「挨拶は大切。」と子供の頃に教わっても、大人になると忘れてしまったり、上手にできないことがありますよね。
しかし、経営者としてたくさんの人と関りを持ち、お世話になることも増えたのなら、しっかり挨拶をするということは基本中の基本です。
今回は、アパート経営を始めたばかりの新米大家さんのために、役立つ情報をまとめました。
アパートの大家さんにとって挨拶は大切
賃貸経営のかたちは様々ですが、地方のアパートなどの大家さんで、管理会社に任せきりにせずに経営している場合は、空室対策にも工夫が必要です。
ある大家さんは、定期的に不動産管理会社に挨拶回りをしています。
入居者同士のいざこざを解決してくれたり、アパートの清掃やメンテナンスなどをしているので、日頃からお世話になっている感謝の気持ちを伝えるのも大切です。
はじめは窓口の若手社員が対応していたとしても、回数を重ねるうちに顔を覚えてもらえて、社長さんが話してくれるようになるかもしれません。
めったに顔を出さなかったり、連絡もとりにくいような大家さんもいます。
管理会社としては公平に仕事をすることはもちろんですが、人間ですので、話しやすい大家さんや親切に対応してくれる大家さんのほうに入居者を案内したくなる、ということも考えられます。
大家さんが代わったことで、急に満室になる物件があるというのも、そういうことが関係してくるのです。
また、挨拶回りでの雑談の中で、お得な売り物件などの情報もゲットできるかもしれません。
感じのいい挨拶でデキる大家さんに!
挨拶回りをするときは、笑顔で感じよく、大きな声で話すといいですね。
あまり大声で話したくないのなら、挨拶だけでも大きな声で、ハキハキと言いましょう。
せっかく出向いたのに、マイナスイメージを持たれてしまったら残念です。
また、その場の空気を読むことも大切です。
来客中だったり、忙しそうなときは手短に済ませましょう。
長々と話すよりは、短時間でまめに伺う方が効果的です。
はじめて行く会社の場合は、物件の特徴などを資料にまとめて、手渡している大家さんもいます。
こうした細やかな工夫が実を結び、空室知らずな賃貸経営につながります。
そして、アパートがある地域にもよりますが、入居者とのコミュニケーションや、清掃管理などで顔を見せることも、いい印象につながる場合があります。
アパートに花を飾ったり、草むしりをしたり、共用部分をDIYでメンテナンスしたり、中にはイベントを開催して、入居者とコミュニケーションをとっているベテラン大家さんもいます。
入居者同士でトラブルがあって、どちらかに我慢してもらわなくてはいけない、なんてことになっても、日頃の信頼関係があれば、こじれることを防げます。
アパートの大家さんは挨拶される側になることも多い
アパートの大家さんになると、挨拶されることも多くなってくると思います。
入居者からの挨拶や、銀行員からの挨拶には丁寧に対応することが大切です。
今は、契約してもらってもわざわざ挨拶はしなくてもいいことにする大家さんも多いですが、ちょっとした時に顔を合わせたら、無視するなんてもってのほかです。
笑顔で挨拶して、いい印象を残したいですね。
また、ローンを組んだ金融機関の銀行員からの挨拶も誠意をもってもてなしましょう。
自分が挨拶に行く立場だったら、どう対応されたいか、考えるといいですよね。
もし忙しかったり、面倒くさいと思っても、なるべく時間はとるようにしましょう。
銀行員も、たくさんの場所に挨拶に行かなければいけないので多忙です。
今後、改修工事などで追加融資が必要になることもあるかもしれませんし、いい関係を保っていきたいですね。
嫌われる大家さんにならないために
入居者のために、と思って善意ですることでも、おせっかいと思われてしまうこともあります。
ここでは、「アパートの大家さんのここが嫌だ」という声をもとに、距離感についてさぐっていきましょう。
大家さんの中には、同じアパートの部屋に住んでいたりして、入居者との距離が近い人もいます。
そのため、普段の挨拶から徐々に親しくなり、距離感を縮めすぎて不愉快に思われてしまうこともあるようなのです。
例えば、年下の入居者を子供か孫のように感じて、ついついおせっかいになり、帰宅時間や服装、子育ての方法などに口出ししたり、言葉遣いが乱暴になったりすることです。
年若い人ほど、こうしたことには敏感で「大家さんウザイ」なんて思われてしまうかもしれません。
貸主と借主という関係を考えて、適度な距離感を保つことも重要なのです。
顔を合わせたら笑顔で挨拶する、そのくらいの関係が一番、楽かもしれません。
アパートの管理はしっかりと!
アパートの大家さんとして心得ておくべきことは、挨拶の他にもあります。
アパートは、入居者が快適に生活していける場所ではないといけませんよね。
ですから、汚い状態で放置したり、合鍵を外に置いていたりしたら、入居者は不安になってしまいます。
筆者が以前住んだことがあるアパートでは、ある入居者がアパートの側でバーベキューをして、階段を焦がしてしまいました。
しかし、その焦げがずっと放置されていて「管理状態は大丈夫なのかな?」と思ってしまいました。
焦げた部分に塗装を施したりすれば、きれいな状態になるはずです。
そのアパートの大家さんには、日頃から親切にしてもらっていたので、すぐ引っ越しはしませんでしたが、階段が焦げたアパートに住むというのは、あまりいい気持ちではありませんでした。
ただ、DIYに凝りすぎるというのも、問題点が無いとは言えません。
アパートが悪趣味になってしまったり、不完全な修理で入居者を我慢させる大家さんもいるようです。
アパートの大家さんの心得
アパートの大家さんの仕事は、たくさんの事業者と協力して行わなければいけません。
管理会社だけではなく、リフォーム業者や税理士さん、場合によっては弁護士さんなどとも協力して、経営していくことになります。
こちらがお金を払う立場だとしても、コミュニケーションには気を配りましょう。
求められたことにはすぐに対応するようにしないと、「残念な大家さん」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。
もし両親から引き継いで賃貸営業をする場合でも、自分の名前と顔をしっかり覚えてもらえるように、まめに挨拶回りを行いましょう。
経験豊かな人と、どんどんつながって、知識やノウハウを得て、人脈を広げていくことが利益を生み出す経営の基本です。
また、近年はsnsやアプリを活かす経営術もあります。
Facebookで空室のお知らせをしたりすると、口コミで情報が広がり、契約に結び付くこともあるのです。
また、動画作成アプリや、業務管理アプリなどもあります。
物件を魅力的に撮影することができたり、忘れがちな仕事を登録しておくことなど、役に立つことがあります。
そうした便利な機能は、ぜひ活用していきましょう。
まずは挨拶から始めよう
挨拶は笑顔で、相手の目を見て、大きな声でするものです。
大人になると恥ずかしくて、なかなかできなくなるものですが、対人関係を円滑にする第一歩の、とても大切な働きかけになります。
相手の反応が悪かったり、無視されることもあるかもしれませんが、空室がすぐに埋まるアパートの大家さんを目指して、努力していきましょう。