失敗回避!サイディングの釘打ち工法はひび割れが目立つの?

オシャレな外観を演出することができ、現在多くの住宅の壁で採用されているのがサイディングです。

サイディングは人気が高い一方で、「サイディングの釘打ち工法はひび割れが目立つの?」「サイディングボードやシーリングにひび割れが起こりやすいの?」といった疑問が浮かびます。

そこで今回は、サイディングのメリット・デメリットから施工方法までご紹介します。

新築を考えている方は、是非参考にしてみてください。

窯業系サイディングのメリット・デメリット

サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料とした外壁素材の一種です。

以前はモルタル壁が主流で使われていました。

しかし、モルタル壁には施工時間も費用もかかり、劣化するとヒビが目立つといった欠点がありました。

そのため、モルタル壁にとって代わって、性能的にもデザイン的にも優れているサイディングが広く普及したのです。

デザインも、ストーン柄・木目柄・レンガ柄・ボーダー柄などがあり、色揃えも充実しています。

窯業系サイディングのメリット・デメリットについて見てみましょう。

●メリット

・耐火性、耐久性に優れている

・デザインのバリエーションが豊富

・コストパフォーマンスに優れている

●デメリット

・釘頭が目立ちやすい

・熱を蓄熱しやすい

・塗られている塗料の膜が劣化し、薄くなると水を吸収しやすい

・シーリングが劣化しやすく、そこから水が浸入しやすい

劣化を放置!サイディングの釘周辺のひび割れが目立つ?

窯業系サイディングも、やはり経年劣化をしてしまいます。

ひび割れに対して何も処置をとらずに放置してしまうと、雨水が建物内に浸入してきます。

まず、雨水が浸入しやすくなると、夏の暑さや冬の凍結などの影響で、サイディング本体がさらにひび割れしていきます。

また、サイディングボードに打たれている釘の周りにも、ひび割れが目立つことになります。

「少しのひび割れくらいなら大丈夫…」と放置してしまうと劣化はどんどん進み、サイディング自体を交換しなければいけない最悪な事態になってしまいます。

さらに、ひび割れから浸入してきた雨水によって、木性の下地材が腐ってしまう恐れも出てきます。

そして雨水は、カビが発生しやすい環境を作り出します。

カビの大量発生は見た目にも気持ち悪いだけでなく、人体にアレルギー反応などを引き起こす危険性があります。

また、構造体を腐らせる原因にもなります。

サイディングから浸入してきた雨水が構造体に浸入することで、シロアリが発生し、侵食されてしまう場合があります。

シロアリに侵食された建物は、地震などに対する耐性が低くなってしまいます。

ひび割れからシロアリの発生に繋がってしまうとは、想像もしていなかった人も多いのではないでしょうか。

ひび割れからの水の浸入は油断大敵なのです。

サイディングの金具留め工法の特徴

サイディングの張り方についても知っておきましょう。

施工の仕方は、「釘打ち工法」と「金具留め工法」の2種類があります。

薄いサイディングは釘留め、厚いサイディングは金具留めを行うのが一般的です。

詳しく数字をお伝えすると、釘留めは14mm以下、金具留めは15mm以上のものに適用されます。

金具留め工法には2つの特徴があります。

●釘跡が目立つのを防ぐ

金具留め工法はサイディングを全て釘で留めません。

ですから、完成後に釘跡が目立ちにくくなるのです。

また、サイディングを留めている釘の釘頭を、サイディングと同じ色の塗料で塗るので、さらにキレイに仕上げることができます。

●地震による外壁のダメージを減らすことができる

地震大国の日本。

いつまた大きな揺れが起きるかわかりません。

地震による建物への被害も心配ですよね。

しかし、金具留め工法を用いれば、横揺れの地震が発生した際にも、金具だけが固定されているので、サイディングのひび割れが起きにくくなる効果が期待できます。

これらの理由から、金属系以外のサイディングの留め付けは、金具留め工法をおすすめします。

サイディングの釘打ち工法は釘頭が目立つのがデメリット?

