注文住宅を建てる場合、間取りをどうするか、庭をどの程度の広さにするかなどを自由に決めることができますね。
その作業は楽しい反面、決めるべきことが多く大変ですが、それを乗り越えれば夢のマイホームが手に入る訳です。
そんな決めるべきことの1つに、リビングの窓の位置や大きさがあります。
そこで、リビングの窓を作る際に、どのようなことに注意が必要なのかをまとめてみました。
リビングは窓からの採光や風通しができる場所を選ぶ
リビングは、家族が長い時間を過ごすスペースであり、団らんする場所のため、家を建てる場合、非常に重要視されます。
できるものなら採光もよく、風通しもできる快適なリビングにしたいものですね。
そのためには、まずリビングの窓の大きさや向きが重要になってきます。
通常マンションなどでは、リビングは南向きが一番よいとされ、そこから売れていきますね。
なぜなら南に大きい窓を作ることで、日当たりがよいリビングが実現できるからです。
また日本では、夏場の風は南から北、冬場はその逆の風が吹くため、南側の窓は風通しにも有効です。
ただ、一軒家の場合は、少し事情が変わってきます。
特に都会の街中などでは、一軒家といっても広い敷地は望めませんし、隣家との間隔も狭いため、立地に合った間取りを考えなければなりません。
例えば、奥まった場所で、南側にすでに家が建っているような場合は、南にリビングを作っても日照は遮られてしまうでしょう。
採光を考えるなら、建物のない公道などに面した方向にリビングを持ってくるか、1階は諦めて2階のリビングにするなどの工夫が必要です。
このように、まずは立地条件を踏まえたうえで、最も採光や風通しに適した場所にリビングを作ることがポイントと言えるでしょう。
大開口窓のリビングはプライバシー対策を万全に
ちなみに、もし私が注文住宅を建てるなら、リビングの窓は構造上問題ない範囲で、できる限り開口部を広くとるでしょう。
また、天井高もできる限り高くし、採光が足りなければ吹き抜けや天窓を作ります。
なぜなら、私が家のリビングに求めるものは、開放感だからです。
窓などの開口部の大きさは、開放感に直結します。
例えば、リビングの掃き出し窓を開け放つと、庭やベランダまでリビングの一部になるような間取りが理想です。
しかし、そのためにはプライバシーを守る対策が必要になってきます。
例えば、向かいの家や公道などからの視線があると、たとえ開放感のあるリビングであっても、くつろぐことができませんよね。
そこで、まずは窓にミラーガラスフィルムを貼って、昼間の外からの視界を遮ります。
夜は日照を考える必要がないため、遮像カーテンなどで完全防護するでしょう。
また、向かいや公道からの視界を遮る位置にルーバーフェンスなどを建てて、光を取り込みつつプライバシーを守る対策もできますね。
もし2階であれば、日光に対して透過性のある素材のひさしなどで、向かいの家の視線からリビングをガードします。
このように、リビングに開放感を求めるなら、窓のプライバシー対策をきっちり行うことがポイントとなるでしょう。
窓の大きさによってリビングに置ける家具が決まる
他にも、リビングの窓の大きさに関して、気を付けるべきことがあります。
それは、家具の配置です。
もしリビングにできる限りの大きさの窓を作ったとしたら、基本的にその部分に家具を置くことができなくなります。
つまり、家具を置くことができる壁面のスペースが減ってしまうことを覚悟しておかなければなりません。
また、掃き出し窓の他に、もう一方向に腰高窓を作って、日光や風を取り入れたい場合は、腰高窓の部分も家具を置くことができなくなります。
そのため、リビングにどのようなものを置くのか、あらかじめ家具の配置まで考えておかねばならない訳です。
そして、もし置ける家具が少なく、収納などが十分でないという場合は、デッドスペースを利用する工夫が必要でしょう。
例えば、家具はできるだけ造り付けにし、デッドスペースになりがちな部分にも棚をこしらえるなどです。
他にも、腰高窓の下に置けるロータイプの家具や左右に置ける細身の家具を選ぶなども1つの対策と言えるでしょう。
このように、窓に合わせて家具を選ぶことはできますが、窓自体は後から変更することができません。
