駐車場に無断駐車されている!レッカーで運んでもいいの?

マンションに住んでいて、車を所有している方は、駐車場も契約しているという方がほとんどですよね。

駐車場に、まったく知らない車が無断駐車されていた、なんて状況に遭遇したことはありませんか?

無断駐車している車は、レッカーで運んでしまえばいいと思っている方もいるかもしれませんね。

しかし、簡単に解決する問題ではないのです。

今回は、そんな「無断駐車」について詳しくお話しをしましょう。

駐車場に無断駐車された!やってはいけない対処とは?

冒頭でお話ししたように、「無断駐車」はマンショントラブルとして、よく耳にする話です。

ご自身の車を駐車出来ないだけでなく、契約している方は、契約料金も支払っているので納得いきませんよね。

では、実際に自分が被害者になった場合は、どのような対処を行えばいいのでしょうか?

まず最初は、このような状況になった場合、絶対にしてはいけない対処法からご紹介しましょう。

ご自身の駐車スペースに、無断駐車された方からしたら、「無断で駐車しているのが悪いのだから、レッカーで運べばいいのでは?」と思っている方も中にはいるかもしれませんね。

しかし、それは絶対してはいけません。

もし、レッカー移動をしたとしても、その費用を無断駐車した相手に請求することは出来ません。

それだけでなく、不法行為として損害賠償を請求される可能性もあるのです。

このことから、個人でレッカーを依頼して運んでしまおう、という考えはやめておいたほうがいいでしょう。

その他には、無断駐車している車のタイヤなどに鍵を設置して、動けなくするということもやめましょう。

万が一、それによって車に損傷を負わせてしまった場合にも、損害賠償を求められることがあります。

無断駐車されて、苛立つこともあるかもしれませんが、冷静な対処を心掛けましょう。

駐車場での無断駐車は警察でもレッカー移動は出来ない?

先ほどは、無断駐車された際にしてはいけない対処法をお話ししました。

その中で、無断駐車している車をレッカーの運ぶというのは絶対にやめましょう、とお伝えしましたね。

そこで、「レッカーを依頼するのがダメなら、警察に通報して運んでもらおう」と思う方もいるのではないでしょうか。

しかし、警察には原則として「民事不介入」というものがあります。

個人間での問題は、警察が介入することなく当人同士での解決しましょう、というものです。

例えば、夫婦喧嘩や親子喧嘩をしていて、警察が介入してくることはありませんよね。

少し極端すぎますが、それと同じです。

そのため、公道で駐車違反をしている場合は、「道路交通法違反」として取り締まることはあっても、マンションなどの私有地においては、基本的に介入することはありません。

このような場合は、無断駐車されている駐車場を契約している本人と、管理元が一緒に解決しなければならないのです。

レッカー以外に手段はある?無断駐車をやめさせる方法!

では、実際にはどのような対処を行えばいいのでしょうか。

レッカー以外に思いつかないという方は、これからご紹介する方法を試してください。

まずは、駐車場に無断駐車をしている車に貼り紙をしましょう。

貼り紙と言っても、テープなどで貼ると跡などがついてしまって新たなトラブルを招きかねないので、ワイパーなどに挟みましょう。

内容は、感情的なものにせず、相手の気持ちを煽るようなことも書いてはいけません。

このような状態が続いた場合、どのような措置を取るかということを、簡潔に明確に記しましょう。

具体的な例だと、「このスペースは、他者が契約しています。駐車してはいけません。次回、このようなことがあった場合は、駐車料金として3万円を請求します」といった具合です。

