賃貸アパートを借りるとき、洗濯機の防水パンがあるかどうか気にしたことはありますか?
間取りや設備をあらかじめチェックする内見において、防水パンの有無や、サイズのチェックは忘れない!という方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、防水パンの役割やお手入れ方法、防水パンのない物件に住むことになったときの対処法についてお話します。
アパートに洗濯機の防水パンは必ず設置されているわけではない!
賃貸アパートを探す際、間取り図を確認すると「洗濯機置き場」の記載がされている場合があります。
また間取り図には特に記載がなくても、内見に行くと、洗面室の一角に洗濯機が設置できるよう、専用蛇口と防水パンが備え付けられていることが多いです。
しかしながら、これは当たり前ではありません。
洗濯機置き場は、屋外にある場合もありますし、専用蛇口はあるものの、防水パンはないということもあるのです。
基本的には賃貸アパートやマンションで、洗濯機を設置する場所が室内にある場合は、防水パンがあります。
どちらかと言えば、防水パンがないのは一戸建ての物件に多いのですが、中には賃貸アパートでも防水パンがなく、専用蛇口だけが室内にある物件もあるのです。
洗濯機の防水パンは、あって当然なのではないことを知り、新居を探すときにはチェックすることをおすすめします。
賃貸アパートで洗濯機の防水パンがないことによるデメリット
洗濯機の防水パンがなくても、洗濯機を設置できないわけではありません。
しかしながら洗濯機の製造メーカーは、防水パンの使用を推奨しています。
その理由は、洗濯機本体に発生する結露が関係しています。
防水パンがないことにより起こるデメリットは、水漏れから床を守れないことです。
洗濯機の水漏れは、排水ホースの不具合や、故障によってのみ起きるわけではありません。
室内の温度と、洗濯に使用する水の温度の差が広がると、洗濯機本体に結露が発生します。
特に夏場の暑い日には、高い室温で冷たい水を使って洗濯するため、結露が発生しやすいです。
防水パンを使用していないと、本体についた結露の水が垂れ、床を濡らしてしまうため、長年そのままにしておくと床を痛めてしまうことになります。
結露によって床が腐食してしまうこともあるので、腐食が進めば賃貸アパートの階下に水漏れを起こしてしまう可能性もあります。
防水パンがあれば事なきを得られるようなトラブルでも、避けられない場合があるのは大きなデメリットです。
賃貸アパートで洗濯機の防水パンがない場合にやるべきこと
洗濯機の防水パンがないアパートに住むときには、契約前にやるべきことがあります。
先にもお話したように、防水パンがないことにより、床の腐食や階下への水漏れが起きる可能性があります。
被害が発生してしまったときの、責任の所在を契約時に明らかにしておかなければいけません。
・もし床が腐食した場合、退去時に原状回復として修繕費を払わなければいけないのか。
・もし階下に水漏れした場合、賠償や修繕の責任を負わなければならないのか。
本来、防水パンを設置していないことによって起きる被害は、物件に備え付けていない大家さんに責任があるのですが、確認して契約書に明記してもらうと安心です。
また、「防水パンがないと不安だから自己負担でも設置したい」という方は、工事を行うようになるので大家さんの許可を得なければいけません。
しかしながら、安くはない工事費用がかかり、退去の際には撤去費用もかかってしまうので、契約前に大家さんに設置してもらえないか交渉してみるのも一つの方法です。
洗濯機の防水パンがない場合の対処法
引っ越ししたアパートに洗濯機の防水パンがなかった場合、ないならないで良いと思う方もいれば、不安だから欲しいと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら先にもお話したように、きちんとした防水パンを設置するとなると、工事が必要で費用も安くありません。
そこでおすすめしたいのが、洗濯機トレーです。
プラスチック製で、見た目は防水パン本体と似た感じですが、こちらは工事の必要がなく、置くだけで使えます。
排水口の穴は付いていませんが、結露から床を守る働きはしてくれる商品です。
また洗濯機の置き台を活用するのも一つの方法です。
台に乗せることで、床と洗濯機本体の間に隙間ができるため風通しがよくなり、結露が発生してもお手入れしやすくなります。
キャスター付きのものもあるので、簡単に動かすことができ、洗濯機を置いている場所の床が濡れてしまうことがあっても、すぐに拭くことができます。
防水パンのお手入れをして水漏れを防止しよう!
アパートに備え付けられた防水パンに洗濯機を設置していれば、水漏れの心配はないというわけではありません。
蛇口の接続部分から水漏れすることもあれば、排水口を詰まらせてしまい、水漏れを引き起こす場合もあります。
排水口が詰まる原因は、排水によるものだけではなく、防水パンのお手入れを怠ったことによって引き起こされる場合もあります。
ふと見ると溜まっていることが多い防水パンのホコリは、結露などの水分を含み、こびりついてしまいます。
重たい洗濯機を動かして掃除をしなければならないのが面倒で、ホコリを見つけても放置していませんか?
そんな方におすすめしたいのが、洗濯機のかさ上げ台です。
ホームセンターなどで販売されているかさ上げ台は、防水パンと洗濯機の間に設置して使います。
かさ上げ台の設置により、洗濯機の下に隙間ができるので、お掃除がしやすくなり、通気性が良くなるのでカビも防げます。
掃除機や使い捨てモップを使って、防水パンのホコリを取り除き、水漏れを未然に防ぎましょう。
入居前に採寸必須!洗濯パンの大きさと蛇口の高さ
アパートに入居する前の内見の段階で、採寸しておく必要がある場所がいくつかあります。
その中の一つが洗濯置き場です。
防水パンの大きさや、蛇口の高さを測っておかなければ、せっかく運んだ洗濯機が置けない、使えないということにもなりかねません。
また防水パン周りに余裕がないと、洗濯機本体に出っ張りがあり、防水パンのサイズは問題ないのに洗濯機が置けない場合もあります。
防水パンが小さくて洗濯機が入らないときには、かさ上げ商品や、洗濯機台を使って、防水パンを受け皿のようにして設置することもできますが、このやり方も防水パン周りに余裕がないと難しいです。
防水パン周りに余裕があって、かさ上げすることで設置できたとしても、蛇口の位置や高さによっては、邪魔になってしまいきちんと設置できない場合もあります。
すでにお使いの洗濯機を新居でも使う予定であれば、内見の際に洗濯機の説明書を持っていき、担当の方に設置可能か確認すると良いでしょう。
引っ越しの機会に洗濯機の買い替えを検討されている場合は、サイズをきちんと把握してから決めなければいけません。
最低限以下のことは把握した上で電機店に行きましょう。
・防水パンのサイズ(内寸)
・排水口の位置
・防水パン周りのサイズ(隙間の寸法)
・蛇口の高さと位置
洗濯機は防水パンに設置して安心を手に入れよう!
賃貸アパートに住む上で、床の劣化や、階下への水漏れの恐れを考えると、洗濯機の防水パンは必要だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
面倒に思っていた防水パンの掃除も、便利アイテムを取り入れれば簡単に行うことができます。
防水パンが設置されていない物件でも、代用品を使って、水漏れの心配のない安心な生活を送ってください。