窓のガタつきや隙間風が気になっていませんか。
その原因は、戸車かもしれません。
窓の下に付いている戸車が、経年劣化していたり、使い方でズレてしまっていると、ガタつきや隙間風の原因になってしまいます。
専門業者に頼めば楽ですが、自分で調整することも出来るので、ぜひ挑戦してみてください。
それでは、自分で出来る戸車調整をご紹介しましょう。
窓の「ガタつき」専門業者を呼ぶ前に戸車をチェック!
毎日のように開け閉めする窓ですが、長い間使っていると、ガタついたり、隙間が出来たりしてしまいます。
また、カギがかけにくくなったり、開け閉めするときに重く感じるようになったりもしますね。
それは、先程もお話しした戸車が原因の場合があります。
戸車とは、外側からは見えませんが、引き戸の下の部分に付いていて、窓や戸の開け閉めをスムーズにする小さな車輪のことです。
不具合が出たら、すぐに専門業者を呼んで修理をお願いすれば良いのですが、戸車を調整するだけで1万円以上かかると言われています。
そこで、専門業者を呼ぶ前に自分で窓のチェックをしてみましょう。
サッシ窓などは、簡単な戸車調整で直ってしまう場合があります。
《窓をチェック》
1.窓から少し離れて、窓全体を見ます。
2.窓の四隅を見て隙間がないかチェックします。
3.どの部分にどれくらい隙間が出来ているのか把握しておいてください。
隙間は出来ていないけれど、なんとなく窓ガラスが傾いている、あるいは歪んでいる気がする場合も、状態をチェックしておいてください。
「サッシ窓の戸車調整」実践編
窓のチェックは出来ましたか?
それでは、実際にサッシ窓の戸車を調整してみましょう。
用意するものは、プラスドライバー1本だけです。
力は要らないので、女性でも簡単に調整出来ます。
そもそも、建物は建築してから歳月が経つと、木材の乾燥などで多少の歪みが出るので、それに対処出来るよう、サッシ窓などの引き戸の調整は簡単に出来る構造になっているのです。
サッシ窓を開けると、窓ガラス枠の側面、下部に丸いキャップの付いた(付いていない場合もある)ネジ穴があると思います。
ひとつしかネジ穴がない場合は、それが戸車調整のネジです。
ふたつある場合は、上のネジはサッシ枠を固定するためのもので、下のネジが戸車を調整するネジになります。
手順は次の通りです。
《戸車の調整の仕方》
1.ネジのキャップを外しましょう。
2.ネジ穴の奥にあるネジをドライバーで回して、戸車の高さを調整します。
3.戸車を上げたい場合は、右に回します。
4.反対に下げたい場合は、左へ回してください。
5.戸車の調整が終わったら、キャップを戻して終了です。
つまり、窓の下に隙間や歪みがある場合には、ネジを右に回して戸車を上げ、反対に窓の上に隙間や歪みがある場合は、ネジを左に回して戸車を下げます。
このような手順で行えば、簡単に戸車の調整が出来ます。
「サッシ窓の戸車調整」はここに注意!
さて、戸車調整をする場合、注意しておくポイントについてお話ししておきましょう。
通常サッシ窓には、左右一組みの戸車が付いています。
戸車を調整する場合、取っ手が付いている側の戸車を調整することをおすすめします。
それは、カギが付いている側(召し合わせ側)を調整していまうと、カギの本体と受け手の位置がずれてしまう可能性があるからです。
そして、ネジの調整を行う場合は、少しづつ慎重に行いましょう。
一気に回して、戸車からネジが外れてしまうと、ネジが窓枠の中に落ちてしまう場合があります。
ネジが取れなくなってしまったら、今度はそのことで専門業者を呼ばなくてはならなくなるので、注意してください。
また、ネジが外れることで、窓の内部の部品が外れてしまい、元に戻せなくなってしまうこともあるので、決してネジを外さないようにしてください。
「窓の戸車調整」サッシ窓ではない場合①
これで、サッシ窓の戸車調整は終了です。
窓の隙間がなくなったことで、窓がガタつかなくなり、カギもかけやすく、窓の開け閉めもスムーズになったのではないでしょうか。
このように、サッシ窓ですとガラス窓を外すことなく、ドライバーひとつで調整出来ますが、サッシ窓以外ですと対処方法が変わってきます。
では、サッシ窓以外の戸車調整についてお話ししましょう。