もし、このような貼り紙をしても、無断駐車をやめない場合は、「不法駐車です。罰金として10万円を請求します」と記したものを、もう一度貼りましょう。

しかし、不当な金額を執拗に請求した場合は、恐喝とみなされ、法に反してしまうことがあるので注意が必要です。

ほとんどの場合、一度目の貼り紙に気付いた時点で無断駐車をやめるでしょう。

レッカーで移動したくても我慢!駐車場の無断駐車対処①

では、先ほどご紹介した対処をしても、無断駐車をやめてもらえないことがあります。

理由としては、貼り紙をしてあるだけで、レッカーで運ばれることもないし、バレることはないという軽い気持ちで行っていることがあるからです。

特に、深夜に乗り入れする車などは、人の目が届きにくいので直接注意されることがないという考えなのでしょう。

そのような場合は、駐車場に無断駐車をしている本人に直接警告することが必要です。
人間、誰しも名指しで注意されるとドキッとして、危機感を抱きますよね。

そのため、陸運局で車の所有者を特定し、内容証明郵便で警告するという手段を取ります。

まず、陸運局で車の所有者を特定するために、「登録事項等証明書」の申請が必要です。

「登録事項等証明書」の申請には、必要な書類や情報がいくつかあるので、詳しくご説明しましょう。

●申請費用

●身分証のコピー

●無断駐車されている住所と地図

●無断駐車されている日数

●無断駐車をしている場所の見取り図

●無断駐車をしている車の写真
・ナンバープレートが見える写真(前後)
・後ろのナンバープレートの封緘の有無が確認できる写真
・無断駐車をしている車の全体写真
・駐車場全体が把握できる写真

レッカーで移動したくても我慢!駐車場の無断駐車対処②

いざ、登録事項等証明書が取得出来たら、記載されている住所に住民票が残っているかを確認しましょう。

この手続きは、弁護士や司法書士の方に依頼するという手もあります。

しかし、そのような方々に依頼するとなると、請求費用だけでなく別途で料金を支払うことになるでしょう。

なるべく、お金を掛けたくないという方は、ご自身で行いましょう。

では、必要な書類をご説明します。

●各市町村で発行させている住民票の請求書
●登録事項等証明書のコピー
●これまでの経緯を記したもの
●無断駐車をされている駐車場の契約書のコピー

その他にも、役所によって提出を求められるものが違ってくる場合があるので、足を運ぶ前に電話などで確認をしておくといいでしょう。

もし、車検証の住所から何度も引っ越しをしているといった場合は、その回数分住民票の請求が必要となります。

これらの作業は、とても手間が掛かりますが、しびれを切らしてレッカーで運んで、下手に損害賠償を請求されるよりは賢明と言えるでしょう。

無断駐車車両の所有者に警告しよう!

では、所有者の住所が特定したところで、内容証明郵便の出番です。

内容証明郵便は、ネットで作成・申し込みが可能なので、ご自身で行いましょう。

内容証明では、駐車場で無断駐車をしている車の解体許可をもらいます。

所有者に連絡を取ったという事実、証拠が必要なのです。

そして、返答の期日を決めた上で、返答がない場合は撤去するという旨を伝えましょう。

名前も住所も知られている、車も撤去されてしまう可能性があるということに気づき、やっと危機感を抱くことでしょう。

しかし、話がこじれることがないよう、撤去料金の請求は控えた方がいいかもしれません。

後日、所有者から撤去の許可が下りた場合は、レッカーで撤去しましょう。

返事が来ない場合や、該当者なしで戻ってきた、受け取りを拒否されてしまったという場合も撤去の許可が下りたこととみなすことが出来ます。

しかし、出来るだけトラブルを避けたいという方は、弁護士などに相談してみるのもいいかもしれません。

その他には、車の状態や種類によっては、裁判を起こしてご自身の名義に変更し、転売などをするといった方法もありますが、もちろん裁判にはお金や時間が掛かるので、あまりおすすめとは言えません。

無断駐車をされたら、正しい方法で対処しよう!

今回は、マンションの駐車場に無断駐車された時の対処法をお話ししました。

時々の無断駐車の場合は、貼り紙という手段になりますが、無断駐車でしばらく放置をされているといった場合は、内容証明郵便という手段になりますね。

間違っても、勝手にレッカーで運ぶという手段に出ないよう、正しい対処法を頭に入れておきましょう。