今やエアコンは私たちの生活に欠かせないものとなってきました。
賃貸アパートにも最初からエアコンが取り付けられている物件は、多数あります。
しかし、様々な事情により新しくエアコンを取り付けたいと思うこともあるでしょう。
当然のようにエアコンが取り付けられると思いこんでしまうと、後にトラブルへと発展しかねません。
アパートにエアコンを取り付ける際に注意すべきことをご紹介しますので、参考にしてください。
アパートのエアコンは新規で取り付けできる?
「エアコンがついていない部屋に取り付けをしたい」「新しいエアコンに取り替えたい」という理由から、エアコンの取り付けを考える人は多いでしょう。
持ち家であれば自分の好きなようにできるのですが、アパートの場合はそうもいきません。
賃貸アパートはあくまで貸主である大家さんから部屋を借りているだけなので、勝手にエアコンを取り付けることは原則禁止となっています。
これはエアコンの取り付け工事をするにあたって、室内機と室外機をつなぐ配管を通す穴をあける必要があったり、室内機を固定するためにビスで穴をあけたりする必要があるためです。
生活に密接に関わりのあるエアコン取り付けのためでも、許可なく他人の所有物を破損させてはいけません。
だからと言ってアパートはエアコン取り付けが出来ないわけでもありません。
エアコン取り付けについての取り決めはアパートごとに大きく異なるので、まずは大家さんや管理会社に相談してみましょう。
許可なくエアコンを取り付けてしまうと、トラブルに発展する可能性が高いので要注意です。
エアコンの取り付け工事費用は誰の負担?
エアコン取り付けにかかる費用は高額になるため、費用はどちらが負担するのか、しっかりと確認しておく必要があります。
これは、アパートのエアコン取り付け工事費用を大家さんや管理会社が負担してくれるケースもあるためです。
費用を負担してもらえるケースというのは、
・契約書に設備としてエアコンが記載されている場合
・契約期間中の修繕の条項に含まれている場合
のみとなります。
例えば「エアコンがついていない部屋に新しいエアコンを取り付けたい」「電気代のために最新のエアコンに取り替えたい」など、入居者の都合による取り付け工事は含まれません。
エアコン取り付け工事にかかる費用を一部負担することで、アパートの大家さんや管理会社と交渉することは可能ですが、自己負担の可能性も視野に入れておきましょう。
アパートのエアコン取り付けにはどれくらいの費用がかかる?
では、実際にアパートのエアコン取り付けにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
家電量販店などへ行くと標準取り付け工事費用込みの金額が提示されています。
六畳用のエアコンで5万~8万円が相場でしょうか。
しかし、アパートへの取り付けには注意が必要です。
元々エアコンが設置されていた部屋に取り付ける場合には、標準取り付け工事費用内に収まることが多いのですが、そうでない場合は追加費用を請求されることが多くなります。
特にアパートへエアコンを取り付ける時は
・エアコン専用のコンセントの有無
・室外機を設置する場所までの距離
・配管用の穴の有無
に注意しましょう。
電源回線の容量不足を回避するためにエアコン専用コンセントは必要になるのですが、こちらは標準取り付け工事費用には含まれていないことがほとんどです。
費用としては1万5千円程度です。
また配管用の穴が開いていない場合も追加費用となる場合が多いようです。
費用は5千円~1万円程度と建物によって異なります。
室内機と室外機までの距離によっても追加料金が発生することもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
自分でエアコンを取り付けた場合、退去時はどうすればいい?
エアコンを取り付けたアパートから引っ越しをする時、エアコンはどうしたら良いのか悩むこともあるでしょう。
引っ越し先にエアコンが完備されているのなら尚更のことです。
エアコンが不要な場合は「使えるなら置いていってもいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
これはアパートごとに対応が異なり、大家さんや管理会社によります。
どんなに高額なエアコンや使用可能なエアコンでも、大家さんや管理会社から「撤去してくれ」と言われれば撤去しなければなりません。
逆に大家さんや管理会社が「置いていってもいいよ」と言えば、撤去しなくても問題ありません。
アパートなどの賃貸物件には退去時に原状回復義務が課せられますが、どこまで適用されるのかはエアコン取り付け前にしっかりと確認しておきましょう。
前入居者が残していったエアコンをそのまま次の入居者に貸し出すと、修理や撤去処分などの費用を大家さんが負担しなければならないため、撤去するよう言われることが多いのが現状です。
エアコン取り付け不可のアパートもあり!
アパートのエアコン取り付けについては大家さんや管理会社に事前に確認する必要がありますが、必ずしも取り付けできるアパートばかりではありません。
これは「エアコンの設置場所が確保できない」場合や「室外機を置くスペースがない」場合など、アパートの構造上に問題があるケースです。
このような場合にはエアコンの取り付けが出来ないこともあります。
また稀ではありますが、エアコン取り付け工事を行うにあたって大家さんの許可が取れないこともあります。
これはエアコンの室外機と室内機をつなぐ配管を通す「エアコンスリーブ」という穴がなく、外壁に穴をあけなければいけない場合などに拒否されてしまうことが多いようです。
拒否の理由は大家さんによりますが、貸主である大家さんがエアコンの取り付けを拒否するのなら、残念ながら従うより他ありません。
エアコンの取り付けについて、入居時にエアコンの取り付けが可能かしっかりと確認を取っておく必要があるでしょう。
アパートにエアコンが取り付けられない時の対処法
もし様々な理由により、アパートの一室にエアコンを取り付けることはできない時はどうすればいいのでしょうか?
「どうしてもエアコンを取り付けたい!」と思っても我慢するしかないのでしょうか。
冬場はエアコンの変わりとなるようなものがあっても、夏のエアコンの代用品は圧倒的に少ないのが現状です。
湿度と温度をきちんと下げることができる機械はエアコン以外にないのです。
夏の気温は年々上昇し、それとともに救急車で搬送された熱中症患者も増えています。
しかもそのうち3割は住宅内で発症しているというのです。
アパートにエアコンの取り付けができないからと諦めてしまっては、身体に支障をきたしてしまうかもしれません。
アパートの構造上どうしても通常のエアコンの取り付けができない場合は、窓用のエアコンを検討してみてください。
窓用エアコンは室外機も必要なく、窓スペースにエアコンを取り付けることができるため、構造上エアコンが取り付けられない人におすすめです。
エアコンスリーブという穴をあける必要もないので賃貸アパートではぴったりです。
ただし、窓の可動域が狭まったり、窓の大きさによって設置できるかどうかが変わってきます。
また目線上にエアコンがあるので、インテリアなどに凝りたい人には不向きかもしれません。
エアコン取り付けができない場合は検討してみると良いでしょう。
賃貸アパートではエアコン取り付けにご注意を!
賃貸アパートでは新たにエアコンを取り付けることができるかどうかは、大家さんや管理会社次第です。
許可なくエアコンを取り付けてしまうと、退去時に原状回復義務により多額の費用がかかってしまうかもしれません。
まずはエアコンを取り付けてもいいか確認を取り、無理であれば窓用エアコンなども視野に入れてみましょう。
出来ることなら、入居前に確認しておくといいですね。