アパートの火災保険は加入義務あり?入らないとどうなるの?

アパートやマンションなど賃貸物件を借りる時にネックとなってしまうのが初期費用です。

初期費用は家賃の5倍~6倍かかると言われており、安く済ませたいと考える人も多いでしょう。

特に火災保険は更新料も必要なため、「入らなくてもいいんじゃないか」と思っている人が多いです。

では、アパートで火災保険に入らないとどうなるのでしょうか?

火災保険に入らないとどうなるのかまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。

アパートの火災保険に入らないのはNG!

アパートやマンションなどの賃貸物件を借りようとすると、ほとんどの場合、年間1万円程度の火災保険料が初期費用に組み込まれています。

この火災保険は大抵の場合2年に1度の更新型なので、金銭的にも負担になりやすく「必ず入らないといけないものだろうか?」と思う人も多いでしょう。

しかし結論から言ってしまえば、火災保険に入らないことはかなり危険な行為です。

なぜなら火災保険に加入することは、入居者自身を守る行為だからです。

アパートを借りている時に入る火災保険には、大きく分けて3つの保険内容が含まれています。

①家財補償

1つめは家財補償と言って、入居者の家財道具を守ってくれる補償です。

火災保険では火災だけでなく、盗難や事故などによって家具が破損や汚損した時に保険金が支払われます。

②個人賠償責任保険

2つめは個人賠償責任保険と言って他人を怪我させてしまったり、人の物を壊してしまった時に保険金が支払われる保険です。

世帯のうち1人が加入することで家族全員がカバーされます。

③借家人賠償責任保険

3つめは借家人賠償責任保険といい、入居者が火災を起こしてしまった場合に貸主である大家さんに対して補償する保険です。

アパートを借りる時に賃貸契約を交わしているため入居者には原状回復義務が課せられますが、火災により部屋が焼けてしまえば債務不履行となってしまいます。

この時の賠償責任は最低でも数千万円かかるので、必ずつけておきたい保険です。

火災保険に入らないとどうなる?

アパートの火災保険の役割をご紹介しましたが、入らないとどうなるのでしょうか?

もし隣の部屋や近隣の家から出火し被害があったとしても、現在の日本には失火責任法により重過失がない限り、賠償責任が発生しません。

つまりアパートの隣の部屋から火災が発生して、自分の家具が破損してしまっても自らで対処するしかないのです。

また個人賠償責任保険は次のような場合に補償されます。

・自転車で歩行者とぶつかり怪我をさせてしまった

・水漏れで下の階の住人に損害を与えた

・アパートのベランダにおいていた植木鉢が落下し通行人が怪我を負った

・飼い犬が他人に怪我をさせてしまった

このような場合の補償額は状況により様々ですが、かつて小学生が起こした自転車事故で9,500万円の損害賠償命令が出たことがあるため、ぜひ備えておくと良いでしょう。

そしてアパートの火災保険で最も重要と言えるのが、借家人賠償責任保険です。

持ち家とは違い、アパートは貸主である大家さんの持ち物です。

入居者は原状回復義務があり、基本的には借りた時と同じ状態にして返さなければなりません。

しかし、火災により部屋が焼失してしまうと原状回復ができず、損害賠償責任が発生してしまいます。

一般家庭で損害賠償責任を十分に負うのにはかなりの負担がかかり、人生が変わってしまうと言っても過言ではありません。

アパートの火災保険料の相場は?

入居者が気になるのはアパートの火災保険の料金ではないでしょうか。

火災保険料は建物の所在地や建物の構造、支払い方法によって変わってきます。

木造アパートの場合は燃えやすいため2年間で20,000~30,000円程度と高く、鉄骨や鉄筋コンクリート造は2年間で10,000円程度と木造より安価です。

また年払いでなく月払いも可能ですが、年払いで支払う方が火災保険料は安くなります。

アパートの火災保険だけに限らず、保険料は補償範囲が広くなればなるほど高くなります。

家財の保険金額によって年間の保険料には違いが出てくるようになっており、家財の保険金額が100万円と500万円では倍以上の保険料の違いが出てきます。

火災保険は火災だけでなく水災や地震に備えることもできますが、その分料金も上がってしまいますので気をつけましょう。

アパートでは「火災保険に入らない」という選択肢ではなく、自分に合った補償内容を考えるようにしてください。

不動産業者が紹介する火災保険は割高?入らない選択肢もあり!

