株式投資は利益を生み出すことにばかり注目されがちですが、その反面損失を生み出すこともあります。
この損失が大きくなりすぎると、破産につながってしまうこともあり得るのです。
もちろん、適正な運用で利益を出している投資家はたくさん存在しています。
では、なぜ投資で失敗してしまうのでしょうか。
株式投資での失敗パターンをまとめてみました。
株式投資の失敗=破産ではない
株式投資というと、損失を出すと借金を背負ってしまう、というイメージを持たれている人もいます。
市場が暴落すると、破産者がたくさん発生するといわれることもありますね。
しかし、勘違いしている人もいるかもしれませんが、実は「株式投資の失敗=借金」ではありません。
株式は、現物で取り引きしているのであれば、借金になることはないのです。
株価が0円になったとしても、借金を背負うことはありません。
例えば、100万円で買った株が0円に暴落したとします。
ご自身の財産が100万円減ってしまうことにはなりますが、借金を背負ったわけではないのです。
まとめると、ご自身の持っているお金を使って現物で株式の売買をするのであれば、借金を背負うことはありません。
しかし、株式投資で破産をした人がいることは事実です。
実は、株式投資は借金をして投資をすることもできます。
借りてきたお金を使って株式を売買することもできますし、株式そのものを借りるということもできます。
借金で取り引きをしているので、株価が暴落したり高騰したりすると、借金が膨らんでいくことになります。
これが株式投資で借金というイメージを作り上げたのかもしれません。
借金で株式投資を行うのは、元手がなくても儲けを出せるためメリットもあります。
しかし、借金を負うリスクがあることも忘れてはいけません。
信用取引は借金?借金から破産へ
株式投資でしばしばみる破産パターンのひとつが、信用取引です。
安易な気持ちで信用取引に手を出すと、それが破産の始まりとなります。
信用取引とは、簡単にいうと借金のことです。
ご自身の持っている資金を担保にして、より大きな金額の取引を認めてもらえます。
具体的に解説すると、例えば150万円の自己資金を持っていたとします。
その150万円を株式投資用の口座に入金すると、それを担保に200万円、300万円の株式投資を行うことができるのです。
信用取引の最大枠は、自己資金の3.3倍までです。
150万円の自己資金があれば、490万円程度まで株式投資をすることができます。
自己資金が用意できなくても大きな取引に参加できるため、株式投資家にとってメリットはあります。
しかし、先ほどお伝えしたように信用取引は借金です。
前項では、現物で株式投資をすれば借金を背負うことはないとお話ししましたが、信用取引は違います。
借金なのですから、取引終了時に保有銘柄の価値が下がってしまうと、自己資金もなくなりますし借金を背負うことにもなりかねません。
破産することさえあり得ます。
信用取引で借金を背負い破産するというのは、株式投資ではありがちな話です。
上記のことをまとめてみても、初心者は信用取引に手を出さない方が無難です。
ロスカットで株式取引の損失を最小限にする
次に、株式投資で破産するパターンは、「ロスカット」です。
ロスカットの設定に失敗して破産するというパターンがあります。
ロスカットとは、損失(ロス)を切る(カット)という言葉の意味の通りで、損切価格を決めることを意味します。
ロスカットを採用して、損切のためにあらかじめ売却価格を指定しておけば、基本的に指定した額以上の含み損になることはありません。
このロスカットの設定を失敗してしまうと、損失が想定外に大きくなってしまう可能性があるのです。
この失敗パターンをまとめると、ロスカットにおいての損切設定がとても重要ということです。
この損切ですが、怠ると株式投資で大きな損失を出してしまうことになります。
誰でも、失敗を認めたくないものです。
これは、株式投資の初心者が陥りがちな失敗パターンです。
信用取引で株式投資を行っているのであれば、破産パターンまっしぐらです。
ロスカットは砦なので、株式投資で大きな損失を出さないために、保有した株は買ったらすぐロスカット値の指定をすることを忘れずに行いましょう。
投資の失敗ポイントをまとめました
株式投資で重要なポイントはいくつかありますが、最も重要なポイントのひとつに銘柄選びがあります。
選んだ銘柄で、ある程度結果が決まってしまうと考えておきましょう。
この株式投資の肝ともいえる銘柄選びで失敗してしまうパターンがあります。
初心者ですとほかの人の意見に流されやすく、間違った銘柄を選んでしまうことがあります。
初心者が犯しがちな失敗パターンをまとめました。
・名前を知っている会社の株を買う
・投資ブログで紹介された株を買う
・自分の勤めている会社の株を買う
何の分析も行わずに買うのですから、失敗して損失を出す可能性が高いです。
株式投資において、初心者の予見は信用できません。
