アパートに新しく入居する場合、挨拶はするでしょうか?
「挨拶するのは当然!」と思う方がいる一方、最近では「面倒臭い」「近所付き合いがわずらわしい」などの理由から、入居の挨拶をしない方も増えているようです。
また、「防犯上挨拶をした方が良い」という考え方と、「防犯上挨拶をしない方が良い」という真逆の考え方もあるようです。
それでは、アパート入居時の挨拶についてはどうするべきか、見ていきましょう。
アパート入居時の挨拶は必要?現状は?
少し前までは、「向こう三軒両隣」などと言い、引っ越したときには、お向かいの三軒と両隣には挨拶するのが常識だとされていました。
「困ったときはお互いさま」と助け合い、多少の迷惑もご近所だからと目をつぶる、近所に住んでいる人がわかっていたからこその付き合いがありました。
しかし、現在ではマンションやアパートなどの集合住宅が増え、どこに誰が住んでいるのかわからないという場合も多くなっています。
また、できれば近所の方とかかわりを持ちたくないと考える方もいるようです。
今でも隣組が機能し、ご近所が助け合っている地域では、アパートであっても入居の挨拶は続いていることでしょう。
しかし、過去3年以内に引っ越しをした方の35%が挨拶をしなかったということです。
つまり、3人に1人は挨拶をしていないことになります。
ちなみに、年代別では10代が最も高く43.5%、反対に30代は31.5%と最も低くなっています。
アパート入居時に挨拶をしない理由とは?
引き続き、引っ越し時の挨拶を見てみると、意外な結果なのが50代です。
挨拶をしなかった方が、10代の次に多い40%という結果になりました。
これは、新たな人間関係がわずらわしいと考える方が多いからのようです。
では、引っ越し時に挨拶をしない理由には、ほかにどんなものがあるのでしょうか。
・タイミングや時間が合わなかった 32%
・近所付き合いをしたくない 24%
・自分も挨拶されたことがないから 21%
・今まで挨拶をしてこなかったから 20%
・相手に対して迷惑だと思ったから 9%
・どんな人かわからず恐いから 8%
・自分のことを知られたくなかったから 8%
・挨拶の仕方が分からなかったから 8%
・その他 8%
アパートなどの集合住宅に入居する場合、隣にどんな人が住んでいるのかわからないと不安ではあります。
また、挨拶がきっかけで、こちらが望まないような親しみを向けられても困ってしまいますよね。
特に、隣に住んでいる方が異性だった場合、男女のトラブルに巻き込まれる可能性があるというのも理由に含まれるかもしれません。
アパート入居時に挨拶をしておいた方が良い場合
ひとり暮らし世帯が多いアパートなどに入居した場合、「タイミングや時間が合わなかった」「相手に対して迷惑だと思ったから」などの理由から、挨拶をしない場合が多くあります。
しかし、ひとり暮らしだからこそ、災害や事故などの非常時に、近所の方とすぐにコミュニケーションを取れるようにしておく必要があります。
近所の方も、どんな人が入居したのかわかっていれば安心できます。
また、反対に助けを求められたときも、知っている人か知らない人かで、事故や事件に巻き込まれずに済むことがあるかもしれません。
集合住宅は、共有部分も多く、隣接している住民とは、騒音などのトラブルも起きやすいので、お互い挨拶をかわせるくらいのコミュニケーションは必要でしょう。
家族で入居した場合は、ゴミ出しなどでご近所の方と会う機会も多くなるため、引越後はなるべく早く挨拶をしておきましょう。
子供がいる場合は、特に注意が必要で、子供の声や足音などの騒音で迷惑を掛けるかもしれません。
先に挨拶をしておけば、トラブル回避にも繋がります。
アパート入居時に挨拶をしない方が良い場合
前述したように、アパートなどに引っ越したとき、近所とのコミュニケーションのきっかけを作るためにも、入居時の挨拶は大切です。
しかし、挨拶をしない方が良い場合もあります。
それは、女性のひとり暮らしです。
いつの世も、女性を狙った犯罪は後を絶ちません。
そのため、どんな人が住んでいるのかわからない集合住宅で、女性がひとりで住んでいることをわざわざ知らせる必要はありません。
また、反対に男性が女性のひとり暮らし部屋に挨拶に行くのも、不審がられてしまう場合があるので注意しましょう。
入居時、管理会社や大家さんに、ご近所への挨拶をした方が良いかどうか聞いておくと安心ですね。
しかし、災害や事故などの非常時に、近所の人をまったく知らないというのも不安です。
非常時のときのために、大家さんや管理会社とはすぐに連絡がつくようにしておきましょう。
それでも不安な場合は、管理人さんがいる物件をおすすめします。
アパート入居時の挨拶はどこまでしたら良い?
