近年、様々なハウスメーカーが手掛けるようになった軽量鉄骨造の住宅ですが、その耐用年数がどのくらいなのか、気になるところです。
当記事では、積水ハウスの軽量鉄骨に焦点を当てていきます。
軽量鉄骨の厚さや防音などについてもご説明していきます。
建物の「耐用年数」とは?
そもそも、積水ハウスの軽量鉄骨造でも気になる「耐用年数」とは何なのでしょうか。
耐用年数は「法律で決められている建物の寿命」です。
これはどのようなときに必要になってくるのかというと、主に3つの使われ方をします。
【減価償却の計算】
耐用年数は、「減価償却資産(時が経つにつれ、価値が減る資産)が耐えることができる年数」つまりは「建物の寿命」を表したものになります。
この計算に必要になってくるのが耐用年数なのです。
【融資期間】
金融機関の融資期間と耐用年数は、とても深い関係にあります。
例外もありますが、基本的に融資期間は、この耐用年数の年数内で行われます。
融資を受ける場合には、耐用年数を把握する必要があるでしょう。
【実際に住むことができる期間】
耐用年数は、「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」「法定耐用年数」と3種類があります。
それぞれ、「そのもの自体が耐えられる年数」、「メンテナンス費が改築費を上回る年数」、「法律で決められている建物の寿命」とされています。
法定耐用年数はどう?積水ハウスの軽量鉄骨の特徴は?
住宅には、RC構造やSRC構造、重量鉄骨造、軽量鉄骨造、木造と、いくつもの種類があります。
これらはそれぞれ、住宅の法定耐用年数(法律で決められている建物の寿命)に違いがあります。
しかし、積水ハウスも採用している軽量鉄骨造に関しては、法定耐用年数が一言では言い表せないのです。
そもそも、軽量鉄骨は、「厚さ4mm未満の鋼材」のことを言います。
そして「プレハブ工法」と呼ばれる、工場で住宅の大半を作り、現地で組み立てるといった建築方法が一般的です。
積水ハウスの軽量鉄骨は注文住宅はもちろん、賃貸アパートなどでも使われています。
軽量鉄骨の法定耐用年数は、鉄骨の厚みによって2種類に分けられています。
・鉄骨の厚みが3mm以下の法定耐用年数は19年
・鉄骨の厚みが3~4mm以下の法定耐用年数は27年
鉄骨の厚みが4mmを超えると、法定耐用年数は34年になるため、重量鉄骨の区分に入ります。
積水ハウスの軽量鉄骨造の住宅は、他の企業と違い、間取りや設計の自由度が高いことが特徴にあげられます。
それは、「軽量軸組工法」という工法を取り入れているからです。
次項から、詳しくご説明していきます。
法定耐用年数も気になる!積水ハウスの軽量鉄骨造のメリット
前項で、「積水ハウスは軽量軸組工法を採用している」ということをお伝えしました。
これは、どういった工法なのでしょうか。
「木造在来工法」と呼ばれる、日本の古くからの建築方法と似たもので、柱や梁の部分が軽量鉄骨で、筋交いにブレースを使っている工法です。
この工法のメリットは3つあります。
【性能にムラがない】
木材を使って作る住宅では、使われている木材が素人目ではいいものを使っているのか、そうでないのかを判別するのは決して容易なことではありません。
しかし、軽量鉄骨では、規格さえ分かっていればその通りに能力を発揮するでしょう。
【プレハブ工法だから信頼性が高い】
鉄骨軸組工法などは「プレハブ工法」とも呼ばれます。
これは、住宅の一部を工場で製作し、現地で組み立てるという工法です。
そのため、品質が一定します。
【工期が比較的短い】
現場では組み立てるだけになるので、作業の負担が少なく、工期も短くなります。
では、法定耐用年数についてはどうなのでしょうか。
法定耐用年数に違いが?積水ハウスの軽量鉄骨造のデメリット
積水ハウスの軽量鉄骨造の住宅にはメリットが多く感じられますが、デメリットにはどのようなことがあげられるのでしょうか。