本当に儲かるネタは、ブログには載っていません。
確実なのは、財務諸表や銘柄の割安数値を確認して銘柄を選ぶことです。
地味ですが、失敗しにくい方法といえます。
次の失敗パターンは、初心者だけでなく上級者もやりがちな失敗です。
株式投資の原則は、安いときに買い高いときに売ることです。
これができれば株式投資で成功したといえます。
しかし、値が最も高いときに買ってしまったとしたらどうなるでしょう。
下がる一方なのですから、優良な銘柄だったとしても損失が出ます。
この株式を買うタイミングは、初心者でも上級者でも失敗します。
難しいのです。
株式を買うタイミングについては、過去のチャートの値動きを調べると、失敗する確率を下げることができるでしょう。
銘柄を選ぶときは名前やうわべの情報に惑わされないで、確実な数字や記録を見ましょう。
財務諸表やチャートを調べる作業は地味ですが、これが株式投資での破産を防ぐ方法なのです。
株式投資でやってはいけない共通点をまとめてみると
株式投資で失敗する人には、共通点があります。
どのような共通点があるのかまとめました。
・生活費を投資資金に充てる
株式投資で失敗する典型的なパターンです。
余剰資金ではなく、生活資金を投資に充てると生活に困窮するだけでなく、投資に対する見返りも多く求めるようになります。
投資していればいつか成功するという考えにとらわれるようになり、生活資金だけでなく借金をしてまで投資を続けてしまいます。
こうなると、破産の可能性が高くなります。
・冷静に株式投資を行えない
株式投資はビジネスです。
そのため、冷静な分析や判断能力が求められます。
株式投資で失敗している人の多くが、得た利益を次の運用資金のために使うのではなく、生活資金などに散財しています。
株式投資はギャンブルではありません。
計画性なく利益を使ってしまうと、損失よりも利益だけに着目してしまうことになります。
そうなると、どのくらい損失が出ているのか気づかずに、損失が膨らんでいってしまう結果になってしまいます。
・短期で結果を求める
投資を始めたばかりの初心者は、すぐに結果を期待しがちです。
短期での結果を求めるばかりに、はじめから高額なお金を投入してしまいます。
短期で成功する投資=短期で失敗する投資
ということもいえます。
初心者は、短期で失敗するパターンがほとんどです。
投資は、長期的な視点も必要なビジネスです。
ある程度の時間をかけて、利益を損失のバランスを見ることが必要です。
3つにまとめた破産する人の心理状態
株式投資だけでなく、投資では自分のお金を使うのですから失敗はしたくないものです。
しかし、誰から見ても破産まっしぐらという投資の仕方をする人がいます。
なぜそのような行動をしてしまうのでしょう。
株式投資で陥りがちな心理状態をまとめました。
・プロスペクト理論
行動心理学のひとつで、簡単にいうと「人間は心理状態によっては非合理的な行動をとることがある」という行動心理です。
例えば、あなたがあるコインゲームに参加するとします。
・おもて…50万円もらえる
・うら…25万円を失う
・参加しない…10万円もらえる
というルールだとすると、あなたはどれを選びますか。
多くの人は、「参加しない」を選んでノーリスクで10万円を手にするでしょう。
しかし、損失を抱えている人は、リスクを冒してもコインゲームに参加して損失を取り戻そうとします。
この行動心理が投資にも当てはまり、損失した分を取り戻そうとさらに投資にのめり込んで損失を増大させてしまうのです。
・保有効果
すでに使わなくなったものでも、愛着があってなかなか捨てられないものが、誰にでも1つはあると思います。
これは保有効果といい、株式投資でもしばしば起こります。
保有している株式に高い価値を感じ、手放すことに抵抗を覚えます。
そうなると株価が暴落してもなかなか損切できず、損失が膨らんでしまいます。
・追認バイアス
追認バイアスは、自分の投資が正しかったと信じたいために、自分に肯定的な情報ばかり集めてしまうことです。
この状態になると、自ら都合の悪い情報をシャットアウトしてしまいます。
現実を直視できていない状態です。
冷静な判断が必要な株式投資では、追認バイアスが正しい判断の邪魔をします。
こうなると所有している株式について冷静な評価ができなくなり、損切のタイミングを逃してしまいます。
失敗を取り戻すために投資をしない
株式投資の失敗はそのまま即破産というわけではありません。
しかし、なぜ失敗から破産まで発展してしまうのかというと、損失を取り戻そうとしてさらに損失を重ねていくからです。
借金をしてまで投資にのめりこめば、冷静な判断も出来なくなり破産につながります。
「自分はそんなことはない」と思う人がほとんどですが、1回の失敗を取り戻そうと借金を重ねて破産に追い込まれるという話は株式投資ではよくある出来事です。
今回の失敗パターンをよく肝に銘じておくことをおすすめします。