを見ていると、ロスチャイルドの影響もあながち間違いではないのかもしれませんね。