家は外観も重要ですよね。

サイディングの釘打ち工法の最も大きなデメリットは、釘頭が目立つことではないでしょうか。

釘留めした部分は、釘頭が目立たないように専用の塗料で補修はしてくれます。

しかし、完璧に色合わせをすることは残念ながらできません。

そうなると結果的に、釘頭が目立つことになってしまいます。

釘の本数は一軒に何千本も使用されます。

少し離れた場所からは確認できませんが、近くで見た場合にそれだけの数の釘頭が目立つと、やはりスマートとは言えないでしょう。

新築1年目から2、3年くらい経過すると塗料が剥げてきて、早くも釘頭がはっきりわかるくらい浮き出てくる場合もあります。

それは施工した職人のタッチアップの腕にもよりますが、どれだけ丁寧に作業しても、経年劣化するとポツポツと目立ってきてしまいます。

前項で少し触れた金具留め工法は、サイディングの裏面で金具留めを行います。

ゆえに、釘打ち工法と違って、表面的の留め付けが目立つ事はないのです。

また、釘打ち工法では地震などの振動によって釘が抜けてきて、そこから水が侵入してしまうリスクもあります。

家は生涯でたった一度の買い物となる人も多いので、サイディングの施工の仕方も慎重に決めたいものですね。

サイディングの金具留め工法の懸念点

14mmのサイディングが最も価格が安いです。

しかし、釘打ち工法のデメリットを考えるとあまりおすすめできません。

金具留め工法が可能な15mm以上のサイディングを使用した方が、長い目でみるといいかもしれませんね。

ここで金具留め工法について、もう一度おさらいしておきましょう。

金具留め工法は、サイディング板材への釘打ちを可能な限り減らすために、ステンレス金具を外壁下地に釘やビスで固定し、そのステンレス金具にサイディング板材を引っ掛けて外壁を張ります。

金具によって固定されたサイディングは、自由に伸縮することができます。

そのため反りも出づらいです。

地震などの面では、釘留め工法よりも金具留め工法の方が断然優れています。

また、金具留め工法の場合は部分的に釘を使用しているだけなので、釘頭が目立つことが少ないです。

しかし釘打ち工法と比較すると、やはりコストがかかります。

そして、以下のような施工時の問題点もあります。

・板材の端に釘を打つ際に、サイディングの隅が割れてしまう恐れがある

・通常よく使用されている下穴錐では、錐の磨耗が激しいので、サイディング用下穴錐が必要

サイディングの釘頭が目立つ場合は

新築してから月日がたって、サイディングの釘頭が目立つ場合にはどうしたら良いのでしょうか。

釘自体は防錆加工がされています。

ですから、春夏秋冬などの季節によってや、雨風にさらされても強度が下がることはありません。

結論から言いますと、サイディングの釘頭が目立つ場合は専門業者に再塗装を依頼するか、似た色を自分で塗り重ねる、サイディング全てを再塗装する機会まで待つ…といった選択肢になりますね。

家を持つと、メンテナンスにはお金がかかります。

サイディング外壁を少しでも長持ちさせるためにできることを、日頃から行なっておきましょう。

サイディングを長持ちさせるために必要なことは、定期点検とこまめな補修です。

外壁のチェックを怠らずに、劣化を早期に発見することが重要です。

普段の生活ではあまり外壁をジーッと見ることはないと思いますが、最低でも年に1~2回は点検と掃除を行いましょう。

劣化が起きやすいシーリング材は、5~10年周期で打ち替えできるとよいでしょう。

また、外壁の塗り替えも10~15年を目安に行なうことをおすすめします。

家造りの材料は長い目で選ぼう

オシャレな外観作りにサイディング外壁はかかせませんね。

良い状態で長く使用し続けるためには、定期点検と補修は必要不可欠です。

特に、ひび割れはよく起こりやすいので注意が必要です。

これから先、何十年も住む家造りの材料は、慎重に選ぶようにしてくださいね。