そのため、いろいろなことを考慮し、窓の大きさや位置を決めることが非常に重要になってくるのです。
リビングの窓とテレビの見やすさの関係性
ところで、建築基準法では、居室に関しては、床面積の1/7以上の大きさの開口部を設ける必要があると規定されています。
居室には十分な採光や換気が必要であるためです。
ただ、開口部が必要だからと目的のない窓をやたらと設けたらどうなるでしょう。
昨今は、リビングの中心はテレビとソファーで、それを中心にレイアウトをする家庭が多いようです。
例えば窓の反対側にテレビを置いた場合、太陽光が画面に反射して、テレビが見えにくくなったりします。
このレイアウトでは、せっかく窓を作っても、テレビを見るためにはカーテンを閉め切ることになるでしょう。
また、窓側にテレビを置いた場合なども、窓の外が明るいと、テレビの画面が暗く見えてしまうため、昼間のテレビ視聴には向きません。
オーソドックスなのが、テレビと窓が直角になるレイアウトで、一番光の影響を受けにくい配置と言えるでしょう。
しかし、せっかく直角にレイアウトしても、開口部が足りないからとテレビの後ろや反対側に窓を作ってしまっては意味がありませんね。
それならば、1つの窓をもっと大きくするとか、採光を和らげる曇りガラスのルーバー窓を付けるなど、別の選択をすべきです。
つまり、家族がリビングで過ごす時間帯や光の差し込み方まで考慮し、窓の位置や大きさを決めることが必要なのです。
窓の数や大きさは防犯性能と反比例すると心得るべし
そしてもう1つ、窓の位置や大きさで気を付けるべきことがあります。
それは防犯性です。
リビングは、庭に侵入されると、大きな窓から中が丸見えになり、空き巣の格好のターゲットになってしまいます。
留守中は敷地内の警備システムを作動させ、カーテンを引いておくべきでしょう。
また、窓ガラスは壁と違い、道具さえあれば意外と簡単に割ったり切り取ったりできるものです。
施錠確認が必要なのはもちろんですが、より慎重な空き巣対策などが必要になってくるでしょう。
なぜなら、空き巣犯の約7割が窓からの侵入であるというデータがあるためです。
できれば窓も2ロックにし、割れにくい強化ガラスにしたり、防犯フィルムを貼るなどしておきましょう。
リビングの掃き出し窓や腰高窓は言うまでもありませんが、採光のための小窓でも、人が通れる大きさであれば安心はできません。
トイレの小窓や浴室の窓からでも、実際に空き巣が浸入しているのです。
まず、窓は防犯という意味では弱点になりうることを認識することが大切です。
特に人目に付かない場所には、人が通れるサイズの窓を作ることを極力避け、作るのなら防犯対策を万全にすることが必要でしょう。
窓の大きさの規格とサイズオーダーの場合の注意点
最後に、窓の大きさの規格サイズに少し触れておきましょう。
通常、家の中で一番大きな窓というと、庭やベランダに面した掃き出し窓ですね。
その規格サイズは幅1,690ミリで、高さが1,830ミリもしくは2,030ミリというのが標準です。
また、腰高窓は幅1,690ミリで、高さが370ミリから1,570ミリまで200ミリ刻みといったところです。
そして、その他の飾り窓にもいくつかの種類があり、主なものはルーバー窓や滑り出し窓、ハメ殺し窓や上げ下げ窓です。
飾り窓の幅は405ミリもしくは640ミリ、高さは770ミリ、970ミリ、ルーバー窓と滑り出し窓には高さ570ミリもあります。
基本的にはこのような規格サイズの中から、リビングの窓の大きさを決めることになりますが、注文住宅はオーダーができるのが魅力です。
もっと高さのある掃き出し窓を2つくっつけて、大開口窓の明るいリビングを作ることも可能です。
ただ、1つ気を付けなければいけないことは、窓を規格外にすると、カーテンやブラインドなどもオーダーになるということです。
オーダーになると、規格サイズのものより割高になるため、そのあたりも予算に組み入れておくことが必要でしょう。
たくさん考えて理想のリビングを作ろう
理想のリビングを実現するためには、いろいろな注意点があることがわかっていただけたでしょうか。
窓は快適なリビングにとってかなり重要な要素です。
楽しみながらたくさん考え、理想のリビングを作っていただきたいものです。