賃貸マンションのベランダでもガーデニングは楽しめるのか

賃貸マンションで広いベランダがあると、ガーデニングをしてみようと考える方はいませんか?

毎朝、自分で収穫した野菜を食べられることは憧れでもあります。

ところで、賃貸マンションですとガーデニングをしても良いのかどうか気になりますよね。

そこで、実態を確認してみました。

賃貸マンションのベランダは部屋に含まれる?

賃貸マンションを借りるとき、やはり気になるのは間取りですね。

不動産業者に物件を紹介してもらうとき、必ず部屋の間取り図を見せてもらいます。

その図面にベランダが書かれていたか覚えてますか?

日当たりや洗濯物を干すスペースを確認するため、殆どの図面にはベランダの記載があります。

そのため、家賃を払えば当然ベランダが使用できることになります。

物干し竿やエアコンの室外機もベランダに置いてありますよね。

しかし、実は法律ではベランダ部分は室内のような専有部分でなくて、廊下と同じ共用部分と決められています。

よって、室内と同じような利用は認められておらず、ガーデニングなどに好き勝手に使うことはできないのです。

なぜ共有部分なのかというと、マンションのベランダは消防法で必要な避難経路として設けられているからです。

火災が発生した時、大きな物が置いてあると避難の妨げとなり、大きな事故に繋がります。

また、規約等により美観を損ねるという観点から、安易に物は設置できないことになっているのです。

なぜ日本でベランダガーデニングが広まったの?

本来ガーデニングとは造園のことで、街並み作りや、都市計画までを含める大規模なものを指します。

イギリスの家庭で営まれていた庭園作成術が、1990年代に日本で紹介されたことがきっかけに、イングリッシュ・ガーデンとして庭作りが流行しました。

それを「ガーデニング」という言葉で呼び始め、徐々に人気を得て広まったのです。

しかし、日本は土地が狭く、特に都心部の家は賃貸マンションが主流なため、本格的な「ガーデニング」はできません。

そこで、庭の代わりにベランダを利用した、いわゆる「ベランダガーデニング」がテレビ番組や雑誌で紹介されると、それがあっという間に定着しました。

それからは、大手の園芸社で開催する園芸コンテストにおいてもベランダガーデニング部門を取り入れるほど、注目されてきました。

今では、ホームセンターで簡単に苗木やおしゃれな植木鉢が手に入ります。

また、ウッドラティスをベランダに取り付けて、テーブルを置けば、植木鉢にひとつだけでも充分ベランダガーデニングと呼べるものになりました。

賃貸だけどベランダガーデニングはできる?

ベランダガーデニングの人気は、昔ほどではなくなっているようですが、テーブルセットやコニファーなどの植木を置いている家を時折みかけます。

このようにベランダガーデニングを楽しんでるお宅は、どちらかというとすぐに引っ越ししてしまう賃貸マンションより、長く住まわれている分譲マンションが多いようです。

しかしベランダは、分譲であっても賃貸とも同じ共用部分なので、使用する際の注意は同じなのです。

ベランダを使用するのは自分だけでなく、他の居住者も避難経路として使用するということを忘れてはいけません。

ベランダには、隣の部屋との境界に目隠しとして薄い板のようなものが作られていますが、この目隠しはいざというとき蹴って壊せるような簡単な作りとなっているのです。

もし、その前に物置などを大きな物を置いてる方は、避難の妨げになりますので、すぐに移動が必要です。

また、見た目が悪いからと、仕切り板にウッドラティスやアルミ板などを張りつけてしまうこともNGです。

ですから、ガーデニングといってもプランターを乗せるスタンド程度にしておきましょう。

近頃流行りのタワーマンションでは、見た目重視もありますが、何か落下した場合の危険性を考え、洗濯物さえ干せないところが多くなりました。

入居時のルールに従って生活することが、近隣とのトラブルを回避し、ストレスのない生活に繋がりますので、厳守してください。

賃貸マンションのベランダでガーデニングをする場合の注意点

ベランダガーデニングで最も注意すべき点は避難経路の確保です。

しかし、他にも注意することがあります。

それは、排水です。

ベランダに水道設備がない場合は、雨水以外の水を流してはいけないのがルールです。

逆に、水を流して良い作りの場合、ベランダに水道設備があることがほとんどです。

水道設備のあるベランダは、きちんと防水工事が施されていますが、水道設備のないベランダは防水工事をしていないため、大量の水や泥が流れた場合、排水溝が目詰まりしてしまいます。

個人が所有する賃貸アパートなどは、建築コストを抑えるために、ほとんどの物件がベランダの防水工事をしていません。

もし、ベランダガーデニングのせいで排水溝が目詰まりした場合、原状回復義務があるのは当然居住者です。

2階以上のフロアであれば、下の階の排水溝にも影響が出てしまい、持ち主にも居住者にも大変な迷惑がかかります。

賃貸マンションでのベランダガーデニングは問題点を把握して楽しもう

ベランダガーデニングは、少スペースで楽しめるため人気があります。

ベランダの向きにもよりますが、朝~昼過ぎにかけて日差しが差し込むなら、草花にはとても良い環境と言えるでしょう。

ですから、賃貸でも注意を払えばベランダガーデニングが楽しめます。

主な注意点をあげてみましたので参考にしてください。

・避難経路を塞がない
・排水溝を塞がない
・夏は照り返しが強いので、日中は、風通しが良い日陰に移動させる
・水やりのあと、植木鉢の底やジョウロの水は虫の住みかに変わるため放置しない
・水やりをするときは下の階に注意を払う
・土を使う場合は、排水溝の目詰まりに気をつける
・風の強い日は、植木鉢が割れて飛ぶ可能性があるので、家の中に入れる
・ベランダの床は、定期的に掃除をする
・転居の際は、必ず原状回復する

他にも、草花のためには夏日を避けるなど、たくさん注意することはあります。

問題点をしっかり理解し、ガーデニングを楽しいものにしてください。

ベランダガーデニングをするなら、賃貸の契約時にしっかり確認

ガーデニングを目的に賃貸マンションを選ぶのであれば、ベランダでなく、広い「ルーフバルコニー」を持つ物件がおすすめです。

ベランダとは、建物から飛び出した屋根のあるスペースを言いますが、日差しや風通しは必ずしも良いとは言い切れません。

それに、洗濯物を干しているとガーデニングのスペースを確保するのは難しいです。

一方、バルコニーは、2階以上の室外に張り出した屋根のない手すりがあるスペースです。

1日を通して日当たり、風通しが良いため、植物には最適です。

これから物件を探す方は、少し家賃が高くなりますが、バルコニー付きの物件をご検討ください。

しかし、どうしてもバルコニー付きの物件が借りられない場合は、ベランダが防水加工されている物件を探しましょう。

そして、ある程度物件が絞れたら、必ず管理規約に目を通してください。

規約は物件により異なるため、ベランダの使用に制約があるとガーデニングができないこともあります。

ベランダはガーデニングのために作られているわけではないので、その点を理解してください。

家賃や間取りだけで契約すると、後でトラブルに繋がりますので注意する必要があります。

賃貸マンションでベランダガーデニングを楽しむには入居前から計画を

賃貸マンションが多い都心部でもガーデニングは楽しめます。

緑が少ない街でも、庭がなくても、緑に触れて癒されることを可能にしたのがベランダガーデニングです。

契約の前にしっかり規約を確認し、わからないことは管理会社にも確認すると良いでしょう。

賃貸であること、専有できないことをしっかり理解すれば、年齢性別を問わず楽しめます。