戸建住宅の場合、一般的に角地に建っている物件には高い値段がつけられています。
これは、他の建物に日当たりが左右されずに暮らしていけることや、隣接する他の住宅が少なくて済むからです。
四角い土地で角地の場合には、二方向には隣家が接しますが、残り二方向には空間が広がりますよね。
ただ、角地ならではの「通り抜け」という問題もあります。
それを防ぐために、「角地に外構で通り抜け防止対策する」という方法がありますのでご紹介します。
角地が人気のある理由
角地は外構に通り抜け防止が必要な場合もありますが、それでも不動産を購入したい方々からは人気があります。
その理由は以下です。
1)日当たりが良いこと。
日当たりは、後からお金を出しても買えない可能性が高いものです。
リフォームなどで、ある程度は太陽の明るさを取り入れることはできますが、限界がありますね。
健康的な生活をするためにも、ぜひとも日当たりは確保したいところですので、不動産を購入する時点で日当たりの良い角地を欲しい方が多いのも頷けるのではないでしょうか。
ただし、角地は人気があるので値段も高くなります。
2)隣家に接する面が少ないこと。
交通の便の良い、ある程度の地域に暮らそうと思うと、なかなか隣家との距離が確保できないこともあります。
住宅密集地では、特に隣家の軒先が自分の家の目の前まで迫っているということも多いですね。
そのような場合にも、角地の住宅であれば、圧迫感をあまり感じずに暮らすことができます。
3)「建ぺい率の角地緩和」があること。
不動産探しを続けていると、角地には「建ぺい率の角地緩和」があることに気が付きます。
「建ぺい率の角地緩和」というのは、角地の場合には10パーセント建ぺい率を上げられるというものです。
建築基準法の第53条に詳細が載っていますので、ご興味のある方は直接条文を確認してみてくださいね。
角地に住む方が外構への通り抜け防止対策を考える理由
人気の角地ですが、実際に角地に住む方の中には、外構への通り抜け防止を検討し、実施している方もいます。
なぜなら、角地ならではの悩みがあるからです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
・知らない人に通り抜けされる。
・犬の散歩で勝手に敷地に入られ、糞をされることもある。
・庭で養生中の芝生を踏まれる。
・外から覗かれている気がする。
・外から敷地内にゴミを投げ捨てられる可能性がある。
たしかに、どれも自分の敷地にされたくないことばかりです。
もし、毎日のように知らない人が自分の敷地を横切って行ったり、外を誰かが通るたびに覗かれたりしたら嫌な気分になりますよね。
それから、「空き巣や泥棒に下見をされてしまうのではないか」という不安も出てきます。
自宅にいて安心して暮らせないというのは、非常にストレスがたまる状況です。
これらの問題を解決するために、角地に住む方々は外構に通り抜け防止対策を行いましょう。
具体的にどのような方法があるのか、次の章からお話ししていきます。
角地の外構への通り抜け防止対策①柵をつける
角地の外構への通り抜け防止対策対策の一つ目は、敷地の外周に柵をつけることです。
柵と言っても、さまざまなデザインのものがあります。
素材一つとっても、アルミ系、樹脂系、木材系、スチール系があります。
たとえ同じデザインのものだとしても、素材がこれだけ違えば全く違うものに見えるほどです。
また、高さもさまざまですから、角地の外構への通り抜け防止対策としてだけではなく、外構のデザイン性を高めることも期待できます。
柵にはいろいろな種類がありますので、検討してみると良いでしょう。
例えば、地面からの立ち上がり部分をレンガやブロックなどで下から入り込めないようにすると、散歩中の犬が入り込んで、庭をトイレ代わりに使用される心配はかなり小さくなります。
他にも、プランターをつけられるタイプの柵や、植物のツタを絡ませられるタイプにして植栽も楽しむなど、アイデア次第で単なる通り抜け防止対策ではなくなります。
角地の外構への通り抜け防止対策②壁をつくる
角地の外構への通り抜け防止対策の二つ目は、敷地の外周に壁を作ることです。
外壁材もたくさんの素材がありますが、比較的窯業系サイディングは人気があります。
窯業系サイディングというのは、セメントを基にしていくつかの素材を混ぜ合わせて作られた素材です。
耐震性、耐火性、防火性などの観点から人気があり色や柄も豊富ですから、さまざまな外構に使用しやすいです。
他にも金属サイディングや木製サイディング、タイルやモルタルなどもあります。
家の外観や雰囲気に合わせて、どの外壁材が良いか考えてみるのも良いですね。
外構で戸建ての見た目や印象は大きく変わりますので、納得のいくものを作ってください。
敷地周りに壁を作ると、外部からの視線を遮ることができます。
リビングから外を見て、通行人と目が合ってしまったという経験をした方には特におすすめです。
角地の外構への通り抜け防止対策にかかる費用
角地の外構への通り抜け防止として柵や壁を作る際、気になるのは費用です。
外構業者に支払うお金は、基本的に材料代と施工費が必要です。
どれくらいの長さや高さにするかによって値段は変わりますし、何よりもどの素材を使うかによって、値段は大きく変わります。
比較的スチール系の素材は値段が安めですが、長く使うものですから値段だけで決めるのはお勧めできません。
また、施工費は業者によってかなり違います。
ですから、必ず複数の業者から見積もりをとって、値段と提案内容を見てみましょう。
新築の場合、満足のいく外構を作るには建物価格のおよそ1割の金額が必要だと言われています。
外構工事にはそれなりの費用がかかりますが、外構にどの程度の内容を求めるかによって値段は変わります。
そのため、目的をはっきりさせておくと無駄な出費は減らすことができます。
特に、敷地に高低差がある場合には、平らな土地よりも外構工事にお金がかかります。
外構業者に予算と優先したいことを伝え、複数社で比較すると自分の希望もよりはっきりしてきます。
その上で、予算で収まる内容なのか、予算オーバーしてもやりたい内容と削りたい内容を判断していくと良いでしょう。
角地の外構への通り抜け防止対策にはどのような効果がある?
角地の外構への通り抜け防止対策の最大の効果は、外部と自分の敷地を明確に分けられることです。
自分の生活空間に勝手に入り込まれない状況が作り出せるのは魅力的ですね。
それから、外構のデザインによっては外部からの視線も遮ることができますから、プライバシーも守れます。
また、防犯効果も期待できます。
外構を先が尖ったデザインにして乗り越えにくくしたり、高さのあるデザインにしたりすれば、空き巣や泥棒も入りにくくなります。
外構費用は内容によって高くなりますが、優先順位をつけて費用を抑えながら最大限の効果を得られるように設計の段階で話を詰めておきましょう。
角地の外構での通り抜け対策は優先順位を考えて
角地の外構への通り抜け防止対策は、何を優先したいかで決めていくとスムーズにいきます。
通り抜け防止は最優先事項だとして、次に優先したいのがデザイン性なのか、防犯性なのか、視線の遮りなのか、予算なのかという具合に、一つずつ検討してください。
今までなかったフェンスや壁を想像するのはなかなか難しいことなので、外構業者から見積もりと一緒にパースを作ってもらいましょう。