株式投資を行っている人であれば、だれもが大きく利益を出したいものですよね。
自分がどれだけの利益をあげているか、ご存知ですか?
この記事では、自分がどれだけ利益を上げているかがわかる株式の利益率の計算方法をはじめ、株指標に関する計算式も併せて解説していきます。
また、投資に対する考え方についても言及していきますので、今後の投資に役立ててみてくださいね。
株式の目標利益率を計算することには意味がない!?
株式投資を行っている方でしたら、「たくさん利益を出したい」という理想があることでしょう。
実際に、「年間の利益率は20%を超えたい」などと、具体的に目標を掲げている方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、その目標、本当に必要でしょうか?
世の中の情勢は、めまぐるしく変わります。
また、予想だにしなかったことが起きることもあるのです。
具体的な利益率の目標値を掲げてしまうことは、市場の状況が芳しくないにも関わらずその目標に近づけたいがために、無理な投資をしてしまう可能性をはらんでいるのです。
反対に、上がり相場なのに「目標の利益率は20%だから」とあっさり株を売ってしまい、さらに利益を上げられるはずがもったいないことにもなりかねないのです。
ですから、個別の売買においても年間の売買においても、目標となる利益率を計算してを設定しておくことは意味がないといえます。
もしも、「目標を立てたい」ということであれば、例えば、市場平均から1.5倍で運用していきたいなど、市場平均にプラスする形で設定するといいでしょう。
実際の利益率は計算したい!その計算方法とは?
株式において、「個別売買や年間においての利益率の目標を立てることにはあまり意味がない」ということを解説しました。
しかし、目標ではなく、実際に出した利益についてはどれぐらいの利益率なのか計算しておきたいですよね。
目に見えることで、投資に対するやる気も変わってくるかもしれません。
では、利益率の計算方法をご紹介します。
個別銘柄を売買したときの利益率の計算方法です。
まず、ある銘柄を1,000円で100株購入、1,500円で100株売却したとします。
売買手数料は100円としましょう。
【買付】
1,000円×100株+100円=100,100円
【売却】
1,500円×100株+100円=150,100円
この差額を計算すると、利益は50,000円となります。
この利益50,000円には20.315%の税金がかかります。
50,000円×20.315%=10157.5円(小数点切り捨て)
つまり、50,000円-10,157円=39,843円が利益という計算になります。
ここから計算される利益率は、39,843円÷100,100円×100=39.8%となります。
配当金を含めた利益率計算方法は?
株を短期的に売買するのではなく中長期的に保有する場合、銘柄によっては配当金が出る場合があります。
そうすると、単純に株の売却金額だけで利益率の計算をするのではなく、配当金も含めた金額で計算したいですよね。
それでは、配当金も含めた計算方法について解説しましょう。
株価や手数料は、さきほどと同様の金額で計算していきます。
配当金は、1株あたり50円としましょう。
配当金50円×100株=5,000円となります。
配当金にも20.315%の税金が課せられますので、計算は以下のとおりになります。
5,000円×20.315%=1015.75円(小数点切り捨て)
売却益は、さきほどと同様に、税引き後は39,843円ですね。
これらをまとめて計算すると、(39,843円+1,015円)÷100,100円×100=40.8%となります。
つまり、配当金を含めた利益率は、40.8%ということになりますね。
銘柄を選ぶ指標の一つ!配当利回りとは?
これまでは、株の利益率の計算方法について、具体的に解説してきました。
ここでは、配当金関連の指標について、さらに詳しく解説してきます。
みなさんは、株の銘柄を選ぶ際には何を基準に選んでいますか?
もちろん、その企業の将来性などや市場の動向を見てということが多いでしょう。
しかし、業績の安定している会社であれば、配当金が定期的に出ますよね。
そこで、株の売却益だけではなく、買った株価から計算して年間でどれぐらい配当金がもらえるか計算できる「配当利回り」という指標があるのです。
配当利回りは、以下の計算方法で算出できます。
配当(円)×株価(円)×100=配当利回り(%)
例を挙げると、配当金が50円、株価が1000円としましょう。
そうすると、50円÷1,000円×100=5%と計算されます。
つまり、この銘柄の配当利回りは5%ということになるのです。
この配当利回りの数値が高ければ高いほど、受け取れる配当金の割合が大きいということになるのです。
株式配当金にまつわる配当性向とは?
さらに、配当金の指標について掘り下げましょう。
前項では配当利回りについて解説しましたが、ここでは配当性向についてお話をします。
配当性向とは、企業が、出した利益の中からどれぐらい配当金を出したか計算するものです。
配当性向の数値が高ければ高いほど、配当金を多く出しているということになります。
その計算式は、以下のとおりです。
1株あたりの配当金(円)÷1株あたりの当期純利益×100=配当性向(%)
配当性向の数値が高ければ高いほど配当金を多く出しているということであれば、配当性向の低い銘柄の株は買わない方がいいのでしょうか。
実は、それはそうともいい切れないのです。
その理由は、出た利益を配当金にまわすのではなく、新しい事業に投資するために使うかもしれないからです。
これから成長が見込まれる企業の配当性向は低く、すでに安定している企業の配当性向は高くなる傾向にあるのです。
このことから、「配当性向が単純に高い低いだけでは判断できない」と考えるようにしましょう。
株に関連する計算式はたくさんあります。
次項の最終項では、利益率や配当利回り、配当性向以外の株に関連した計算方法を解説します。
株式のいろいろな計算式
株式投資にまつわる数値を算出するために、いろいろな計算式があります。
投資をするうえで参考になるものなので、ここで覚えてみてくださいね。
【PER(株価収益率)】
株式投資をするうえで、欠かせない指標の一つです。
PERは、簡単に説明すると「その銘柄の割安性をあらわしているもの」です。
基本的に、「゛PERが低いほどその企業が出している利益のわりに株価が割安である」ということになります。
計算式は以下のとおりです。
時価総額÷純利益=PER
【PBR(株価純資産倍率】
PERと同様で、割安性の指標となるものです。
PBRの数値が低ければ低いほど、現在の株価が割安ということになります。
計算式は以下のとおりです。
株価÷1株あたりの株主資本
【ROE(株主資本利益率】
ROEは、企業の収益性を示す指標です。
基本的に、ROEが高いほど資金を上手に使って利益を生み出し、経営がうまくいっているという目安になります。
計算式は以下のとおりです。
1株あたりの利益÷1株あたりの株主資本=ROE
このように、株式投資を行ううえでさまざまな指標があります。
これらを自分のものにしておくと、これからの株式投資で役立つことでしょう。
まとめ
株式で資産運用をされているのであれば、その利益率は気になるところでしょう。
しかし、利益率を目標にすることには意味がないともいえます。
あくまでも、売買の指標として参考にするようにしましょう。
また、株式投資にまつわる各銘柄の割安感などを知ることができる、さざざまな計算式を覚えておくことは、今後の投資に役立つことと思います。
ぜひ、この機会に覚えてみてくださいね。