関東と言えば、日本の中心というイメージです。
政治、経済、情報が多く集まっており、面積の割には人口も多い地域です。
2017年の住みたい都市ランキングを見ても、上位には関東地方の都市が多くノミネートされています。
なぜこれほどまでに、関東に人が集まるのか、現在の目線から考えてみました。
関東の土地面積を全国ランキングでみる
関東地方は、決して広い地方ではありません。
関東地方の明確な範囲については、特に法律上の定義はないようですが、一般的には、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都6県のことを指しています。
おおよその面積を全国ランキングで見ると、次のようになります。
1位:北海道地方 8,342km²
2位:中部地方 7,257km²
3位:東北地方 6,695km²
4位:九州地方 4,223km²
5位:近畿地方 3,311km²
6位:関東地方 3,243km²
7位:中国地方 3,192km²
8位:四国地方 1,880km²
関東地方の面積は、約3,243km²で、日本の総面積である約378,000km²と比較すると、僅か8.5%しかありません。
とても日本の中心とは思えない大きさです。
また、関東地方は次のように分ける場所もあります。
・北関東
茨城県・栃木県・群馬県
・南関東
埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県
北関東と南関東では、気候に差があるため、テレビの天気予報などで伝える場所は、わかりやすくそれらを区別して予報を出していることが多いです。
関東の人口を全国のランキングでみる
関東地方は、とても人口が多い地域です。
それには、一年を通し気温が安定しており、平野が多いこと、川や海があり、生活の支えになっていたことが、古くから人から集まりやすく、住み続けられた要因でもあります。
また、東京は明治政府が誕生した際に政府の本拠地となりました。
これ以後、実質上の首都であり、政治・経済・文化の中心となりました。
そして、多くの産業が存在したことから雇用が生まれ、東京近郊に住めば生活が豊かになるという安心感がもたらされるのも事実です。
全国の人口をおおよそのランキングでみると、
1位:関東道方 4,328万人
2位:中部地方 2,315万人
3位:近畿地方 2,243万人
4位:九州地方 1,291万人
5位:東北地方 883万人
6位:中国地方 737万人
7位:北海道地方 534万人
8位:四国地方 379万人
という結果になります。
関東地方の人口は約4,300万人ですが、2018年現在日本の総人口が約1億2652万人なので、面積に関係なく、3割の人が関東地方に住んでいることがわかります。
かなり密集していますね。
関東地方内の都市の面積ランキング
関東地方の面積は、全国8地方のランキング中6位と、どちらかといえば狭い地方にも関わらず、人口が密集している場所です。
その関東地方は、1都6県から構成されており、おおよその面積順に見てみると次のようになります。
1位:栃木県 6,408km²
2位:群馬県 6,362km²
3位:茨城県 6,097km²
4位:千葉県 5,158km²
5位:埼玉県 3,798km²
6位:神奈川 2,416km²
7位:東京都 2,191km²
このランキングでわかるのは、中枢機能を持つエリアほど面積が小さく、なかでも、東京都は全国ランキングで3位の狭さです。
1位:香川県 1,876km²
2位:大阪府 1,898km²
3位:東京都 2,187km²
また、面積が最も広いのは北海道(83,424km?)です。
比較してみると、東京都は北海道の面積はわずか40分の1しかないことがわかります。
しかし、この結果から言えることは、面積が狭くても、条件が揃っていれば人は集まるという結果でもあります。
その条件が関東地方の魅力といえるのでしょう。
関東地方内の人口ランキング
次に関東地方のおおよその人口について、2017年の調査結果をランキングでみてみましょう。
( )内は全国のランキングです。
1位:東京都 1,374万人(1位)
2位:神奈川県 916万人(2位)
3位:埼玉県 730万人(5位)
4位:千葉県 625万人(6位)
5位:茨城県 289万人(11位)
6位:栃木県 196万人(18位)
7位:群馬県 195万人(19位)
このような結果ですから、東京の街は、どこに行っても人が多いのは納得できるでしょう。
しかし、人口がやみくもに多くても、行政が行き届かず、物事の決定に時間がかかります。
また、目が届かなくなれば、治安が悪くなり、犯罪が増える可能性があります。
そこで、それらの対策として考えられるのは、人口等の一定の条件を満たした市を「政令指定都市」にすることです。
政令指定都市に指定された市が、街づくりに関する施策等を作った場合、県を通さずに国と直接話せるというメリットのあるため、各種法案をスピーディーに採用することができるのです。
また、役所窓口や出張所が増えたり、災害時など、一刻を争う場合にも、国からの命令が早く届くのも安心です。
関東にはその政令指定都市が5つ(さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市)
ありますから、面積が狭く人口が多くても、生活を支えることができる仕組みになっているのです。
関東では面積のランキングは住みたい街と反比例している
地方在住の方は、関東地方に住むことをどのように思えるのでしょうか。
便利なので、是非関東に住みたいと思う方もいるでしょう。
ひとことで関東と言っても1都6県の都市ですから、どこに住むかはとても重要で、生活は全くと言っていいほど異なります。
不動産業者の調べによる住みたい街ランキングでは、
関東地方の中で、1位はもちろん東京です。
そして2位以下は次のようになりました。
2位:神奈川県
3位:千葉県
4位:群馬県
5位:栃木県
6位:埼玉県
7位:茨城県
上位3県は、商業施設が多く、交通が発達していますので、学生やビジネスマンには利便性が高いでしょう。
しかし、6位の埼玉、7位の茨城は、なぜかイメージが先行しているように思えます。
実際は道路が整備され、街も綺麗な箇所が増えているのですが、人口は増えないばかりか減る一方であるのも事実です。
これを面積と比較してみます。
・( )内は面積の広いランキングです。
1位:東京(7位)
2位:神奈川県(6位)
3位:千葉県(4位)
4位:群馬県(2位)
5位:栃木県(1位)
6位:埼玉県(5位)
7位:茨城県(3位)
ここで気付くのは、面積が狭い都市ほど、住みたい街となっていることです。
関東は面積が狭くても地価のランキングが高い
毎年3月頃に、地価の公示価格が公表されます。
地価公示地価とは、国(国土交通省)が全国に定めた標準地を対象に、毎年1月1日時点の1㎡あたりの価格を公示するもので、土地の価値が高ければ金額も高くなります。
ですから、土地を所有している場合に課せられる固定資産税に影響するため、賃貸であっても賃料に響くのという仕組みです。
先日、平成30年の地価(1月1日時点)が公示されました。
全国平均では、住宅地の地価が10年ぶりに上昇し、商業地及び全用途平均では、地価の変動率は3年連続の上昇となりました。
関東地方の土地面積は広くありませんが、東京都のように人口が多い地域は、土地に利用価値があることから地価が高くなります。
全国ランキングをみると1位~27位までが東京23区内の地点が占めており、27位以降に大阪や神奈川、名古屋が入っています。
1位となったのが、恒例の中央区銀座4丁目ですが、1㎡あたり5,550万円と、想像がつかない金額です。
高い土地は価値のある土地となり、人は集まるため、経済が活発になります。
そして、さらに利便性が良くなるため価値は下がらない仕組みです。
面積に関わらず魅力のある地域には人が集まる
関東地方の面積は全国的に見ると決して広くはありません。
しかし、政治・経済・文化の中心であるため、人口はとても多いです。
特に東京は、商業施設が多く、利便性が高いため人気があります。
面積が狭くても魅力がある地域には人が集まるものです。
地域の良いところをうまくPRできれば、東京以外の街も人口が増えるのではないでしょうか。