近年は、新築にこだわらずに中古物件を選ぶ人も増えています。
中古物件の購入にも住宅ローンを使うことができますが、審査の流れなどを詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
今回は、住宅ローンを使って中古物件を購入する際の審査の流れや、住宅ローンを選ぶ際のポイントなどをお伝えします。
住宅ローンを使って中古物件を購入したいと考えている人は、ぜひ読んでみて下さい。
中古物件を選ぶメリット
今回は、住宅ローンを使って中古物件の購入を考えている人に向けて、住宅ローンの種類や審査の流れ、その選び方などをお伝えします。
ですが、まずはじめに、中古物件を購入するメリットを見ておきましょう。
新築ではないにしろ、中古物件には中古物件ならではのメリットがあります。
例えば、
・実際の生活をイメージしやすい
・手頃な価格で購入できる
などです。
また、最近では、すぐに入居できるようにあらかじめリフォームされてから売りに出される中古物件もあります。
中古物件というと、
・他人が住んでいた
・希望通りの間取りの物件になかなか出会えない
などデメリットに目が行きがちですが、中古物件には中古物件の良さがあります。
近年、中古物件を購入する人が増えているのは、そこに注目して家を選ぶ人が増えているということでもあるのです。
そして、中古物件であっても、住宅ローンを利用して購入することが可能です。
次の章では、中古物件を購入する際に利用できる住宅ローンについてお伝えしていきます。
中古物件購入時に使える住宅ローンの種類
中古物件の購入に使える住宅ローンには、「変動金利」と「固定金利」の2つの金利タイプがあります。
変動金利というのは、金利が半年ごとに変わっていくタイプの住宅ローンです。
対して、固定金利は、返済期間中の金利がずっと一定のタイプの住宅ローンです。
ただし、固定期間が長いと、その分、金利が高く設定される傾向にあります。
また、「公的なローン」か「民間のローン」かでも違ってきます。
公的なローンは、財形融資や自治体融資などです。
財形融資は、勤務先で財形貯蓄を1年以上していて、貯蓄の残高が50万円以上ある場合に限られますが、該当する人は確認してみると良いでしょう。
また、自治体融資は自治体が行なうものなので、金利が比較的安いです。
しかし、行なっていない地域もあるので、事前に確認しましょう。
一方、民間のローンには、
・金融機関(銀行や信用金庫など)のローン
・民間企業が行なっているローン(ハウスメーカーなど)
・住宅金融支援機構と金融機関が連携しているローン(フラット35)
があります。
金融機関では、様々なタイプのローンを扱っていますが、ハウスメーカーなどの民間企業が扱う中古物件用の住宅ローンでは、長期固定金利型ローンが多いです。
また、フラット35は、審査基準は厳しいですが、最長50年のローンが組めます。
中古物件購入時の住宅ローン審査の流れ
では、中古物件購入時、住宅ローン審査がどのような流れで行われるのかを見ていきましょう。
おおまかな流れは、以下の通りです。
①事前審査に申し込む
②審査について可否の連絡が来る
③条件の調整をする
④本審査に申し込む
⑤審査に通れば住宅ローン契約
⑥竣工検査
⑦融資開始
事前審査と本審査の2段階で行われるので、まずは事前審査に申し込みます。
申し込みにかかる時間は、数日~2週間です。
家の間取りプランと見積もりができてから、住宅ローンの申込書に必要事項を記入して提出して下さい。
その際、住民票や印鑑証明なども必要になるので、あらかじめ用意しておきましょう。
そして、申し込んでから1週間ほどして審査可の連絡が来れば、条件の調整に入ります。
ここでは、数日間で金融機関の担当者を交えて借り入れ額やその内容を確認します。
その後、本審査の申し込みをします。
大体、審査に1~2ヶ月ほどかかりますが、審査に通れば、住宅ローンの契約ができます。
しかし、審査に通って、数日~1週間程度かけて契約を行なっても、まだ融資はされません。
なぜなら、家の竣工検査をして、クリアする必要があるからです。
家の竣工検査をクリアできて、ようやく金融機関からの融資が開始されます。
そして、そこからローンの返済も始まります。
中古物件購入時の住宅ローンの上手な選び方
