結婚してから相手の両親と同居となると、気になるのは生活のしやすさです。
相手の父親や、最も気になるのはパートナ-の母親との関係性です。
両親と息子夫婦、どちらも気持ちよく過ごせる二世帯住宅にするためには、どんなことに重きを置けば良いのでしょうか。
家事育児を母親と協力しやすい二世帯住宅
核家族が増えているといわれるなか、二世帯住宅の建設やリフォームが増えています。
この背景を紐解くと、以下のような状況が影響しています。
●マイホームの老朽化
新しく立て直すときに、二世帯住宅へとリフォームを行うご家庭もあります。
●子育て世代が共働き
結婚後も仕事を続け、出産後した後も仕事に復帰する女性が増えています。
二世帯住宅にすることで、夫婦ともに働いている場合でも両親、特に母親と協力して家事・育児が出来るのは、大きなメリットです。
また、同居することで、さまざまな支出を抑えられることもメリットとしてあげられますね。
●両親の高齢化
高齢化社会に伴い、息子であれ娘であれ、子供は父親、母親を支えたいと思うのは自然な考えです。
身近に住んでいることで安心感が得られるのも、二世帯住宅ならではといえるでしょう。
●相続税の減免措置対象
玄関が一つで、建物のなかでの行き来ができること、世帯で区別していない構造をクリアした同居であれば、特例措置を受けることができます。
将来の相続税を見越して、この条件も押さえておきましょう。
完全同居型で結婚生活!メリット・デメリットは?
ひと口に二世帯住宅といっても、さまざまな間取りがあります。
大きく3つの種類に分けてお話しますので、参考にしてみてください。
【完全同居型】
最低限のプライバシー面は分かれていますが、リビングやキッチン、浴室やトイレなどは共有するタイプです。
息子夫婦と両親が、ひとつ屋根の下で暮らすイメージです。
完全同居型の二世帯住宅にリフォームする場合、一般的な間取りは次の通りです。
・1階
玄関・リビング・キッチン・浴室・トイレなど二世帯の共用部分
・2階
各家族の寝室、、子供部屋など
小さなキッチンや洗面スペース、トイレなどを配置する場合もあります。
メリットは、土地を有効的に活用することができ、建築費用を抑えられます。
相続税の減免措置対象になることも大きなメリットですね。
また、親世帯と息子夫婦世帯が一つ屋根の下で暮らすことで、大家族ならではの楽しさや賑やかさを満喫することができます。
デメリットとしては、共有するところが多いため、生活リズムが異なる場合、気疲れしてしまうこともあります。
特に、結婚後すぐにパートナーの父親や母親と同居をする場合は、なおさら気遣いが必要になるでしょう。
キッチンを別にして相手の母親とも良好な関係に
続いて、2つめです。
【部分共用型】
二世帯それぞれの希望や、要望を叶えられる間取りにしやすい形状です。
以下のような、一部の設備を共有する間取りになります。
・玄関だけを共有として、玄関以外はすべて別々
・玄関と浴室だけを共有として、リビングやキッチン、トイレは別々
・玄関やリビング、浴室は共有として、キッチンとトイレは別々
とくに、結婚してパートナ-の母親と住む場合は、キッチンが別であることを望む家庭が多いでしょう。
メリットは、息子夫婦はリビングを大きくとって、親世代は浴室を大きくとるといった、こだわりのある間取りにできることです。
自由な間取りは、完全同居型では叶えられないことですね。
デメリットは、完全同居タイプと比べると、建設費用がやや高くなります。
そして、自由な間取りにすることができる分、両者共よく相談しながら間取りを決める必要があります。
息子夫婦と両親のプライバシーを尊重できる完全分離型
最後にご紹介するのは、完全に独立しているタイプです。
【完全分離型】
1棟の建物を上下、または左右に分けるタイプです。
上下に完全分離した場合、外階段を設けて上階に玄関を配置するため、玄関が別になります。
左右に完全分離した場合もそれぞれの玄関設け、独立した住宅としての機能を果たしてくれます。
敷地にそれぞれ独立した住居を2棟建築する方法もあります。
双方が行き来できる通路や庭を設けます。
メリットは、息子夫婦と両親それぞれのプライバシーを尊重することができます。
結婚してからすぐに同居となると躊躇しがちですが、建物が別であることで納得できる部分もあるのではないでしょうか。
また、母親が朝が早く、息子夫婦は朝遅いといったライフスタイルでも、お互いに気にならないのは生活しやすいですよね。
税金面やローンなどの優遇措置が受けられるのも、大きなメリットです。
デメリットとしては、広い土地が必要になります。
また、2棟の建設に近いため、その分コストがかかる面も理解しなければなりません。
結婚後同居した場合に起こりうる両親と息子夫婦のトラブル
先ほどご紹介したとおり、二世帯住宅といっても、いろいろなタイプがあります。
ここまで、親世代と息子夫婦が同居をする場合を想定してお話してきましたが、嫁と姑の問題はいつの時代も尽きません。
息子としては、自分の母親とパートナーの間で、荒波が立つのは避けたいですよね。
結婚してから同居をするうえで、二世帯住宅ならではのトラブルについて、見ていきましょう。
トラブルの多くは、プライバシーの問題です。
いろいろなタイプの二世帯住宅がありますが、共有する空間が多くあることで、トラブルに発展する確率が高くなります。
寝室以外は共有であったり、一部共有する場合は、双方良く話し合う必要があります。
また、玄関が同じであることで、小さな悩みが大きなトラブルに発展しかねません。
例えば
・靴が整理されていなくても注意しにくい
・ドアや鍵の開け閉めする音がうるさい
・郵送物の仕分けが面倒
・玄関先で来客と立ち話していると出かけにくい
・友人やお客さんを招きにくい
・新しい靴を買うと指摘される
などです。
毎日使う玄関だからこそ、日々のストレスが溜まりやすい場所といえますね。
結婚生活が母親のせいで悪化!?息子が気に掛けるべきこと
前述のとおり、キッチンでのトラブルがとても多いです。
女の城といわれているキッチンは、嫁と姑が共有にすると、高い確率でトラブルが起こります。
息子としては気づきにくい部分ではありますが、二世帯住宅を建てようとしたときは、最低でもキッチンを分けるようにしましょう。
世代が異なれば、食生活の好みも、食事を摂る時間も違います。
キッチンを分けるということは、二世帯住宅において最優先事項といえるでしょう。
結婚生活にも慣れ、やがて子供を授かるときがくるかもしれません。
母親一人での育児はとても大変なことですが、同居をしていることで、サポートを受けられるメリットもあります。
しかし、親世代からの子育てのアドバイスは、時として口出しのように感じてしまうのも、ストレスの原因となります。
あくまでも、「妻のサポート」として協力してもらうように、ご両親に理解してもらいましょう。
結婚相手からすれば、あなたの親はパートナーの親となるので、なかなか言いたいことも言えません。
良好な結婚生活が悪化してしまわないように、パートナーの気持ちを気にかけてあげられると良いですね。
思いやりの心を忘れずに
二世帯住宅において大切なことは、お互いに気持ちよく過ごせるように話し合うことです。
伝えづらいこともなかにはあるかと思いますが、しっかりと話しをして理解してもらいましょう。
そして、最低限の気遣いや、ご自身の生活を大切にしつつも、相手の家族に思いやりを持ちましょう。