モルタルは事務所やカフェの床に使われることが多いですが、一般の住宅でも床をモルタルにリフォームされる方もいます。
また、外壁や玄関、土間に使われることでも知られています。
そんなモルタルですが、diyにチャレンジする方もいるようなので、気になる塗り方などをご紹介します。
モルタル床の欠点とは
リフォームやdiyで「床をモルタルにしたい」と思っても、実はおすすめできないケースもあります。
まず、木造の住宅やアパート、マンションの場合です。
このような建物は、湿気や乾燥の影響を大きく受けてしまいます。
そうすると収縮することがあるため、モルタルがひび割れてしまいます。
さらに、賃貸では「防音に配慮した床材」とは言えないため、建てる段階で許可が降りない場合があるようです。
家の中の一部分だけならOKかもしれませんが、マンションの管理規約と照らし合わせて、よく確認することが大切です。
また、冬はかなり冷たくなってしまうため、寒い地方の床材としては不向きです。
どうしてもという場合、床暖房との組み合わせが必須になります。
さらに、「硬さ」もネックになります。
ご家族に子供や高齢者がいる場合、転んで大怪我する可能性もあります。
家事で立ち仕事をする場合も、足が疲れてしまうかもしれません。
モルタルが人気な理由って?
上記のようなデメリットを考慮しても、モルタルはやはり魅力的な床材です。
玄関や土間もハイセンスになりますし、自転車置き場などに施しても、カッコいい空間になります。
また、床に使用してもインテリアが映えますし、和モダンなインテリアにもしっくり来ます。
もちろん、一味違う洋室としてもコーディネートしやすく、和・洋の模様替えも自由自在です。
グリーンとの相性も意外と良く、洗練された部屋にしたい場合にもおすすめです。
まるで温室のような、癒しの空間に仕上げることもできます。
塵一つなく磨き上げられたモルタルの床は、ほれぼれするほど魅力的です。
モルタルの表面をタイル風に仕上げる「モルタル造形」も人気です。
また、全体をモルタルにdiyするのではなくて、窓枠のところのスペースや、一箇所だけをポイントとしてモルタルにするのもいいでしょう。
アイデア次第で他と差をつけられるのが、モルタルが人気の理由なのかもしれません。
モルタル床のdiy方法
モルタルとコンクリートを混同している方もいるようですが、「モルタルには砂利は混ぜない」というのが大きな違いです。
コンクリートはセメントと砂、水と砂利を混ぜて練ったもので、モルタルはセメントと砂、水を練ったものなのです。
強度で言えばコンクリートの方が上ですが、美しさはモルタルの方が勝っています。
モルタル壁の上に、クロスや塗装を施す、といった施工方法もあります。
また、接着剤としてレンガをくっつけるために使うことがあります。
では、モルタルについてくわしくなったところで、いよいよdiy方法をご紹介しましょう。
●準備するもの
・モルタルの粉末(ホームセンターで入手可能)
・水
【モルタルの塗り方】
1.モルタルの粉末に水を少しずつ加えながら練ります。
「水1:モルタル6」がおおよその配分ですが、モルタル粉末の袋に書かれている配分を参考にしてください。
水は始めに入れすぎるとベチャベチャになるので、注意してください。
2.ダマにならないように、すばやく練ったら床にコテで塗っていきます。
diyでモルタルの床に塗るときのポイント
モルタルをdiyで塗るときに注意するべきポイントがいくつかあるので、参考にしてください。
・厚めに塗ることを意識しましょう
特に床材に使用する場合は、ひび割れやすいため、厚めに塗ってください。
だいたい3cmくらいが目安です。
・一度に塗らないでください
下塗りしてからもう一度塗り、最後に上塗りで仕上げると強度が増します。
いちいち、表面をきれいに慣らす必要はありません。
アバウトに塗っておくくらいのほうが、くっつきやすくなるでしょう。
・購入時に、砂とセメントが配合されているものを選ぶと便利です
diyブームのおかげで、さまざまな商品があります。
できるだけ、使いやすいものを選びましょう。
モルタルを塗るために必要なものは、そんなに高価ではありません。
また、床などをいきなり塗るのではなく、なにか小さな場所で試してからチャレンジするといいでしょう。
賃貸でもdiyに挑戦!
このようなモルタルへのdiyは、アパートの大家さんならともかく、入居者にはできないことが多いですよね。
賃貸経営者であれば、所有している不動産のイメージチェンジや修理をdiyすることもできますが、借主が黙って勝手に行うことはできません。
また、たとえdiyできる賃貸物件だとしても、許可を得てから行うべきです。
床をモルタルで塗るというのは、部屋のイメージや使用感を大きく変えますので、たいていの賃貸物件では無理だと思います。
しかし、どうしてもコンクリートやモルタルの無機質な感じに憧れて、「原状回復できる」diyにチャレンジした方もいるようです。
方法はというと、まず、床にシートを敷いて、その上に板を何枚か敷き、継ぎ目はピッタリと合わせるようにして、その上からモルタルを塗っていきます。
水ではなくてペンキのようなとろみがあるものとモルタルを混ぜて塗っていけば、床まで染みることも防げます。
かなり難易度の高いdiyですが、成功すればガラッと雰囲気が変わります。
ですが、もしモルタルが壁や床についてしまうと、クリーニング代を請求されることになりかねないので、くれぐれもご注意ください。
壁などにマスキングテープを貼ってから作業されるといいかもしれませんね。
また、作業前に一度、大家さんに確認を取ることをおすすめします。
diyブームで増える便利商品とdiy型賃貸
賃貸ではモルタルのdiyは難しいということを取り上げましたが、さきほどご紹介した例のように、「元に戻せるdiy」にこだわっている方もいます。
そうした方を後押しするかのように、マスキングテープや穴を開けずに取り付けられるフックなど、便利なアイテムがたくさん販売されています。
賃貸の畳にシートを敷き、フローリングの床のようにしている方もいますね。
100均でもdiyグッズは人気で、さまざまな商品が開発されています。
容量は少ないですがセメントも売っているので、小物や植木鉢を自作する方もいるようです。
中には、アクセサリーまで作ってしまう方もいます。
「男前インテリア」が人気な今、ハンサムなアクセサリーも好まれるのかもしれません。
SNSで美意識や価値観を共有することが可能になった今、自分だけの特別な何かを探す方は多く、diyがそれにピッタリはまる場合も多いと思います。
実は、国にもdiyブームが認められつつあり、「diy型賃貸」についてのガイドブックも作成されています。
空き家を再利用して経済を活性化することができるとして、「diy型賃貸」には注目が集まっているのです。
モルタルを塗るのは難しくない!?
モルタルを塗っていく作業は、決して難しくはありません。
水を加えるだけでいいタイプの商品も、ホームセンターで気軽に安く手に入ります。
広範囲にわたって塗っていくと疲れると思いますが、仕上がったときの達成感は格別です。
しかし、賃貸で借りている場合は、diyに制限がある場合が多く、モルタルに塗り変えるといったことは許可されないと思います。
一応、管理会社に確認してみるといいかもしれませんね。