先ほどもお伝えしたように、住宅ローンの審査にはかなりの時間がかかります。
それは、新築でも、中古物件の購入でも同じです。
また、「事前審査では通りそうな雰囲気だったのに、本審査では通らなかった」という人もいます。
そうなると、他の住宅ローンを当たることになりますね。
そのため、住宅ローンの利用を考えている人は、そうしたことも視野に入れて、余裕のある計画を立てるようにしましょう。
また、住宅ローンを上手に選ぶことも重要です。
住宅ローンの上手な選び方は、自分に合うローンを探すことです。
具体的には、
・金利やローンについて情報を集める
・返済額に無理がないかシミュレーションする
ことがポイントになるでしょう。
金利は、経済の情勢次第で変わるので、借りる時は、将来どうなるかは分かりません。
だからこそ、こまめに金利情報を確認するようにしましょう。
そして、色々な住宅ローンを見比べ、毎月の返済が可能かどうかをシミュレーションすることが大事です。
その場合は、借り入れ額を決めてからシミュレーションすることをおすすめします。
自分に合うローンは人によって違うので、誰かの正解=自分の正解ではありません。
自分と家族が何を求めるのか、どのくらいなら無理なく返済できるのかを考えて選びましょう。
現在は本当に様々な住宅ローンが出ているので、情報をよく集め、「自分に合うローン」はどれなのかをしっかり吟味して下さい。
住宅ローンを組んで中古物件を買う場合、何を審査される?
では、住宅ローンを組んで中古物件を買う場合、どんなことが審査されるのでしょうか。
具体的には、以下のような審査があります。
・収入額
・勤務先と勤続年数
・信用情報
・返済負担率
・団体信用生命保険に加入できるか
これらは、住宅ローンを使って新築住宅を購入する場合とほぼ同じです。
まず、収入額、勤務先、勤続年数ですが、これを見ることで、借り入れ額とのバランスが取れるかどうかや安定した収入があるかどうかが審査されます。
そして、自動車ローンやクレジットカードの借り入れの有無やその返済状況も、信用情報照会によって確認されます。
返済負担率は、「年収に対する年間の返済額」のことなので、大体20~30%であれば審査に通ると言われています。
また、団体信用生命保険への加入できるかについては、利用を希望しているローンによって対象になるかどうかが決まります。
例えば、
・購入者に何かあった時のために、団体信用生命保険への加入が必要なローン
などでは、この審査も受けることになります。
このように、中古物件を購入する場合も、概ね新築住宅と同じような流れで審査されることになるのですね。
中古物件では、「担保価値の審査」にも時間がかかる!
しかし、中古物件の購入に当たっては、一つ注意点があります。
それが、中古物件の「担保価値の審査」です。
担保価値とは、築年数や立地といった、物件そのものに対する審査で、新築住宅でも審査されます。
しかし、ローンを返済できるかどうかが重要視される新築と違い、中古物件ではこの審査にも時間がかります。
なぜなら、新築・中古物件共に、物件の住宅ローンを返済できなくなれば、その物件を売って残りのローンを完済することになるからです。
その場合、新築ならば買い手が付く可能性が高いですが、中古物件では、売却できる価値がなければ売れません。
融資した側(銀行や民間企業など)は、融資したお金が回収できないのでは困ります。
そのため、売却ができる物件かどうかを細かく審査する必要があるのです。
住宅ローンを使って中古物件を購入する場合には、「担保価値」も重要になってくるので、物件を選ぶ時から、そうした視点を持つことが重要と言えますね。
住宅ローンの利用を考えている人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
自分に合った住宅ローンを選ぼう!
今回は、住宅ローンを組んで中古物件を購入する場合の審査の流れや、ローンの選び方についてお伝えしました。
中古物件の購入に使えるローンには、多くの種類があるので、選ぶ際にはきちんとシミュレーションすることが重要です。
また、中古物件の購入では、担保価値の審査にも時間がかかります。
住宅ローンの利用を考えている人は、自分に合うローンを組んで無理なく返済していきましょう。