外壁が傷んできり、新しい外壁にしたい場合は、サイディングがおすすめです。
塗装よりも工事費用を抑えられ、耐久性に優れる素材もありますよ。
種類やデザインが豊富なので、この機会に一新してみてはいかがでしょうか。
今回はサイディングの種類からサイディングボードの張り方など、解説していきます。
塗装よりもサイディングがおすすめ?
サイディングの張り方の前に、サイディングのリフォームについてお話をします。
リフォームには、費用も時間もかかることですから、どのタイミングで行うか悩むところですよね。
もし塗装で済むのであれば、サイディングのリフォームは見送るという方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、外壁の状態から判断しましょう。
まずは、建物を建てて、どのくらいの年数が経過しているかです。
築20年を経過しているのであれば、サイディングのリフォームを検討してみてもよい時期です。
また、外壁の劣化が見られ、大きなひび割れがみられるときも、サイディングリフォームがおすすめです。
ただ単に、耐火性を高める目的や、外壁の模様替えなどでもサイディングは有効ですよ。
以上のことから、サイディングのリフォームを少しでも考えたのなら、業者に見積もりを依頼してみるのもいいでしょう。
塗装費用とサイディングが同じような見積もり金額、もしくは塗装のほうが高い金額になれば、サイディングへのリフォームも視野に入ってきやすくなります。
素材からサイディングの特徴が分かる
ひと口にサイディングと言っても1種類だけではなく、さまざまな特徴がある素材を使ったバリエーションがあります。
外壁をリフォームするときは、ぜひサイディングの素材の特徴を考えて選んでみましょう。
●セメント・砂系
セメントなどの素材で作られたものを、窯業系サイディングといいます。
防火性が高いことが特徴ですが、1枚1枚が重くなるため、地震の揺れ等で落下した場合に発生するリスクを考慮する必要があります。
●金属系
アルミや鋼板で作られた金属系サイディングは、耐久性が高くて浸水することがないため、寒冷地などに使用されることが多いです。
ただし鋼板の場合は、表面を保護しているメッキがはがれてしまうと地金にサビが生じてしまいますので、定期的に塗装の塗りなおなどのメンテナンスが必要になります。
●木材系
木材から作られたサイディングは、木の持つあたたかみや、質感を味わえるサイディングになります。
ただし、火や水に弱くて腐敗しやすいため、メンテナンスが欠かせません。
●樹脂・混合物
塩化ビニル樹脂から作られる樹脂系サイディングは、日本ではマイナーですが、カナダやアメリカではシェア率が約50%と、ポピュラーなものです。
寒さに強くてひび割れも起きにくく、施工後の再塗装が不要という特徴があります。
以上、サイディングの素材ごとの特徴をご紹介しました。
次の項では、サイディングの張り替えの費用について見ていきましょう。
30坪あたりのサイディングボードの単価相場
サイディングボードの相場ですが、素材の種類によって価格は違います。
それぞれの単価相場を見てみましょう。
・窯業系サイディングボード 4,000~6,000円/平米
・金属系サイディングボード 3,000~5,000円/平米
・木質系サイディングボード 2,000~3,000円/平米
・樹脂系サイディングボード 3,000~4,000円/平米
仮に30坪(約118.8㎡)の建物に窯業系サイディングボードを張る場合、475,200から712,800円の材料費がかかる計算です。
材料費に加え、シーリング工事などのあらゆる工事費用を加算すると、30坪あたりだいたい150万円から200万円の費用がかかると考えてよいでしょう。
冒頭でも触れましたが、外壁の塗装もこのくらいの費用がかかるとすれば、サイディングの張り替えも検討してみるといいですね。
次項から、サイディングの張り方を解説していきます。
下地の張り方も併せてご覧ください。
下地の張り方
では、サイディングを張る前の工程である、下地の張り方から見ていきましょう。
鉄骨造の場合、はじめに石膏ボードを外壁に張ります。
石膏ボードは、張ることで断熱効果や遮音効果が得られるため、外壁だけではなく、フローリングの下地材としてもよく使われています。
耐火性にも優れていて、厚みがあればあるほど耐火性は強化します。
プラスターボードと呼ばれることもありますが、石膏ボードとの違いはありません。
コンクリート壁もスタイリッシュで人気ではありますが、断熱効果を望むのであれば、断然石膏ボードがおすすめです。
石膏ボードを張り終えたら、建物の内部に雨水や湿気が入り込んでこないように、石膏ボードの上に、下から順に横張りで防水紙を張っていきます。
外壁やサイディングが1次対策であるとすれば、防水紙は構造体にできる最後の防水対策といえますから、とても大切な部分です。
そして、木下地の胴縁を取付けていきます。
基礎の接続部分に水切りを、柱に役物を取り付けていきます。
455mmの間隔で釘を打ち付ければ、下地の完成です。
縦張り・横張りで張り方が違う
前項の続きです。
ここからは、サイディングの張り方の工程を解説していきます。
その前に注意点として、サイディングには、縦張りと横張りがあり、胴緑の向きが違うことを覚えておきましょう。
▽縦張りサイディングの張り方
①片側を釘で止め、サイディングを張っていきます。
下地に届くように、留付け具は32mm以上の釘を使いましょう。
②役物とサイディングにできた隙間は、シーリングを使って埋めます。
▽横張りサイディングの張り方
①下から順にサイディングを張っていきます。
縦張りサイディングと同じように、32mm以上の釘で打ちつけていきます。
②役物とサイディングにできた隙間は、シーリングを使って埋めましょう。
鉄骨造の場合は、つなぎ目にビス留めをしましょう。
外壁サイディングの張り方の工程は以上になります。
張り方をマスターしたら塗装もマスターしてみよう
サイディングの張り方はいかがでしたか。
最後に、サイディングの修繕についてお話します。
劣化している度合いが低ければ、サイディングボードの上から塗料を塗装して修繕することができます。
建物を建てて10年ほどしたら、メンテナンスの一部として検討してみましょう。
注意点として、サイディングの塗装には専用の塗料を使わなくてはいけません。
専用の塗料の中でも色々な種類の塗料がありますが、特にポピュラーな4つの種類を抜粋してお伝えします。
■フッ素系塗料
耐久性に優れていて、長持ちする塗料です。
トータルで見てみると、コスト面や塗り替えの労力を抑えることができます。
■シリコン系塗料
一番使われている塗料です。
効果もそれなりに長く感じられることから人気です。
■ウレタン系塗料
耐久性はやや劣りますが、さまざまな場面で使用されています。
以前まで主流であった塗料です。
■アクリル系塗料
4つのなかで一番耐久性が弱い塗料です。
ほとんど使われなくなっていますが、一時修繕であったり、頻繁に外壁の色を変えたい場合はおすすめです。
建物を守る外壁
普段、気にすることの少ない家の外壁ですが、定期的なメンテナンスを意識することで家の劣化を防げます。
機会がありましたら、サイディングの種類や特徴を自分で調べて、リフォームや再塗装に挑戦してみてはいかがでしょうか。
サイディングを張るときや、塗装するときには、ここまでにご紹介した情報を参考にしてみてください。