アパートを借りる時の初期費用として、火災保険料が組み込まれていることが多くなっています。

これは火災保険に入らないと万が一の時に補償がなく、対処できないためです。

そのため火災保険への加入は、アパートを借りる上での条件となっていることがほとんどです。

これまでお話ししてきた通り、火災保険に入らないことは決しておすすめできることではありません。

しかし「不動産会社や管理会社が指定する火災保険に入らない」という選択肢を選ぶことは可能です。

不動産会社や管理会社が指定する火災保険は保険料が高い傾向にあります。

これは付けなくても構わない補償内容が最大限につけられているからです。

また、保険会社から不動産会社や管理会社に支払われる紹介料も上乗せされているケースも多いです。

基本的には貸主である大家さんは借家人賠償責任保険にさえ加入していれば問題ないため、不動産会社が紹介する火災保険に加入する必要はないのです。

火災保険に入らなくて良いアパートもある!

火災保険に加入することはアパートの入居の条件になっていることがほとんどですが、中には火災保険に入らなくてもいいアパートもあります。

火災保険に入らないので、更新の度に火災保険料を支払う必要もありません。

近年ではこのようなアパートも増えてきています。

しかし火災保険に加入義務のないアパートは、毎月の家賃が相場よりも割高となっている傾向にあります。

契約書に借主が別途火災保険に入らなくていい旨の記載があります。

通常の火災保険と同じように、家財保険、個人賠償責任保険、借家人賠償責任保険がついています。

ただし補償内容は一律となっているため、家族構成によっては足りないかもしれません。

不足分は自腹となってしまいます。

また火災保険に入らなくてもいいアパートは数が限られているので、探すとなると大変です。

たまたまアパートについている分にはラッキーですが、その場合も補償内容はしっかり確認してください。

アパートの火災保険は定期的に見直しをしよう!

アパートの場合、火災保険に入らないという選択肢は絶対におすすめできません。

入らないという選択肢ではなく、火災保険を見直してみてはいかがでしょうか?

火災保険だけに限らず、保険関係は必要な補償や金額がその時々のライフステージによって変わってきます。

家財の保険金額についても、独身の時と家族が増えてからでは違いが出てくるでしょう。

一般的に単身者の場合100~200万円ほどあれば賄えると言われていますが、大人2名、子供2名の家族4名となると500万円程度の補償が必要となります。

家財道具一つ一つを確認してみると良いでしょう。

また、個人賠償責任保険は自動車保険などにも知らない間に特約としてついていることがあります。

重複しているからといって二重に出るわけではないので、他の保険で契約している場合は外すようにしましょう。

しかもアパートの火災保険はいつでも解約、変更が可能です。

解約手数料は必要となってきますが、契約終了前に解約した場合には前払いした保険料が戻ってきます。

手続きは自分自身でしなければならないので、忘れないようにしましょう。

アパートの火災保険も引越しや更新、結婚や出産などのタイミングで、定期的に見直し無駄のないような補償内容にすることで、保険料を押さえることが出来ます。

火災保険は自分に合ったものに入ろう!

アパートの火災保険は、適切な補償内容で契約することが大切です。

不動産会社が提案するプランは割高なことが多いのですが、自分で探す手間がないのがメリットです。

保険料を押さえたい場合は、必要な補償内容を確認しそれに合った火災保険に加入しるようにしましょう。

火災保険はあくまで入居者自身を守るための保険です。

入らないのではなく、自分に合った保険に入ってくださいね。