建物表題登記とは?新築した際の登記の流れを掴もう!

家を新築した際には、「建物表題登記」を申請する必要があります。

しかし、家の新築はほとんどの方が初めてのことですから、何をどうしていいものか分からないものですよね。

そこで、ここでは建物表題登記の一般的な流れについて解説していきます。

新築時に申請が必要な「建物表題登記」とは?

あまり聞きなれない「建物表題登記」ですが、どういったものなのでしょうか。

家の新築は多くの方が初めての経験ですから、ここで建物表題登記について確認しておきましょう。

建物表題登記は不動産登記法で定められている建物の現況を登記するというもので、建物を新築した際には必ず申請しなくてはなりません。

申請を怠ると、10万円以下の罰金を科せられます。

基本的に申請期間は工事完了から一ヶ月と定められていますが、申請期間を過ぎても罰則があったということはこれまでで実際にはありませんので、焦らずきちんと申請する必要があります。

万が一、数年たってから建物表題登記をしていないことに気がついたとしても、登記の流れに従ってしっかりと申請するべきなのです。

それでは、建物表題登記の申請の流れについて解説していきましょう。

新築時における建物表題登記の流れ①他の建物の登記の有無を調べる

まず、建物表題登記をする前に、新築した土地に他の建物の登記がないかを調べることから始めます。

実はこの流れが案外ポイントで、新築した建物の建物表題登記をしたあとに、万が一他の建物の登記がなされていると判明した場合、その建物の「滅失登記」をしなくてはならないからなのです。

そもそも、新築した土地には建物がなかったはずなのに、なぜ登記上建物があることになっているのでしょうか。

それは、現況ではその建物はすでに取り壊されているものの、滅失登記が行われていないため、登記上ではまだ建物が残っているということになっているためです。

滅失登記がされていないまま新築した建物の建物表題登記をしてしまったら、建物の上に建物が建っているような現実にはありえない状況なので、登記上つじつまが合わなくなってしまうのです。

そのため、すでにない建物が登記上残されている場合には、建物表題登記をする前に建物滅失登記をしなくてはなりません。

ただし、新築した土地に以前別の建物が建っていたとしても、その建物に関して建物表題登記がなされていない場合があります。

そのような場合は、そもそもその建物は登記されていないので、建物滅失登記をする必要がありません。

新築時における建物表題登記の流れ②他の建物の登記の有無の調べ方

それでは、その土地に、他の建物の登記が有るか無いかについての調べ方をご説明します。

まず、法務局の窓口に出向きます。

そこで、「登記事項要約書」の交付申請書に、その土地の所在地を記入し窓口に提出します。

そうすると、その土地に登記されている建物の有無を調べてくれるのです。

もしも、建物の登記が残っている場合、登記事項要約書を受け取ることができます。

登記事項要約書には、当該建物の登記情報が載っています。

建物滅失登記を行う際の申請書は、この登記事項要約書の内容を元にして作成を行います。

反対に、その土地に登記されている建物がない場合は、「登記されている建物はない」と回答をもらえることでしょう。

ここまでの、新築時における建物表題登記の流れをおさらいしましょう。

まずは、当該土地に建物の登記があるか調べ、

・登記がある場合→建物滅失登記を行ってから建物表題登記を行う

・登記がない場合→そのまま建物表題登記を行う

という流れになります。

新築時における建物表題登記の流れ③建物表題登記を行う

ここまでご説明したことを行っていただきましたら、建物表題登記の申請を行います。

必要な書類は、基本的に以下の通りです。

・建物表題登記申請書
・申請者の住民票
・建築確認書
・引き渡し証明書
・建物各階の平面図
・建物の図面 など

建物の建築確認書や引き渡し証明書がないなどの場合は、必要書類は異なりますので注意が必要です。

さらに、建物表題登記は建物の登記申請の中で一番複雑と言われています。

素人でもやる気と時間があり、手間をかけることを惜しまなければ申請することもできます。

しかし、やはり大変な作業ですので、費用は掛かっても専門家である「土地家屋調査士」に依頼することをおすすめします。

ちなみに、自分自身で登記を行う場合の費用はほとんどないですが、土地家屋調査士に依頼する場合の費用は約8~15万円ほどとなります。

意外に高くつきますが、土地家屋調査士は登記の専門家ですからスムーズに申請を行ってくれますよ。

建物表題登記の次には、「所有権保存登記」と「抵当権設定登記」の申請をするという流れになります。

新築時における登記は複雑とも思えますが、しなくてはならないことなのでもう少し頑張って読んでみてくださいね。

所有権保存登記と抵当権設定登記とは?

建物表題登記が完了したら、ケースバイケースですが「所有権保存登記」と「抵当権設定登記」を行う流れとなります。

まず、「所有権保存登記」とは、その建物の所有者を記録するというものになります。

つまり、新築した建物が自分のものであるということを証明するためのものです。

「抵当権設定登記」とは、住宅ローンを利用するときに申請するものになります。

住宅ローンで借りる金額は大きいので、建物を担保として金融機関がお金を貸してくれることになります。

万が一、金融機関が借金の回収ができないと判断した場合は、その建物を売却してお金を回収する権利が金融機関にはあり、その権利のことを「抵当権」と言います。

この権利に関して明らかにしておくためのものが「抵当権設定登記」なのです。

住宅ローンを組まないのであれば、所有権保存登記や抵当権設定登記はする必要がありません。

しかし、所有権保存登記については、新築した建物が自分のものであると主張できるものになるので、何かトラブルがあったときに困らないように申請しておくことをおすすめします。

建物表題登記の全体的な流れと増築した場合の登記

建物の登記は複雑ですが、新築したら必ずしなくてはならないことです。

最後に、これまでの流れをまとめてみましょう。

①他の建物の登記の有無を調査

②建物の登記があったら「建物滅失登記」、なかったらそのまま③へ

③建物表題登記

④所有権保存登記

⑤抵当権設定登記(住宅ローンを組む場合)

以上のようになります。

また、今後建物の増築をされた場合には、「建物表題変更登記」が必要となります。

ほんの少し増築しただけでも、変更登記の必要があります。

建物表題変更登記も、申請期間は工事終了から一ヶ月以内と定められています。

行政の課税担当者は地域の見回りもしていますので、増築した場合は発見される場合が多いです。

そのため、「ばれないだろう」と登記申請を行わずにいても、のちのちの指摘されることになりますから決められたとおりに必ず登記申請を行うようにしましょう。

建物表題登記は新築時には必ず申請!

家を新築した際は、建物表題登記を必ず行わなくてはなりません。

建物表題登記自体を専門家である土地家屋調査士に依頼するにしても、自分自身でも全体的な流れを把握しておきましょう。

また、今後建物の増築をした場合にも、変更の登記申請は必要になります。

必ず、忘れずに登記申請するようにしましょう。