それでは、アパート入居時に挨拶をする場合、どこまでしたら良いのでしょうか?
挨拶をした方への調査を見てみると、次のような結果になりました。
・隣の部屋 96.2%
・真下の部屋 63.4%
・真上の部屋 46.2%
このように、隣接する部屋への挨拶が重要視されているようです。
隣の部屋の方とは顔を合わせる機会も多いでしょうし、生活音や生活臭、ベランダがある場合にはその使い方など、近いからこそコミュニケーションを取って、良好に過ごしたいと思う気持ちが強いようです。
また、真下の部屋へは、足音などの生活音でのトラブル回避の気持ちが強いからでしょう。
上の音は下に響きやすいので、特に子供がいるご家庭や、仕事などで周りの方と生活する時間がズレている場合は、挨拶に行って、あらかじめ断りを入れておくと印象が変わってくるかもしれません。
真上の部屋に関しては、挨拶に行く方は半分以下になっています。
これは、真下の部屋よりも、自分から迷惑をかけることが少ないためでしょう。
しかし、「下に入居しました」と挨拶に行くことで、真上の方の生活音が少し和らぐかもしれませんし、何かあったときに事前に顔を合わせておけば、話をしやすいということもあります。
アパートの入居挨拶のタイミングは?
アパート入居当日は、何かと忙しく、自分のことで精一杯なので、挨拶どころではないかもしれません。
しかし、荷物を運びこむなど、何度も出入りしていれば、ご近所の方と顔を合わせることもあるでしょう。
また、同じアパートの方たちも「どんな人が入居するのか?」と、関心を持っていることでしょう。
同じアパートの住人と会ったときには、タイミングを逃さず「引っ越してきた○○です。よろしくお願いします」と挨拶をしておきましょう。
また、隣の方でしたら、「落ち着いたらご挨拶に伺います」と声をかけておくと、挨拶にも行きやすくなります。
入居の挨拶は、片付けが済んで落ち着く引っ越しの翌日か、遅くとも3日以内に済ませるのが理想です。
挨拶に伺うときは、相手が気を遣わない程度の品を用意し、食事時を避けた日中に伺うのが良いでしょう。
ちなみに、持って行くものとしては、タオル、お菓子、洗剤や石鹸などが多いようです。
日中が留守のお宅は、平日の夕食後あまり遅くない時間か、週末の午後がおすすめです。
そのときは、「夜分に申し訳ありません」「お休みのところ、申し訳ありません」などのひと言を添えると良いでしょう。
何度か伺っても留守の場合は、品物と一緒に挨拶のメモを添えて、ポストに入れておくと良いです。
ドアノブやドア付近に置いておくのは、紛失の恐れもありますし、中身がわからないと不審に思われて逆効果の場合があるので気を付けましょう。
アパート入居時の挨拶は大切
アパートに入居したときには、特別な場合を除いて、隣接した部屋の方への挨拶は大切です。
どんな人が引っ越してきたのか、周りの人も不安に思っているかもしれません。
ご近所トラブルを避け、快適な生活をするためにも、ご近所とのコミュニケーションは大切です。
その第一歩が入居時の挨拶ですので、タイミングを外さないように挨拶をしておきましょう。