サッシ窓以外の戸車の寿命は3~4年と言われており、開け閉めしたときに、ガタついたり、引っ掛かりが出るようになったら、戸車の交換時期です。
戸車の交換前に、まずは開け閉めをスムーズにするための戸車調整をしてみましょう。
《ゴミが溜まっていないか》
引き戸を外し、戸車にゴミが溜まっていないか見てみましょう。
ゴミが詰まっている場合には、ピンセットなどで丁寧に取り除いてください。
このとき、戸車の状態に問題がなければ、戸車を回転させながら潤滑油を差すことで、開け閉めがスムーズになります。
なお、潤滑油を差したときに、余分な油は布で拭き取る事を忘れないようにしましょう。
余分な油にホコリなどが付いてしまうと、戸車の不具合の原因になってしまいます。
また、同時にレールも歪みはないかチェックし、問題がなければ潤滑油を含んだ布で拭いておくと、さらに開け閉めがスムーズになります。
「窓の戸車調整」サッシ窓ではない場合②
さらに、サッシ窓以外の戸車調整について見ていきましょう。
特に開け閉めをするときに、擦れるような音がする場合には、戸車が原因の可能性が高く考えられます。
【戸車の状態をチェック】
引き戸を外して戸車の状態を見てみましょう。
戸車が傾いている場合には、取り付け不良が考えられますので、ネジを締め直してみてください。
摩耗や破損している場合には、早めに交換しましょう。
《戸車の沈み込み》
戸車が沈み込み過ぎている場合には、一度戸車を外し、薄い板などを窓枠と戸車の間に挟み、高さを調整します。
傾きがある場合も同じように、薄い板などを挟み込んで調整してください。
《木ネジの緩み》
木ねじの穴が緩んでいる場合は、割りばしなどを細く削って木工用の接着剤を付けてから、穴に金づちで打ち込みます。
接着剤が乾燥したら、不必要な部分をカッターで切ります。
《戸車の交換》
戸車自体が摩耗や破損をしている場合には、新しいものと交換しましょう。
まず、戸車を固定しているネジをドライバーで外し、新しい戸車を付け、しっかりネジを締め、固定します。
新しい戸車は、ホームセンターなどで手軽に手に入ります。
同じようなタイプのものであれば取り付け可能です。
戸車の交換と聞くと、とても大変そうに思えるかもしれませんが、作業としては簡単です。
それよりも、サッシ窓以外の戸車調整は、ガラス窓を外したり、作業スペースを確保したりすることの方が難しいでしょう。
くれぐれも無理のないように作業を行ってください。
「窓の戸車調整」サッシ窓の戸車を交換する
最後に、サッシ窓の戸車交換について見ていきましょう。
サッシ窓の戸車調整はガラス窓を外すことなく、簡単に出来ましたが、戸車を交換するためにはガラス窓を外さなくてはなりません。
《サッシ窓の外し方》
1.ドライバーを使って「サッシの外れ止め」を外します。
これはメーカーによって違うので、サッシ窓の上部に貼ってある説明シールに従って外してください。
2.召し合わせ部分にあるネジを緩め、「気密ピース」を上げます。
3.サッシ窓の下の部分を持ち、まっすぐ上に持ち上げてから、斜め下に引き抜くようにして外します。
サッシ窓は思いのほか重量がある場合があるので、二人以上で行いましょう。
《サッシ窓の戸車交換》
1.サッシ窓に合った戸車を用意します。
2.古い戸車を外し、新しい戸車を取り付けます。
3.古い戸車が外れない場合は、そのままにし、隣に新しい戸車を取り付けてください。
4.調整ネジで高さを調整します。
このようにすれば、サッシ窓の戸車も交換することが出来ます。
しかし、サッシ窓は外すのが大変な上に、メーカー毎に戸車の仕様違うので、実際に戸車を外してみないとその仕様がわかりません。
したがって、サッシ窓の戸車交換は専門業者に頼んだ方が安心と言えるでしょう。
窓の戸車調整は簡単?サッシ窓の場合は業者依頼も検討しよう
以上が、窓の戸車調整についてです。
お話ししてきたように、サッシ窓以外の戸車調整は、窓ガラスを外さなくてはなりませんが、戸車交換は簡単に出来ます。
反対に、サッシ窓の戸車調整は、窓ガラスを外すことなく簡単に出来ますが、戸車交換はなかなか素人には難しいものになります。
いずれにしても、この記事を読んで難しそうだと感じたら、無理をせず、専門業者に頼むことをおすすめします。