不動産を売却する時や相続する時など、不動産を管理する時は地番が必要です。
ですが、普段私たちが使っている住所とは異なることが多いため、地番が分からないという人も多いでしょう。
「調べ方が分からなくても、市役所に行けばなんとかなる」と思われる人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
地番の調べ方について詳しくご紹介しますので、参考にしてみてください。
市役所で地番は調べられる?
地番とは、登記所が日本全国の土地を管理するために、土地ごとにつける番号のことです。
普段生活していく中で使われているのは、住所と呼ばれている住居表示が主となっていますので、地番という言葉に、馴染みがない方も多いでしょう。
ですが、不動産の登記情報を確認する際や売買、相続などが原因で移転登記をする場合には、必ず地番が必要となります。
この地番が分からない場合、市役所へ行けば分かるだろうと勘違いしている人が多いのですが、地番の調べ方として市役所を利用するというのは、必ずしも正解であるとは言えません。
なぜなら地番というのは、市役所が管理するわけではなく登記所が管理しているからです。
市役所によっては調べることができますが、地番の調べ方は異なるため対応もバラバラです。
例えば、兵庫県西宮市は、ホームページの地理情報システム「にしのみやWebGIS」で、地番を住居表示から検索することが可能です。
その一方で福岡県福岡市では、地番については市役所ではなく、法務局での調べ方を推奨しています。
無駄を省くためにも、一度連絡をしてから、市役所に出向くことをおすすめします。
住所と地番が同一の時もある!?
中には、「普段使っている住所と地番が同じだった」というケースも存在します。
これは住居表示制度が導入されていないためです。
住居表示法に基づく住居表示制度が導入される前、住所は地番でした。
しかし、分筆や合筆が繰り返されたことにより、地番が整然としなくなりました。
それにより、郵便物の配達に支障が出るなど生活に不便が生じ、住居表示制度が導入されたのです。
しかし、全国の全ての市町村が住居表示制度を導入しているわけではありません。
特に都市部では、積極的に導入されているようではありますが、政令指定都市でも京都市は導入していません。
また、東京都多摩市では、住居表示制度は導入されてあらず、土地の地番を用いているとホームページでも記載されているので、市役所へ地番を調べに行ったとしても、同じことが言われるだけでしょう。
このように、地番の調べ方としてはまず、地番を調べたい土地に住居表示制度が導入されているのかどうか調べることが必要てす。
住居表示制度が導入されていなければ、地番で管理されているということになるので、地番を調べる必要がないのです。
市役所以外での地番の調べ方は?
市役所以外にも地番の調べ方には、いくつかの方法があります。
例えば、ブルーマップという地番が分かる地図帳を使えば住居表示から地番を調べることが可能です。
ただし、このブルーマップは高価なため、地番の調べ方としては現実的ではありません。
20000円くらいのものから、場所によっては50000円を超えるものまであり、どこにでも置いてあるものでもないのです。
市役所や少し大きめの図書館などに置いてあることがありますが、最新のものとも限らないので、市役所へ行った際などに、ついでに見るというスタンスがいいかと思います。
また、自己所有の土地や建物であれば、市役所で名寄帳を取ることによって、地番を調べることができます。
地番の調べ方として、市役所で固定資産税課税台帳を閲覧したり、送られてくる納税通知書で確認する方法もあります。
しかし、いずれも対応関係までは分からないため、いくつもの不動産を所有しているような場合には、注意が必要となります。
市役所で調べるより簡単な地番の調べ方!
地番の調べ方として一番簡単なのは、やはり市役所などで調べるよりも、法務局で調べるやり方です。
そもそも地番というのは、登記所が管理するためにつけた土地の番号なわけですから、法務局へ行けば、地番は調べられるのです。
ただし、法務局が業務を行っているのは平日の限られた時間です。
土曜日、日曜日、祝日、年末年始などは業務を行っていないので、会社員の方が法務局に出向くのは難しいかもしれません。
現在では、民事法務協会が提供する登記情報提供サービスや、株式会社情報通信ネットワークが運営するJTNマップなどを使えば、インターネット上から地番を調べることが可能となっています。
どちらも地番を調べるだけなら、無料でできるのがポイントですが、必ずしも地番が分かるわけではない、というデメリットも頭の中に入れておく必要があります。
また登記情報提供サービスもJTNマップも利用登録が必要となり、手間がかかるのは間違いありません。
やはり、確実で簡単な地番の調べ方として、登記資料が保管されている法務局への問い合わせとなりますので、一度電話で問い合わせしてみることをおすすめします。
住所が不明の場合の地番の調べ方は?
前項までに、地番の調べ方として、市役所や法務局に行くことやインターネットを利用する方法をご紹介しました。
ここでは、地番だけではなく住所も不明の場合の地番の調べ方をご紹介します。
自己所有の土地で、住所も分からず地番も分からない場合には、市役所で名寄帳を取って調べていけば良いのですが、他人所有の土地である場合にはそうもいきません。
住所が不明のまま市役所へ行ってもいいのですが、担当者が不慣れだとかなりの時間を要することもあります。
大体の場所さえ分かれば「いつもNABIラボ」というサイトから、住所や地番を調べることが出来ますので参考にしてみてください。
その他、地番は分かりませんが「Googleマップ」なども、実際の写真や、航空地図などの記載があり、住所の調べ方としては有効な手段ですよ。
もちろん法務局でも、調べることはできますが、住所が分からない場合には、電話で教えてもらえないので、法務局へ出向く必要があります。
山林や区画整理後の土地の地番を調べる時は注意!
地番の調べ方として注意が必要なのは、山林や区画整理後の土地を調べる場合です。
山林といえども、原則的に地番は必ず存在します。
山林の地番は、境界がどこからどこまでか分かりにくいので、公図や地積測量図などを取得して、調べていく必要があります。
森林組合などに問い合わせすることも、山林の地番の調べ方としては有効です。
また区画整理後の土地は、従前の土地と換地後の土地の地番情報が、食い違うこともあります。
区画整理後の土地の地番を調べる時には、市役所に区画整理事業に関する資料が保存されていますので、市役所に確認しておきましょう。
都道府県が施行する区画整理事業については、市役所ではなく、都道府県庁に保存されていますよ。
市役所の他にも地番の調べ方はある!
地番の調べ方には様々な方法があり、市役所に聞くことだけが、地番の調べ方ではありません。
近年のインターネットの普及により方法が多様化していますが、一番確実となる地番の調べ方は、法務局へ聞いてみることですね。
地番を調べたい土地によっては法務局と合わせて市役所などに問い合わせする必要も出てきますので、まずは電話で問い合わせしてみましょう。