【法定耐用年数が木造より短い】
軽量鉄骨造の強度は、木造と鉄筋コンクリート造の間くらいと言われています。
しかし、軽量鉄骨の厚さ次第では、木造よりも法定耐用年数が短くなってしまうのです。
詳しくは後ほどご説明していきます。
【間取りの自由度がやや劣る】
これは「プレハブ工法」の住宅には切っても切れないデメリットと言えます。
一部分を工場で作るために、規格がある程度は決められてしまっているからです。
【リフォームが難しい】
積水ハウスを始めとする大手ハウスメーカー全般で言えるのですが、このような住宅は、リフォームはそれぞれのメーカーに依頼することが多いです。
その理由としては、それぞれのメーカー独自の工法を使って建築をしていることから、他のリフォーム会社では対応できないことがあるためです。
木造の場合は、他のリフォーム会社も対応できる可能性がありますが、軽量鉄骨造では難しいことが多いです。
【断熱性が低い】
軽量鉄骨は触れてもわかるように、熱伝導率が木材に比べ高いです。
そのため、熱を伝えてしまいやすいのです。
軽量鉄骨は法定耐用年数が短い?
積水ハウスでも採用されている軽量鉄骨が「木造よりも法的耐用年数が短い」とは、どういうことなのでしょうか。
先述の通り、住宅における「耐用年数」とはそのほとんどが「法定耐用年数」のことを指し、「法定耐用年数」は「法律で決められている建物の寿命」のことを言います。
最も法定耐用年数が長いのは鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造で47年です。
そして、最も短いのが厚さ3mm以下の軽量鉄骨の19年になります。
ちなみに、木造の法定耐用年数は22年になります。
しかし、軽量鉄骨は厚さで法定耐用年数も異なり、3mm~4mmの軽量鉄骨造は法定耐用年数が27年となり、こちらは木造よりも法定耐用年数が長くなります。
とはいうものの、軽量鉄骨造の住宅は、その多くが厚さ3mm以下の軽量鉄骨を使用しています。
これは、積水ハウスを始めとする大手ハウスメーカーも同じです。
「大手メーカーの住宅が木造よりも耐用年数が短いのは心配」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この法定耐用年数は、あくまで「法律で決められている耐用年数」です。
つまり、その建物が実際に耐えられる年数ということではありません。
メンテナンスさえしっかり行っていれば、この法定耐用年数よりも長く住むことができます。
耐用年数より長く住み続けるための積水ハウスのアフターケア
耐用年数より長く住み続けるための、積水ハウスの軽量鉄骨造のアフターケアはどのようなものがあるのでしょうか。
積水ハウスでは、住宅の引き渡しから3か月・1年・2年・5年・10年・15年と無料での点検があります。
この期間を過ぎても、引き渡しから20年以降から60年までの間は10年ごとに、有料ではありますが点検を行ってくれます。
点検の際に問題が見つかれば、修繕を行ってくれます。
この無料で行われる点検は「20年保証」と言います。
この20年保証は、リフォームの際にも使うことができます。
この保証が切れてしまっても、有料の点検を行うことで、10年ごとに再保証がされます。
また、「大雨が降って、雨漏りしてしまった」ということもあるでしょう。
このような場合、雨漏りは、住宅自体の劣化が原因とされています。
そのため、積水ハウスでは引き渡しから10年以内のこのようなことが起こったら保証されるプランがあります。
メンテナンスを行えば長く住み続けることができる
積水ハウスをはじめとする軽量鉄骨造の住宅は、木造よりも耐用年数が短い場合があります。
しかしながら、メンテナンスを行うことで長く住み続けることが可能です。
積水ハウスでは、長期間の無料・有料点検を行っており、20年もの間保証をしてくれます。
長く住み続けるためにも、これらのアフターケアを活用していきましょう。