アパートの郵便受けが小さいとトラブル続出!問題点と対策

インターネットの普及に伴い、オンラインショッピングの利用が増加したことによって、宅配業者の再配達が激増し、社会問題となっています。

個人情報保護も重要性が増し、近年のライフスタイルの変化は目まぐるしいものがあります。

かつて公団型として多く普及した郵便受けも今となっては小さいものという印象があり、多くの問題を抱えることとなりました。

今回は、アパートの郵便受けが小さいことの問題点と対策を解説します。

アパートの郵便受けが小さいと起こる問題点

かつて公団型として多く普及した郵便受けといえば、投入口が大きく、施錠は希望者が南京錠でかけられるタイプのものでした。

近年は法律の制定やインターネットの普及に伴い、個人情報を取り巻く情勢も大きく変化しています。

この旧型の郵便受けは投入口から内容物が見えてしまい、簡単に手が入り、郵便受けを開けなくても内容物を取り出すことができてしまいます。

更に、A4サイズの封筒がギリギリ入る大きさだと投入口から郵便物がはみ出てしまい、簡単に抜き取れる状態のものも少なくありません。

盗難や個人情報保護の観点からみても、アパートの郵便受けが小さいことは多くの問題を抱えることとなりました。

そして、オンラインショッピングの普及による再配達の問題にも、大きな影響を与えています。

1人暮らしや共働き世帯など、日中の不在居室も増加していますが、受け取りに在宅が必要な宅配便もあります。

郵便局のレターパックなど、郵便受けに入らない場合は再配達になるようなサービスも普及してきていますよね。

こうした状況から、もはや古く小さなものとなった郵便受けは、時代に即した形状へと変化が求められています。

郵便受けもアパート選びの重要チェックポイント

賃借人の部屋探しもインターネットによる検索が主流となりつつあり、賃料や場所はもちろんのこと、様々な条件から部屋探しが可能となりました。

しかしながら、郵便受けについては検索項目自体がないことがほとんどであり、多くは内見時などに現地で確認することになります。

このとき、古くて小さな郵便受けだとしたら、内見をした人はどのような印象を受けるでしょうか。

投入口が大きく、内容物が丸見えで簡単に取り出せる状態で、容量も小さくDMチラシが溢れかえっていたらあまり良い印象はありません。

インターネットの検索にはかからなくとも、郵便受けはアパート選びの重要なチェックポイントとなっているといえるでしょう。

階数が2階建て以下の場合、郵便法の規定にかからないため、集合郵便受けを設置せずドアポストのみ(玄関扉についている郵便受け)で代用しているアパートもあります。

この場合もドアポストが小さいと、同様の問題を抱えることとなりますので注意が必要です。

郵便受けが小さいときに賃借人ができる対策

賃借人が、入居後にアパートの郵便受けが小さいことで悩まれるケースがあります。

こまめなチラシ整理はもちろんですが、大きめのカタログが郵便受けの投入口をふさいでいて親展封筒が顔を出していたり、再配達の不在票が埋もれていたりすると不安になると思います。

そこで便利なのが、郵便局留めや店頭保管などの外部受け取りサービスの活用です。

郵便局留めは、最寄りの郵便局窓口で直接受け取るサービスで、手数料はかかりません。

普通郵便はもちろん、代引きや書留、レターパックなどあらゆる郵便物で利用が可能です。
オンラインショップ各社でも、コンビニ店頭や宅配所で保管するサービスを多く取り扱っています。

ご自身で受け取りに行くのは少々面倒かもしれませんが、不在票の紛失や盗難の心配はなく、ただでさえ小さな郵便受けの容量確保にもつながりますので利用検討の価値はあるといえます。

