木造住宅は無垢の床材を使用したりすることで生まれる、温かみのある味わいが魅力です。
また、独特の木のにおいは癒し効果が期待でき、ゆったりとリラックスできることでしょう。
しかし、木造住宅で気になるのは「音」ではないでしょうか。
隣の部屋の音や、屋外からの音が響きやすいのではないか不安になるでしょう。
今回は、新築する前に知っておくと便利な木造住宅のメリットやデメリット、また遮音性についてお話していきます。
木造住宅の特徴が知りたい!
まず、木造住宅についてお話していきましょう。
現在、日本の住宅は半数以上が木造住宅です。
木造住宅の定義ですが、「土台」「壁」「柱」など、建物の蓄積荷重や自重、水圧などの衝撃を支える構造体が木材であることで決まります。
木造以外の構造では「鉄骨」「鉄筋コンクリート」などがありますが、日本では圧倒的に木造住宅が多いのです。
これについては、後程くわしくご説明しますが、木造住宅は「価格が比較的安い」という理由が大きいためでしょう。
ではここで、木造住宅の建築について見ていきましょう。
【木造住宅の建築(35坪程度)】
・坪単価:40~70万円
・建築期間:3ヵ月~5ヵ月
・法定耐用年数:22年
このようになります。
また、木造住宅は鉄骨住宅などと比べると、どうしても音が響きやすいという印象が強いですよね。
しかし、今は遮音性に長けた木造住宅が多く建築されているのです。
これについても後程くわしくご説明しますが、新築を木造住宅でとお考えの方はそちらで検討すると良いでしょう。
では、続いて木造住宅のメリット・デメリットを見ていきましょう。
木造住宅を新築する前に!メリットが知りたい!
新築で木造住宅を検討中の方へぜひお伝えしたい、木造住宅のメリットがたくさんあります。
遮音が心配される木造住宅ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下でまとめてご紹介していきましょう。
●建築費用が安い
先程もお話ししましたが、木造住宅は他の構造と比べると価格が安くなります。
もちろん、使用する木材で価格の差は出てきますが、それでも鉄骨構造や鉄筋コンクリートに比べると安価です。
また、木材という構造体は他に比較して軽く、基礎工事に手間も時間もかからないため、ここでも費用を抑えることができるのです。
●精神的に安定する
無垢などの自然の木材に囲まれると、人間の精神は安定し、落ち着くという効果があるとされています。
家の中で感じる木のにおいは疲労回復の効果が期待でき、日常の生活の中で木に触れることで、人間の脳は安定すると言われています。
新築したら長い時間をその住宅で過ごすことになりますから、よりリラックスできるのは重要なことですよね。
●調湿効果
木材は湿度を調節する力を持っています。
冬場の乾燥した時期、木材は自身に蓄えていた水分を空気中に出すことができるのです。
また、梅雨などの湿気の多い時期は、空気中の水分を吸い込む働きをしてくれます。
この作用によって、窓の結露やカビの発生も遅らせることができるでしょう。
木造住宅は音が気になる?デメリットも知りたい!
メリットが多い木造住宅ですが、当然デメリットもあります。
新築を検討中の方は、きちんと頭に入れておきましょう。
●耐久性が低い
木材のため、鉄筋コンクリートなどと比較すると耐久性は劣ります。
住宅は長く住むものですから、日ごろからメンテナンスを行い、構造体に影響が出る前に発見・修繕をすることを心掛けましょう。
特に注意すべき点は「防蟻点検」「配管点検」「外装」となります。
これらを定期的に点検することで、耐久性の低さを十分にカバーすることができます。
●音を通しやすい
鉄骨などに比べると、木材は音を通しやすいという性質があります。
そのため、屋外の音が部屋の中に聞こえたり、また室内の音が外に聞こえやすいのです。
家の中でも、隣の部屋の声や音が聞こえてしまうこともあるでしょう。
●品質にばらつきがある
木造住宅は、現場で材木を加工して組み上げる建築方法のため、施工会社の品質管理体制や、職人の腕などによって品質にばらつきが出やすくなります。
防ぐ方法としては、信頼できる建築会社を選ぶことです。
あまりに価格が安く、工期も短く済むと謳っている会社は品質が良くない可能性があるため、注意しましょう。
新築をご検討の方へ!木造住宅のおすすめポイント!
