賃貸アパートは、木造や鉄筋コンクリートなどで造られたものがあり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
特に木造アパートのデメリットとして、騒音トラブルになりやすいという話を耳にしたことがある人は多いでしょう。
ここでは木造アパートに着目し、なぜ防音性が低いのか、防音性を高めるにはどうすれば良いのかについてお話します。
防音性が低い?!木造アパートのデメリット
土台や柱、壁といった、建物に使われている構造体の全てに木材を使用しているのが木造アパートです。
木材は素材そのものの気密性が低く、音を通しやすいため、他の素材で作られた建物よりも、防音性が低くなります。
そのため、木造アパートにおいては、騒音トラブルに遭いやすいのです。
これが木造アパートで生活する上で、最大のデメリットと言えるでしょう。
また、木材の気密性の低さは防音性だけでなく、冷暖房効率にも影響します。
冷え性の人は特に、冬は室内が冷えやすく感じるでしょう。
しかしこれらのデメリットは、断熱材を多く使ったり、防音面を強化するための工夫をすることで、ある程度改善されるので、木造アパートだから必ずしもうるさくて寒いとは言えません。
そして、誰もが知っている木材の特性として、燃えやすい点があげられます。
そのため、鉄筋コンクリート造のような他の素材を使用した建物と比べると、火災のリスクが高くなるので、火災保険が多少割高になってしまうというデメリットがあります。
木造アパートならではのメリット
木造アパートは、素材の特質により、防音性や耐火性の低さといったデメリットがあることは先にお話ししました。
しかしながら、木造アパートは今でも新しく建て続けられており、需要もあります。
そこには木造アパートにしかないメリットがあるからです。
ここでは木造アパートのメリットについてご紹介します。
・建築費用が比較的安く済むため、周辺相場と比べて家賃が安い
・木材ならではの通気性の良さから、湿気や熱が室内にこもりにくく、結露も発生しにくい
・木材の建物は、他の素材の建物と違って、柱などの出っ張りがないため、家具を配置する際に、室内を有効に使える
・加工しやすい木材を使用するからこそ、おしゃれな物件が増えている
・温かみのある木のぬくもりで、精神的にも落ち着ける空間が手に入れられる
木造アパートにも有効!防音性を高めるための対策
木造アパートならではのメリットが多くあることがわかり、住みたいと思っても、やはり防音性が低いことは気になるでしょう。
ここでは、木造アパートでも効果が期待できる、防音性を高めるための方法をご紹介します。
・防音アイテムを活用する
音が入ってくる場所、漏れやすい場所に、防音や吸音効果のあるアイテムを取り入れることで、お部屋の防音性を高めることができます。
パネルタイプやシートタイプの防音アイテムを、壁などの音が漏れやすい場所に貼ったり、隙間テープを活用するのもおすすめです。
・インテリアは防音効果のあるものを購入する
カーテンやカーペットのようなインテリアには、防音効果のある商品が数多く販売されています。
上の階に住んでいるのであれば床、道路に面した物件であれば窓、これらの場所に防音効果のあるインテリアを取り入れるのがおすすめです。
・隣家を意識した家具の配置
タンスや本棚といった大型家具を、隣家との境となる壁に設置すると、壁が厚くなったのと同じように防音効果を高めることができます。
逆に、テレビや冷蔵庫のような音がする家電は、隣家との境となる壁に設置すると、音がより伝わりやすくなってしまうので、避けた方が良いでしょう。
最大の防音対策は響く音を知ることと心がけ
騒音トラブルの原因となる音は様々で、物件の構造によって特に響きやすい音の種類が異なります。
築年数の経過した木造アパートの場合は、どのような音の種類であっても響きやすいです。
木造アパートは、空気音と言われる話し声やテレビの音が特に響きやすくなります。
空気に伝わって響く音には、遮音効果のある防音アイテムが有効です。
窓や壁に遮音効果を意識した防音対策を行うと良いでしょう。
また、テレビの音の防音対策としては、テレビの裏に吸音効果のあるシートやパネルを貼ることで軽減することができます。
大きな音量でテレビを楽しみたいときには、ヘッドフォンを使用すると安心です。
スリッパを履いて生活したり、振動が大きい家電には防振ゴムを付けるなど、音の原因に直接対策することはとても有効です。
これくらいの音なら聞こえないだろうと思っていても、考える以上に響いています。
部屋や家電に対策した上で、響きやすい音を出さないよう意識して心がけることが、最大の防音対策となるでしょう。
契約前にできる!アパートの防音性を確認
ここまで木造アパートの防音性の低さについてお話ししてきましたが、木造だから必ず防音性が低い、それ以外の構造ならば防音性が高い、というわけではありません。
建てる時点でどの程度防音対策がされているか、間取り、周りの環境によって、どのような構造かに関わらず防音性は異なります。
「木造だから防音性が低い」と決め付けるのではなく、契約前の内見の際にできる、防音性の確認方法を試してください。
・部屋の中央で手を叩いて反響音を確認する
防音性が低いと音が壁に跳ね返って部屋中に反響します。
・壁をノックして壁の厚さを確認する
ノック音が高いのは壁が薄い証拠です。
・玄関を閉めた状態で外廊下を歩いてもらう
公共廊下の音がどれくらい聞こえるかを確認することで、室内の音の漏れやすさも確認できます。
賃貸アパートで騒音トラブルに遭ったときの対処法
木造アパートに限らず、賃貸アパートにおける騒音トラブルは絶えません。
騒音トラブルの種類は様々で、大音量で音楽をかける、子どもが夜でも走り回るといったモラルが欠如した行為だけが原因ではありません。
壁一枚隔てて家族構成や活動時間の異なる他人が住んでいるアパートでは、悪気のない生活音であっても、相手にとっては騒音と感じることがあるのです。
つまり普通に生活していても、騒音トラブルに遭う可能性が誰にでもあるということになります。
トラブルに発展する前に、防音対策を行うなど、自分なりの対処をすることは大切です。
それでも改善されない場合は、アパートの管理会社か大家に相談しましょう。
アパート住人が見る掲示板に注意喚起の文面を掲示したり、個々のポストに注意喚起の文章を投函するといった対応をしてくれます。
酷い騒音となると、相手の家に直接注意しに行きたくなるかもしれません。
しかし相手によっては嫌がらせをされることもありますし、何より今後アパートで暮らしていく上で気まずさもあります。
まずはアパートを管理している人に相談することをおすすめします。
防音対策をして木造アパートで快適な生活をしよう!
日本に昔からある木造アパートは、通気性の良さや価格の安さといったメリットがある一方、音が響きやすいという防音性の低さがデメリットになっています。
しかし建築技術の向上や、多種多様な防音対策アイテムにより、デメリットは緩和されつつあります。
可能な限りの防音対策がなされた物件を見極め、自らも対策や心がけをすることで、木造アパートで快適な生活を送ることができるでしょう。