また、郵便受け自体が施錠(ダイヤル式など)されていないタイプの場合は、最低限「南京錠」などで施錠するようにしましょう。

アパートの付加価値向上に!郵便受けのリニューアル

アパートの利便性のみでなく、印象までも左右する小さい郵便受けをリニューアルする場合は、どの様に施工し、費用はどのくらいになるのでしょうか。

郵便受けもメーカーによって様々な商品がありますが、一般的に1個1万円+工賃で充分なものが新設できます。

業者と商品が決まったら入居者へ工事日を通知しましょう。

改修後3日間ほどは旧郵便受けもエントランスなどに仮設置しておいて、郵便物の入れ替え期間を設けるとスムーズです。

長期不在居室などは、最終的に大家か管理会社で郵便物を移動することとなりますが、その際にはトラブルにならないよう注意しましょう。

また、郵便受けをリニューアルする際、電源を使用しない簡易宅配ボックスを郵便受けと一体型で併設する方法もあります。

宅配ボックスとまではいかなくとも、A4カタログや小包が保管できる容量であれば、多くの需要があるといえます。

簡易宅配ボックスとはいえ、宅配業者は暗証番号を設定でき、受領印も受け取れます。

アパートの付加価値を向上させる方法としては比較的安価で、様々なアイデアを反映させることができるのが郵便受けまわりのリニューアルです。

小さい郵便受けと併用可能!宅配ボックスの利便性

オンラインショップの利用率が上昇し、宅配業者の再配達が増加するなかで、改めて注目されているのが宅配ボックスの存在です。

今や、新築の集合住宅では、宅配ボックスはオートロックと並び標準仕様となっています。

アパートの郵便受けが小さい状況でも、宅配ボックスがあれば問題は大幅に解決します。

再配達の激増によって、大手宅配業者は配送時間帯の指定を一部制限するなど、社会問題となりました。

こうした時代背景から、国土交通省は宅配ボックスの普及に力を入れつつあります。

現時点では公共機関などに対象が限られていますが、宅配ボックスの設置に係る助成制度も新設され、今後も宅配ボックスは普及が進むと予測されます。

とはいえ、個人アパートで宅配ボックスを新設するには費用的な問題もあります。

宅配ボックスで一般的な「3列10ボックス」を購入し設置するとなると、費用は最低でも50万円から80万円前後となってきます。

また、インク交換やメンテナンスなどの保守契約のほか、緊急時対応サービス(契約内容による)などのオプションも必要となってきます。

宅配ボックスの購入設置が費用的に困難な場合は、保守契約を含めたリース契約の締結などがおすすめです。

アパートの郵便受けが小さいときは防犯カメラで抑止力

アパートの郵便受けからの盗難被害解決の決め手となるのが、防犯カメラです。

防犯カメラも、近年の新築集合住宅では、オートロックや宅配ボックスと並んで標準仕様となってきています。

郵便受け自体を物理的に防御するものではありませんが、「防犯カメラ稼働中」の警告とともに、存在感のある防犯カメラを新設することは盗難への強い抑止力となります。

また、抑止のみでなく、実際に郵便物の窃取が判明するなど効果も期待でき、DMチラシ配りの投函員でさえ躊躇することがあります。

防犯カメラは、ハードディスクの性能や画質などによって高価な商品もありますが、郵便受け前に1台設置するくらいであれば、郵便受けリニューアルや宅配ロッカー新設より安価な対応が可能です。

リース契約も各社で豊富に実績があり、日常経費を圧迫する心配もありません。

防犯カメラの導入は、アパートの付加価値向上にもつながることから、郵便受けが小さい場合は防犯カメラの新設も有効な選択肢となります。

問題を解決するためにできること

アパートの郵便受けが小さいと様々なトラブルが発生します。

郵便物の盗難による個人情報流出の問題も去ることながら、郵便物が溢れかえった状況ではアパート自体の印象も悪くなり、資産価値の低下にもつながりかねません。

宅配業者の再配達の問題もあり、近年では多くの問題の遠因ともなっています。

賃借人は郵便局留めなど利用方法を見直し、大家はリニューアルや宅配ボックスの新設など対応を検討する必要があるといえるでしょう。