では、木造住宅はどのようなタイプの方に向いているのでしょうか。
建築費用を安くしたいというのはもちろん、ほかにもおすすめするポイントがあります。
以下でご紹介しますので、新築をお考えの方はぜひ参考にしてください。
●自由に間取りを決めたい方
木造住宅は設計の自由度が高いという特長があります。
基礎や柱などの構造体がしっかりしていれば、他の間取りなどは自由に設計することができるのです。
また、リフォームや増築する際も柔軟に対応することができます。
自分の目標とする理想の間取りや住宅がある場合には、おすすめできるポイントでしょう。
●体の弱い方
化学物質に体が敏感な方や、病弱な方には木造住宅をおすすめします。
木材特有のヒーリング効果で、日々リラックスして生活できるでしょう。
しかし、家の目の前が車通りの多い道路などですと、走行音などが部屋に響く可能性もありますので、注意が必要です。
新築におすすめ!住友林業の遮音性に長けた木造住宅
先程、木材は品質にばらつきがあるため、新築の際は信頼できる建設会社を選ぶようお話しました。
そこでおすすめしたいのが「住友林業」です。
住友林業はその社名の通り木材に強い大手住宅メーカーで、自社の山林を所有しているほどなのです。
住友林業の木造住宅は「遮音60仕様」という床構造になっています。
これは床材の下に以下のようなものが入っています。
・ハイブリット遮音パネル
・浮床フェルト
・グラスウール
・遮音マット
これらによって、床からの音の伝わりを軽減することができるのです。
そのため、話し声やテレビの音、足音や落下音なども聞こえにくくなります。
また、住宅の外壁も騒音を低減するために工夫がなされています。
・石膏ボード
・断熱材
・通気層
・外装材
これらを使った、多層構造をしているのです。
それにより、70dB(道路脇の騒音くらい)から35dB(人が静かだと感じるくらい)に低減できたのです。
このように木造住宅でも意識の高い工夫を凝らすことで、遮音性に長けた木造住宅を建築することができるのです。
日常でできる遮音方法は?
木造住宅を新築して、住み始めてから部屋の音がだんだんと気になってくることもあるでしょう。
ここではなるべく費用をかけずに防音できる方法をご紹介していきます。
●家具の配置換え
家の中にいて、隣の部屋の音が聞こえてくるときは家具の配置を変えることが有効です。
壁際に本棚やタンスを配置すれば防音効果が高まるでしょう。
●カーペットを敷く
音は壁からだけでなく、床からも伝わってきます。
床にカーペットやラグを敷くと、騒音を軽減することができます。
数枚重ねて敷くと効果が高まります。
●窓にシートを貼る
よく防寒対策で窓にシートを貼りますよね。
そのシートは防音対策としても活躍します。
今、窓シートは100均ショップでも購入できますので、手軽に手に入れられます。
窓を覆うタイプのものや、外が良く見える透明タイプのシートなどもあるので、家に合ったものを選んでください。
新築するならやはり木造住宅がおすすめ
新築をお考えの方は、住宅にどのようなことを望むかにより、選ぶ構造は違ってくるでしょう。
耐久性などを重視するなら、丈夫な鉄骨や鉄筋コンクリートも良いものです。
しかし、木造住宅は独特の温もりや自然の癒し効果があると言われているので、自宅でよりリラックスして生活できるということが期待できます。
災害大国の日本で木造住宅が選ばれ続けている理由は、建築費用の安さだけでなく、木材に囲まれて生活することを重要視する人が多いためではないでしょうか。